この記事は不登校の中学生を持つ親御さんたちに向けて書かれています。
不登校のお子さんがいる親御さんの中には毎日、不安を抱えて生活している方も多いと思います。そんな方々にはぜひこの記事を読むことをおすすめします!
- 不登校のお子さんが中学を卒業できないのではないか?
- 留年させられてしまうのではないか?
- 中学校から「このまま出席できないと卒業させられません」と言われているがどうしたらいい?
- 中学校を卒業しないと将来どうなってしまうのか?
などの不安にお答えします。
中学校を卒業できない場合はある?
結論から申しますと、中学校は不登校(1日も出席しなくても)でも卒業できます!!
日本では小学校、中学校は義務教育とされていますね。義務教育と聞いて「うちの子は不登校で教育の義務を果たしていないから卒業できないのでは?」と思ってしまう親御さんも多いと思います。
しかしこの「義務」は「子供が学校に行く義務」ではなく「保護者が子供に学校教育を受けさせる義務」なのです。
ですから、たとえ不登校でも義務を果たしていないことにはならないのです。
中学校では出席日数と卒業は関係ありません。
特に公立の小・中学校は不登校のままでも卒業できます。また「不登校だったから卒業式には出席しなくていい?」「卒業証書って受け取れるの?」という疑問もあるかと思います。
不登校のお子さんだと「卒業式に行きたくない」という方もおられるでしょう。
安心してください。
卒業式に出席しなくても卒業証書はもらえますし、卒業証書をもらわなくても卒業できます。
後で詳しく記述しますが、中学卒業後に進路を選ぶ時に提出するのは卒業証書ではなく、「卒業証明書」になります。
卒業証書にはセレモニー的な意味合いしかありません。
中学で留年する場合はある?
前述の通り不登校でも中学校は卒業できますし基本的に留年することもありません。
例外として、学校側から「不登校で勉強できていないので留年して勉強しますか」と確認されることがあり、それを承諾すると留年になることがあります。
しかし、東京都の公立中学校の教師をしていた人によると「その提案を受けて留年した人はいない」とのことでした。
つまり留年を強制する仕組みは事実上ないということです。
また、逆に子供や親御さんの方から「勉強できていないので留年したい」と申し出ても、受け入れられることは少ないようです。
ただし私立の中学校では学校ごとに決まり・基準があるため場合によっては不登校のために留年になる可能性もあります。
不登校でも高校へ進学できる?ハードルは?
中学時代、不登校でも高校進学はできます!
また、自分に合った高校を選ぶことで、勉強したり楽しく過ごしたりすることもできます。
ただし、中学時代に不登校だと高校受験の際に不利になることがあります。
それは「内申点が低くなり、受験・合格できる学校の選択肢が減る」ということです。
内申書(調査書)とは、中学校の出席日数、成績、生活態度などを中学校の先生が記した書類のことをいいます。
内申書の提出を求められる方式の高校受験では、試験の合否は「学力試験の点数」と「内申書(調査書)の点数」の合計で審査されます。
中学で不登校だと、出席日数が少なかったり、勉強ができなくて内申書(調査書)の点数が低くなる可能性が高い(=不合格となる可能性が上がる)ということになります。
ですが、内申書(調査書)の点数を重視しない高校や、審査しない受験方式もたくさんありますので安心してください。
一部ですが、以下のようなものがあります。
- 私立高校(内申書を重視しない、もしくは審査しない受験方式がある)
- 通信制高校(一般的に内申書を重視しない)
- 定時制高校(一般的に内申書を重視しない)
- チャレンジスクール(不登校の生徒のための都立高校)
しかし、やはり内申書を重視する高校を志望したい場合は残りの学生生活で点数を上げられる可能性もあります。
学校によっては「保健室登校」「フリースクールへの出席」「早退・遅刻しての出席」などを「学校の出席日数」として認めているところもあります。
学校の先生と相談して、内申書の点数が上がるための対策を立ててもらうと良いでしょう。
また、一般的に、内申書を重視する高校では学力試験の点数も重視する傾向があります。学力については塾などを利用することで不登校でできなかった勉強内容を補うことが可能です。
学校に登校しなくても家で学習は可能?
