- 風邪をひいてしまったけど、薬を飲まずに治したい。
- 風邪を病院や処方薬に頼らず、民間療法で治したい。
- 風邪をひいたときにおばあちゃんが言っていた首にネギを巻くといいって本当?
風邪をひいてしまったときに、このような希望や疑問をお持ちではありませんか?
この記事で紹介する民間療法とおばあちゃんの知恵袋を読み比べると、面白いことに両者の共通点や相違点がわかります。
私は腰が悪く長期にわたり民間療法の鍼灸を施していましたが、鍼灸では施しようがなくなり、手術しか方法がない時にはじめて病院を頼りました。
この記事では以下3つのポイントをお話しします。
- 民間療法とおばあちゃんの知恵袋の共通点と相違点
- 風邪の時に良いとされるおばあちゃんの知恵袋
- 世界のおばあちゃんの知恵袋
この記事に書いてあることを実践すれば、薬を飲まずに風邪が治ることでしょう。
民間療法とは?
九州大学によると民間療法は、広く民間で伝承されているような治療法で、また経験に基づくアドバイスとしています。 一般の医療機関以外で行われ、医療施設による指導などが行われていない療法と言えます。
具体例をあげると、お茶、漢方、温泉、鍼灸、アロマテラピー、健康食品などです。
要するに、科学的根拠に基づかないが、古くから良いとされて伝わる治療法です。
一方、近代西洋医学の代表である病院は感染症や外傷治療にはじまり、あらゆる病気に対応しています。時代と共に増加傾向の「現代病」と呼ばれる精神疾患や、慢性疾患にも対応しています。
公益社団法人全日本病院協会によると、病院には最低3名以上の医師がいることが求められ、「外来患者40名に対して医師1名」「入院患者16名に対して医師1名」が必要とされるとしています。入院治療や、人間ドッグや検診などの予防活動も担っています。
ウィキペディアで調べてみると、『特にガンなどに関して、科学的根拠に基づく医師の医療に含まれない「療法」で症状悪化や患者の詐欺被害が問題になっている。厚生労働省はエビデンスに基づいた注意喚起サイトをつくっている。』とあります。
民間療法は「すがる」イメージが強いです。
私の叔父はガン末期に薬や抗がん剤と共に、漢方で良いと言われているお茶を口にしていました。きっと本人は何でも病気に効くのなら、と藁をもすがる思いだったのでしょう。
民間療法は多くの人が関心を持っていたり、実際に利用したりして、長い年月を経て伝わってきたものなのです。
民間療法の効果
民間療法は経験に基づいた医療行為です。民間療法の効果はよく効くものから効かないものまでさまざまです。
経験に基づいた医療ですが、定義があいまいで、さまざまな民間療法があります。その効果を保証したり、実践を推奨したりするものではないので、日本の医療界では半医半民的療法の位置づけがされています。
民間療法の事例を調べてみました。
口内炎
民間療法として昔から「口内炎に効果がある」と言われているのは、はちみつの持つ殺菌効果が期待されるからだそうです。
— 果樹子 (@mikan_honey) October 11, 2021
ぎっくり腰
アトピーが良くなった事例
<民間療法>豊富温泉
北海道にあるモール温泉。豊富温泉のお湯は油分を含んでおり、保湿保温効果が高く美肌の湯として非常に有名。日本中から皮膚病の患者が集まる。特に脱ステロイドをしてるひとにはよく効きます。— アトピー完治への軌跡 (@atopy_info_) October 11, 2021
一方で、効果がない事例もあります。
我的过敏很厉害。
今年は花粉症対策が遅れてしまった。
先週から『ついに、本格的な花粉が来た!』って感じ。
民間療法である乳酸菌摂取で花粉症対策、嫌いなヨーグルト食べ続けても効果なし。
この週末は、自宅で懐かしのアニメでも観て、引篭状態の予定。
⬇️@miakesan さん作成 pic.twitter.com/Tp6l0leCAU
— 伊佐 @外国人派遣のパイオニア (@aisoa_1313) March 13, 2020
紅茶がインフルエンザに効果的?
