12月の手紙の書きだしや季語の使い方は?文章の締め方は?

普段あまり手紙を書かない人も、1年の締めくくりの12月に、お知らせや年の瀬のご挨拶などで手紙を書こうと考えている人も多いのではないでしょうか。

手紙を出す機会があまりないと、いざ書こうと思ったときに書き方が分らなくなっていたり、手紙を出す際のマナーも気になるかと思います。

私も仕事でもプライベートでも、メールかLINEばかりを活用していたので、手紙の書き方やルールもすっかり忘れてしまっていました。

ですがある時、知り合いの方から自筆の手紙を受け取った際に、とても嬉しく感動したのと同時に、返事の書き方が分からず慌てて手紙の書き方を学びなおしました。

それからは何かの節目や大切なお知らせなどには手紙を活用するようになりました。

一度覚えてしまえばずっと使える手紙の書き方を、この記事を参考に是非覚えて活用してくださいね。

12月に手紙を出そうと思っている方に向けて、12月の手紙の時候の挨拶と書き出しや、結びの文もご紹介していきます。

12月に書く手紙の書きだし例文は?

まず、手紙の基本的な構成ですが、①前文→②主文→③末文→④後付の4つのブロックに分かれています。

①前文

手紙の書き出し部分にあたる前文では、はじめに頭語(とうご)をおきます。

頭語とは、手紙の書き出しのことばで「こんにちは」と同じ意味を持ちます。手紙の内容によって使う頭語を選びます。

  • 「拝啓」・・・お手紙を差し上げますという意味で、一般的な文章のお手紙につけます。
  • 「謹啓」・・・謹んで申し上げます。という意味で、ビジネスやかしこまった内容の手紙で       はこちらを使います。
  • 「前略」・・・前文を省略するときに使います。
  • 「急啓」・・・急用の手紙の際に使います。
  • 「拝復」・・・相手から頂いた手紙に返事を差し上げる時に使います。

頭語のあとに、季節を感じる言葉を用いた文章の「時候の挨拶」を必ず入れます。

続いて相手の健康を気遣う文章や、感謝の文、ご無沙汰している場合などにはお詫びの文などを付け加えます。

②主文

前文のあと、本題に入る前に必ず「さて」「このたびは」や、ビジネスの場面でお願い事がある際「誠に恐縮ですが」などの起こし言葉からはじめます。

起こし言葉を使うことで、これから本題に入るということが分かりやすくなります。

頭後を「前略」で始めた場合は前文を書かず、すぐに本題に入るので起こし言葉は必須ではありません。

また、手紙の用件が分かりにくくなってしまうので、基本的に2件以上のお知らせなどは入れないように注意しましょう。

③末文

先方の健康や繁栄を祈る文や本題の締めなどの「結びの言葉」を付け加えます。

結びの言葉の後に、「さようなら」を意味する結語(けつご)を文の最後につけます。結語は頭語で使った言葉とセットで使うものが決まっています。

  • 「敬具」・・・頭語が「拝啓」や「拝復」ではじまった場合。
  • 「謹白」・・・頭語が「謹啓」ではじまった場合。
  • 「草々」・・・「前略」や「急啓」ではじまった場合。
  • 「早々」・・・「前略」や「急啓」ではじまった場合。
  • 「かしこ」・・・柔らかな印象を与えたいとき、主に女性が使います。頭語が「拝啓」や「前略」、もしくは頭語をつけない場合にも使えますが、ビジネスではあまり使われません。

④後付

後付では、1.日付 2.差出人の名前 3.宛名 を記します。

1.日付

プライベートや親しい間柄の人には横書きの便せんに「12月1日」のような表記で大丈夫です。

ビジネスや改まった内容の手紙の場合は、縦書きの便せんに年号を含む漢数字で「令和〇年十二月一日」のように表記しましょう。

お祝いの手紙などでは、日付を入れずに「令和〇年十二月 吉日」のように表記されます。

2.差出人の名前

自身の名前を姓名ともに記します。

家族や、親しい間柄の友人などには下の名前だけでもOKです。

3.宛名

差出人の名前のあと、手紙を受け取る人の宛名、または社名を「(株)~」と略さずに、「株式会社~」と正式名称で記します。

宛名の後には必ず「様」や「殿」などの敬称を忘れないようにしましょう。

 

これらを踏まえて12月の手紙の例をプライベート、ビジネス編に分けてご紹介します。

プライベート編

拝啓

 師走に入り、慌ただしくなってきましたがお変わりなくお過ごしでしょうか。
私はおかげ様で変わらず元気に過ごしています。
さて、~(本文)
これから寒さの厳しくなる時節柄、くれぐれもご自愛ください。

                          敬具

12月1日 (自身の名前)
(相手の名前)様

ビジネス編

謹啓

 初冬の候、○○様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。
このたびは、~(本文)
末筆ながら、○○様の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

                       謹白

二千二十二年 十二月一日 (自身の名前)
(相手の名前)様

12月の時候の挨拶は?