不登校のお子さんが自宅で学習する方法は以下の5つです。
- 塾
- フリースクール
- 家庭教師
- 通信教育
- タブレット学習
ですが、それぞれに良い点、悪い点があります。
塾
良い点
- 学校より時間が短い
- 学習に集中できる
- 生活のリズムが作りやすい
悪い点
- 個人の学習ペースに合わせられない
- 学校の友達と一緒になる可能性がある
- 学校のように集団での学習になる
フリースクール
良い点
- リラックスして通うことができる
- 子供のペースに合わせた学習ができる
悪い点
- 全国でも約500校と数が少ない
- 中学生以上を対象としていることが多く
- 利用者は少ない
家庭教師
良い点
- 安心できる自宅でじっくり勉強を見てもらえる
- 子供のペースに合わせて学習できる
悪い点
- 週一でも月15,000円〜程度とかなり高額になる
- 学習のリズムが作りにくい
- 先生をお迎えする準備が必要
通信教育
良い点
- 月額料金が3,000円前後
悪い点
- 机に向かって勉強することに抵抗がある子には不向き
- 学校に通っている前提で教材が構成されている
タブレット学習
良い点
- ゲーム感覚で楽しく学べる
- 時分のペースで学年に関係なく進めるので自信になる
- 時間の有効利用ができる
悪い点
- インターネット環境がないと学習ができない
- タブレットやパソコンなどの機器を購入またはレンタルする必要がある
- 長時間やりすぎると視力低下の心配がある
こうして見てみるとタブレット学習に軍配が上がりそうです。そこで、以下に3社ですがタブレット学習ができる会社を紹介します。
すらら
- 主要5教科(国・算・英・理・社)が学べる
- 親が学習状況を把握しやすい
- すららで家庭学習した分が出席扱いになる制度が利用できる
- プロ講師によるカウンセリングやサポートが充実している
- 費用が安い(5教科で月7,480円〜)
スタディサプリ
- 小4〜高校生の内容まで学年関係なく学習できる
- 一流プロ講師の授業動画が月1,980円で全学年見放題
- 自宅のパソコン、タブレット、スマホが使える
- 主要5教科(国・算・英・理・社)が全て学べる
- 無料でテキストを印刷して使える。また、別途購入することも可能
Z会中学講座
- 1教科1ヶ月から受講が可能
- 月額2,980円〜(税込)で主要5教科+プログラミング学習も学べる
- ハイレベルで上質な問題を学習できる
- 独自の入試対策がある
- 「テキストスタイル」と「iPadタイプ」から選べる
気になった会社があればHPを覗いてみてくださいね。
不登校時でも修学旅行や体育祭などの行事参加は可能?
不登校でも学校の行事には参加できます。
むしろ学校側から参加の誘いが来ることが多いようです。理由は「行事の方が参加しやすいのではないか」「周囲と打ち解けやすいチャンスだから」などがあります。
さらに「授業の補習は後からでもできるが、行事の補習はできないから」という理由もあります。
ただ普段から不登校のお子さんが行事だけ参加したいのかどうかはきちんと話し合う方がいいですね。
不登校児へ親としてどのように接する?