また民間療法みたいなのが出てきたな……
「紅茶にウィルス混ぜて死滅した!」
って、どんな極端な実験だ……
それより、同研究内の「室内の加湿効果なし!」、そして「ビタミンC」「マスク着用」「手指消毒」がむしろ逆効果だというデータのほうが気になるよw pic.twitter.com/MQYONYxPsQ
— うなぎいぬ@マッチザベイト学概論連載中(Basser) (@unagiinu1092) January 21, 2019
私が潰瘍性大腸炎と闘病している時、色々な民間療法を試したり、腸に良い食材があると聞くとすぐに取り入れたりしていた。しかし全て効果なしだった。その教訓から言える事は潰瘍性大腸炎は難病であり民間療法などで治癒するのならば難病ではない。やはり先ずは主治医の治療方針を信じよう、と言う事。
— よしくん@社会福祉士(MSW) (@y_yoshinobukun) August 20, 2015
たしかに、昔の人は薬や消毒薬などがなくても、自然の物から同様の効果を得ていたんですね。
漢方が即効性はないものの、その人の体質や症状に合わせたオーダーメイド処方だというのも納得がいきます。
ところが現在は、熱が出たときに解熱鎮痛剤を飲むとすぐに熱が下がるように、医学の発展により開発された薬の力で、ある程度の症状は緩和することができるようになりました。
民間療法は昔からの経験に基づいた医療行為です。
しかし、現在では厚生労働省が近代西洋医学と民間療法を組み合わせる「統合医療」の発信サイトを管理しているように、両者を組み合わせてより生活しやすいようにしていく傾向があります。
風邪の時にいいと言われている民間療法5選
風邪の時にいいと言われている民間療法を5つあげてみます。
- 長ネギを鼻に当てる
- ネギ湿布
- 梅干しの黒焼き
- レンコン湯
- 生姜湯
民間療法と薬との違いは、どこで、誰が処方するかが違います。
西洋薬は、薬の成分を人工的に作っています。一方、民間療法薬の代表である漢方は植物が大部分を占め、複数の有効成分を含んだ生薬が組み合わされて作られています。
植物やカビ、細菌からの有効成分を分析した結果、現在病院で医師により処方される薬や薬局で販売されている薬になったのです。
鼻づまり
- 長ネギ(5cm程度に切って縦割り)の切り口を鼻に10分ほど当てておく
長ネギには粘膜を適度に刺激し血行を良くする硫化アリル化合物が含まれているため。
のどの痛み
- ネギ湿布をする
軽く火であぶった長ネギをガーゼで包んで喉に当てて包帯で巻きつける。ネギの成分は血行を良くし、炎症を鎮めるから。
体を温める
- 梅干しの黒焼き
梅干しを黒くなるまで焼き、お湯を注いで飲む。梅に含まれるクエン酸は、抗菌・発汗作用があるため。
- レンコン湯
レンコンのおろし汁にお湯とはちみつを注いで飲む。レンコンはレモンに匹敵するほどのビタミンCを豊富に含んでいるため。
- 生姜湯
はちみつと生姜の絞り汁をお湯で割って飲む。生姜のジンゲロールという辛み成分が血管を拡張し、血行が促進されるため。
どの方法でも血行促進効果があり、体調不良の原因となる血行不良(冷え)を改善すればよいことがわかります。
JA愛媛厚生連が、昔から風邪に効果があると言われている主な民間療法を紹介しています。
- 卵酒
- ネギ入りうどん
- にんにくのホイル焼き
- キンカンの甘煮
- 生姜入りの飲み物
民間療法は、科学的根拠がないので、病気が治ることの絶対的な効果が証明されていません。「天然の材料を使っている」「昔から使われてきた」ことがすべて安全で正しいとは言い難いのですが、体が求めていることをしてあげることで効果が表れるのです。
風邪の時にいいと言われているおばあちゃんの知恵袋5選
昔の人たちは風邪をひいたとき、薬や栄養ドリンクに頼らずに自然のものを上手に取り入れてきたと言われています。
おばあちゃんの知恵袋は、生活全般にまつわるちょっとしたアイデアのことです。高齢者がよく知っていることから「おばあちゃんの知恵袋」と呼ばれてきたのです。
風邪の時にいいと言われているおばあちゃんの知恵袋を5つあげてみます。
- 番茶に塩をひとつまみ入れてうがい
- 梅干湯、蜂蜜生姜湯
- 卵酒
- にんにく湯
- 葛湯
なぜいいのか、順番にお話しします。
風邪予防
- 番茶に塩をひとつまみ入れてうがい
手洗いとうがいは風邪予防の基本中の基本です。番茶には抗菌作用があり、ビタミンCが豊富です。普段、飲むときより濃い目に入れると効果的です。
風邪のひきはじめには
- 梅干湯
焼いた梅干しとねぎを刻み、熱湯を注ぎ、熱いうちに飲みます。梅干しには疲労回復のクエン酸、抗菌、減菌作用のあるカテキンが含まれています。ねぎの成分、アリシンは体を温め、疲労回復の効果もあります。