12月の季節を感じる言葉を用いた文章の「時候の挨拶」は、いよいよ本格的な冬の始まりを表す言葉や、年の瀬のご挨拶などの文章がよく使われます。

12月上旬では冬の始まりの文を、中旬から下旬にかけては寒さが増して年の瀬を感じるような文章を使うと良いでしょう。

同じ12月でも、手紙を出す時期によってふさわしい時候の挨拶がありますので、いくつかご紹介していきます。

プライベート向き

プライベートの手紙でも漢語調の「~の候」や「~の折」などの時候の挨拶を使うこともできますが、少し堅苦しい印象になってしまいます。

かしこまった内容の手紙や、目上の方へ送る場合は漢語調でも良いのですが、近しい間柄の人へ送る場合は、普段の話し言葉のような「口語調」の挨拶を使ったほうが親しみやすい文章となります。

  • 師走の候、何かと慌ただしい時期ですね(12月)
  • 寒さも日ごとに増してきましたね(12月)
  • 冬の星座が美しい季節ですね(12月)
  • クリスマスのイルミネーションが綺麗な季節ですね(12月上旬~中旬)
  • 本年も残り少なくなってきました(12月中旬)
  • 寒さもいよいよ本格的になって来ました(12月中旬~下旬)
  • 年の瀬もおしせまり、慌ただしくなってきました(12月中旬~下旬)

ビジネス向き

ビジネスや改まった手紙では、漢語調と呼ばれる「~の候」や「~の折」がよく使われます。

「~の季節」と同じ意味を持っています。

「~のみぎり」を使うこともできますが、柔らかく女性らしい印象を受けるため、男性は無理に使わないほうが無難です。

  • 師走の候(12月)
  • 初冬の候(12月上旬)
  • 向寒の候(12月上旬)
  • 短日の候(12月中旬)
  • 寒気の候(12月中旬)
  • 歳末の候(12月末)
  • 冬至の候(12月末)

12月に使える季語は?

「季語」とはそもそも俳句で使われる「季節をあらわす言葉」のことです。

手紙でも、時候の挨拶や文中で季語を使っていくと、より季節を感じられる美しい文章になるのでおすすめです。

12月ならではの季語と、冬全般に使える季語もあわせてご紹介しますので参考にしてみてください。

冬の季語例

冬の日/短日/冬の夜/冬木/枯木/冬霞/冬銀河/初雪/オリオン座/冬の星/霜/冬の暮/セーター/マフラー/編物/冬眠/狐/狸/冬木/冬木の桜

12月ならではの季語例

師走/クリスマス/ポインセチア/クリスマスローズ/年貢収/年越し/除夜の鐘/大晦日/年忘/行く年/年惜しむ/なまはげ/冬至/柚子湯/年の暮

12月に書く手紙の結びの一文は?

「結びの一文」では、手紙の最後に相手の健康や繁栄を祈る言葉や、本題の締めなどの文章を記します。

年中使えるような定番の結びの一文から、年の瀬の12月ならではの結びの一文もご紹介しますので参考にしてみてください。

プライベート

  • 何かと忙しい時期ですが、お体大切に。
  • まだまだ冬はこれからですが、風邪などひかぬようお気を付けください。
  • 寒さの厳しい時節柄、くれぐれもお体ご自愛ください。
  • 今年も余白わずかとなりました。良いお年を迎えられること心からお祈りしております。
  • 良いお年をお迎えください。また来年お会いできることを楽しみにしています。
  • 本年も大変お世話になり、ありがとうございました。年明けにお会いできるのが楽しみです。

ビジネス

  • 引き続き変わらぬご厚誼を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
  • 末筆ながら、来る年の○○様の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
  • 歳末御多忙の折、くれぐれもご自愛ください。
  • 年の瀬も迫り何かとご多忙のことと存じますが、くれぐれもお体にはご留意ください。
  • それでは、貴社ますますのご隆盛を心よりお祈り申し上げます。
  • 良き新年を迎えられます事心よりお祈り申し上げます。

12月の手紙の書きだしプライベート例文

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