不登校児に対しての親の対応として、以下のことがおすすめできます。
①学校を休んでもいいと伝える
まず、言葉にして「学校を休んでもいい」と伝えましょう。
不登校児は「学校を休みたいけれど、休むのはよくないこと。でも行くのはつらい」と悩んでいます。
親が「休んでもいいんだよ」と伝えることでお子さんの気持ちが楽になり、「親は自分の味方だ」と安心します。
そうすることで、親子関係で「お互いに相談しやすくなる」メリットに繋がります。
②ねぎらいやがんばりを認める言葉を伝える
お子さんが学校を休みたいと言い出した時には、すでに悩み、苦しみがんばり切った後の状況であることが多いです。
つまり、がんばって悩みぬいた結果として不登校になったということです。このことを親御さんはよく頭に入れておいてください。
その上で本人の努力や我慢をねぎらう言葉をかけることが大切です。
例:
- 「今まで大変だったんだね」
- 「ずっとがんばっていたんだね」 など
こうした声がけはお子さんの中の緊張やわだかまりをときほぐし「次のステップ」を考え始める糸口になります。
③子供の話にきちんと耳を傾ける
お子さんから学校についての相談を受ける時、つい「甘えている」「怠けている」と思って話半分に聞いてしまうことがあると思います。
しかし、お子さんにとっては深刻な話です。これを軽く受けとめられたり適当に聞き流されたりするとお子さんはとても傷付きます。
頭ごなしに否定したり、聞き流したりせず、まず本人の話にじっくり耳を傾けましょう。
まだ中学生のお子さんは自分の気持ちをうまく表現できなかったり親に素直になれなかったりします。ここはせかさずに丁寧に話を聞きましょう。
そうすることで親が「具体的な解答」を思いつく時もあるし、思いつかなくても相談自体にお子さんの暗い気持ちや不安を払拭する効果があります。
④担任教師やスクールカウンセラーと連絡を取り合う
学校での様子を知るためにも、担任教師やスクールカウンセラーと連絡を取り合うことも必要です。
家庭では気づかなかったお子さんの悩みに気づくきっかけにもなりますし、子供が将来的に登校を希望している場合「その時のために家でやっておくといいこと」もやりとりしやすくなります。
⑤不登校支援をしている団体に相談する
不登校の中学生やその親御さんを支援している団体にぜひ相談してみてください。
支援団体(相談先)の例として以下のようなものがあります。
公的団体
- 市区町村の子育て相談窓口
- 児童相談所、児童相談センター
- ひきこもり地域支援センター
- 教育支援センター、適応指導教室
- 発達障害支援センター(発達障害があるとき)
- 小児科、児相精神科(民間の病院もあります)
民間団体
- 不登校親の会
- フリースクール
- 不登校に対応した塾やカチ教師など
- カウンセラー
支援団体を利用するメリットは以下のとおりです。
- さまざまなケースを通じて蓄積した専門知識やノウハウにもとづいて具体的な「解決策」が提示される
- 話をするだけでも親子の不安、ストレス緩和につながる
公民問わず、不登校の中学生と親御さんをサポートする団体はたくさんあります。
お住まいの地域にある相談先はインターネットで「○○市 中学生 相談」「○○県 不登校 相談」などと検索すると見つかります。
なお、公的な相談窓口の場合は、市区町村役所の総合窓口に聞いてみるのもおすすめです。
⑥親御さん自身がリフレッシュする
お子さんが不登校だと、親御さんも次のような悩みを抱えがちです。
- 自分の育て方が悪かったのではないか
- 不登校がずっと続いたらどうしよう
- 子供とのコミュニケーションがうまくいかない
このような思いから、親御さん自身が心の調子を崩すことがあります。
もちろんお子さんのケアは大事ですが、あなた自身の生活も充実させるようにしてください。
親御さんの充実した姿を見たお子さんは、将来に対してポジティブなイメージを持つことができますし、親御さんの安定がお子さんの心にゆとりをもたらします。
「子供が不登校なのに…」という気持ちはわかりますが、親御さん自身もぜひ休日などの空いた時間を生かしてリフレッシュすることをおすすめします。
それがお子さんのためにもなります。
中学が不登校でも問題ない!