- 蜂蜜生姜湯
しょうがをすりおろしてしょうが汁を作り、蜂蜜を入れて熱湯を注ぎ、飲みます。生姜には体を温める効果があり、発汗作用があります。
風邪をひいてしまったら
- 卵酒
大きめの湯飲みに卵、砂糖を入れて混ぜ、日本酒を熱めに温めて、アルコール分を飛ばし、卵は固まらないように混ぜながら日本酒を注ぎ、飲みます。
日本酒などのアルコールは体を温める効果があり、体温が上がれば血流がよくなります。卵は完全栄養食品といわれるように、私たちの体に必要な栄養成分が含まれています。特に必須アミノ酸が豊富で、卵は良質なタンパク質といわれています。
- にんにく湯
にんにくを皮ごと焼いてすりつぶし、湯飲みに入れます。少量の味噌を加え、熱湯を注ぎ、飲みます。
にんにくには「アリシン」という成分が含まれ、強い抗菌作用があり気管支炎や風邪の症状を緩和する働きがあります。また、毛細血管を拡張することで血液の循環を良くします。
- 葛湯(葛根湯)
大きめの湯飲みにくず粉を入れ、熱湯を注ぎ、とろみをつけます。よくかき混ぜながら飲みます。葛根湯は、解熱鎮痛の効果があり、熱のある風邪、筋肉のこわばりに効果があります。
いずれの飲み物も、体を温める栄養効果があるものです。
Twitterで上がっているおばあちゃんの知恵袋です。どれも納得できる内容の投稿ですね。
地域ごとに伝わる人々の知恵が大好物の私たち。たとえば風邪をひいた時。あなたの「そういえば、おじいちゃんおばあちゃんが言ってたわー」的風邪対策は?以下の例のほかにも、何かあったらぜひ教えてー! #ウチだけの風邪対策
— 世界のKitchenから (@kitchen_team) December 6, 2018
これは温熱治療の資格を持ってるおばあちゃんの知恵ですが。
足の裏が乾燥してサラサラ→元気
湿っていてひんやり→ちょっと元気じゃない
べったり汗かいててひんやり→体調不良下に行くほど身体が暖まりにくくなる。わたしは風邪の治り具合をこれで判断してる
— ナヌモ=ワカラナーイ (@2die4treacle) June 2, 2020
民間療法は「すがる」イメージとお話ししましたが、おばあちゃんの知恵袋は「安心感」を得るイメージです。
どれも効果に即効性は求められませんが、人間が本来持つ自然治癒力を高めています。風邪の時は「睡眠・栄養」と言われてきた意味が分かります。
世界のおばあちゃんの知恵袋
世界にもおばあちゃんの知恵袋は存在します。なぜなら、昔からどの国でも家族の健康は母親が守るとされてきたからです。
ですから、健康、食事、掃除、薬、天気など、生活に密着した知恵が母から子へ、と受け継がれてきた結果、おばあちゃんの知恵袋として現在まで残っているのです。
高齢者から得られる安心感から、効果があると信じ込み、「おまじない」としておばあちゃんの知恵袋が残っているのです。効果があると信じ込むプラシーボのようなものですね。
テレビ番組の「世界一受けたい授業」では以下のものを紹介していました。
正解:ネックレスの中にはニンニクが入っている。
理由:ニンニクの成分アリシンに強い殺菌力があり、体内に侵入した細菌や風邪のウイルスをやっつけてくれるから。
正解:タコのゆで汁
理由:タコにはタウリンという成分が多く含まれていて、肝機能の向上や高血圧に効果があるから。韓国の古い文献では牛はタコを食べると死んでしまうと伝えられていたから。
正解:ヨーグルト
理由:ヨーグルトのひんやりした感触が日焼けした皮膚のうずきを抑えてくれるから。
たしかに、おばあちゃんの知恵袋は科学的、医学的根拠がないため、必ずしもその効果が保証されるものではありません。
自然のものを活用し、体質を改善することは、西洋医学とは違った視点の民間療法なのです。
まとめ
民間療法の定義はあいまいで、おばあちゃんの知恵袋と共通しているところが多くありました。
体の根本と向き合い、自然の力で体を元気にする昔からの習慣がおばあちゃんの知恵として長く残っていることがわかりました。
- 民間療法とは、広く民間で経験に基づき伝承されているような治療法である
- 民間療法の効果の程はまちまちである
- 風邪の時にいいと言われている民間療法5選は、長ネギを鼻に当てる、ネギ湿布、梅干しの黒焼き、レンコン湯、生姜湯がある
- 風邪の時にいいと言われているおばあちゃんの知恵袋5選は、お茶うがい、梅干湯、蜂蜜生姜湯、卵酒、にんにく湯、葛湯がある
- 世界にも「おまじない」のように信じられてきたおばあちゃんの知恵袋がある
民間療法も、おばあちゃんの知恵も、簡単にできて普段の生活に取り入れることができますね。
どちらを選ぶかはあなた次第ですよ。