以上の記事からも中学時代が不登校でも問題ないことはわかっていただけましたね。
ここでは実際に不登校だった、不登校をこうして克服した、などの体験談をご紹介します。
不登校だった24歳が今、振り返って思うこと
今現在不登校の方ーyahoo知恵袋
[体験談]不登校から学校に復帰したきっかけは母親の就職でした
元不登校の有名人・芸能人9人を紹介 [不登校から有名人になる方法]
不登校からの大学受験、体験談/成功体験で自信を取り戻そう
〈#不登校〉「私の体験談」特集 味方は必ずいるよ
元不登校生の体験談まとめ|不登校解決ブログ
以下の記事は体験談ではありませんが、脳科学から不登校を分析しているもので、こちらも参考になると思いますのでぜひ読んでみてください。
茂木健一郎「学校へ行きたくない子は脳科学的に学校へ行かせるべきではない」
まとめ
不登校の中学生は必ず「次の一歩」に進める!
【中学校を卒業できない場合はある?】
中学校は不登校(1日も出席しなくても)でも卒業できます!!
それに卒業式に出席しなくても卒業証書ももらえますし、卒業証書をもらわなくても卒業できます。
【中学で留年する場合はある?】
不登校でも中学校は卒業できますし基本的に留年することもありません。
【不登校でも高校へ進学できる?ハードルは?】
中学時代、不登校でも高校進学はできます!
ただし、不登校だと内申点が低くなり、受験・合格できる学校の選択肢が減る場合がありますが、内申書(調査書)の点数を重視しない高校や、審査しない受験方式もたくさんあります。
【学校に登校しなくても家で学習は可能?】
不登校のお子さんが自宅で学習する方法は以下の5つです。
- 塾
- フリースクール
- 家庭教師
- 通信教育
- タブレット学習
【不登校時でも修学旅行や体育祭などの行事参加は可能?】
不登校でも学校の行事には参加できます。
【不登校児へ親としてどのように接する?】
不登校児に対しての親の対応として、
- 学校を休んでもいいと伝える
- ねぎらいやがんばりを認める言葉を伝える
- 子供の話にきちんと耳を傾ける
- 担任教師やスクールカウンセラーと連絡を取り合う
- 不登校支援をしている団体に相談する
- 親御さん自身がリフレッシュする
ことをおすすめします。
【中学が不登校でも問題ない!】
さまざまな体験談から中学時代不登校でも将来的に全く道がひらけないということはありません!
最後に私の考えを聞いてください。
私は不登校児童ではなく、ごく普通の学生時代を送りました。ですが、親に教育に対する理解がなく、部活もやらせてもらえず大学にも行きたかったのに行かせてもらえませんでした。
しかも親の言い分は「部活など時間のムダ」「女が大学に行ってどうするんだ」という一方的なもので私の意見は全く聞いてもらえませんでした。ものすごくガッカリして、今でも親を恨むまではいかなくとも心に溝ができたままです。
何がいいたいのかというと、子供は親の所有物ではないということです。お子さんはまだ10数年の経験しかないとはいえ、立派なひとりの人間です。
親は子供に苦労をさせたくないので、どうしても口や手を出したり進む先のレールを敷いてやって、それで安心する生き物です。
ですが、親の言うことを聞いていればいいんだ、という、いわば押しつけをされて子供が幸せだと思うでしょうか。
親が子供にするべきことは、絶対的な信頼を寄せることとひとりの人間扱いをすることです。
子供がひとりの人間であるなら、相手の意見を聞くのは当然のことですし、いつでもお母さん(お父さん)はお前のこと信頼しているよと伝えてほしい。
そうすれば子供は自分は親に認められている、信頼されている、と思い、それが自信につながっていきます。
また、話を聞いてくれると思えば、親に相談がしやすくなります。外に出て、たとえ失敗したとしても家という安心して帰れる場所ができます。いつでも帰れる場所があればどんどん冒険や挑戦ができるようになります。
どうかお子さんの力を信じてあげてください!
この記事を読んで、少しでも心が軽くなったり、前向きに考えられるようになっていただければ、幸いです。
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