初詣は神道の行事?仏教徒やキリスト教の場合は?

お正月には初詣にいく予定の人も多いのではないでしょうか。

初詣に行くときにちょっと気になることといえば、初詣に行くときに、神社とお寺はどっちが正しいの?

『神道』と『仏教』ってどうちがうの?他の宗教のひとは初詣に行かないの?と、いったことが気になりますよね。

この記事では、初詣と宗教のかかわりあいについて調べているひとにむけて書いています。

初詣の作法や私がすすめる、一度は行ってみたい神社の紹介もさせていただきましたので、ご参考になさってください。

初詣は神道の行事?

毎年、初詣に神社やお寺にいかれる人は多いでしょう。ですが、初詣は宗教でいうと『神道』になると知っていましたか?

『神道』とは日本で自然に生まれた民族宗教といわれています。初詣という行事を間違えて『仏教』だと思っている人が非常に多いのではないでしょうか。これには諸説ありますが、日本独自の『仏教』にそのヒントがあります。

日本に『仏教』がつたわったときに、過去の日本人がもともとあった『神道』と『仏教』のお互いの考え方をとりいれあう『神仏習合』という現象がありました。これにより、『神道』の考え方と日本独自の『仏教』は非常にちかいものになりました。

『仏教』との関係をきくと初詣っていがいと歴史があるのでは…と思われる方がおおいでしょう。でも、じつは初詣が今のようなスタイルになって、そこまでの時間がたっていません。

今のようなスタイルの初詣が広まったのは明治の中期ごろといわれています。中期というとだいたい1889年~1904年ごろですので、いまからおよそ100年前ほどです。

初詣とはじつはごく最近できた行事だったのです。

初詣にいく人の中には様々な宗教の人もいますが、そもそもだれでも神社やお寺に初詣にいってもいいものか気になりますよね。

ほかの宗教のおしえに背かなければOKです。初詣にいかれる神社やお寺では他宗教でも構いません。日本の宗教の考え方はひとことでいうと「様々な宗教を受け入れる」です。

これは非常に日本人らしい発想で、「人それぞれなのだから、宗教もそれぞれでいい」という考え方からきています。

もともと『神道』では自然物や自然現象などを神様としており、その数の多さから「八百万(やおよろず)の神」といわれるほどです。そのような『神道』の考え方から生まれた日本人らしい考え方なのでしょうね。

初詣にお寺に行くのはそもそもおかしいのでは? と思われる人もいますよね。

じつは初詣はお寺でもOKです。

日本独自の『仏教』と『神道』は長い歴史のなかで非常にちかい関係になっていますので、その区別はされません。あなたの参拝されたい神社やお寺にいかれるとよいでしょう。

私は日本の宗教の考え方ってすごいことだといつも感心しています。

お互いを認めて、ちがいを受け入れる…こうした考え方は宗教だけでなく、もっといろんなところで使っていきたいものですよね。

仏教徒やキリスト教、イスラム教徒の初詣

日本独自の『仏教』にはインドなどの国の仏教と共通点も多いので、お寺に参拝されるひとが多いです。

もちろん、ちがいもありますが同じ『仏教』として扱われていますので、いつも通りお寺に初詣に行かれていいです。お寺も日本は多いので、参拝したいところに行かれるとよいでしょう。

キリスト教の場合は、「偶像崇拝」の教えにより、神社やお寺に参拝することはできません。かわりに、教会でキリスト教の初詣にあたる「元日礼拝」というものがあります。日本各地の教会でやっているので、神社やお寺に参拝することはしません。

では、イスラム教の場合は? 気になりますよね。

イスラム教は太陽暦ではなく、イスラム暦できめているため、1月1日が元日とは限りません。イスラム教の場合も「偶像崇拝」の教えにより、神社やお寺に参拝することはできません。かわりに、モスクや自宅などでメッカの方角をむいて礼拝します。

日本では、まだモスクは少ないので自宅でおこなう人が多いようですよ。

あれ? キリスト教もイスラム教も一緒なの? と思われるひとが多いことでしょう。なぜならユダヤ教をもとにキリスト教やイスラム教が枝分かれしているからです。

もともとユダヤ教に「唯一絶対神」という考え方があり、それをキリスト教とイスラム教が引き継いでいるため、「偶像崇拝」がおなじように禁止されています。

では、なぜ日本独自の『仏教』が生まれて、ほかの宗教はそうならないか?

それは日本につたわってからの時間の長さもありますが、『仏教』では「唯一絶対神」の考え方がないからです。『仏教』では、おなじ「神様」がいろいろな姿をしていて、いろんな名前をもっている…『神道』とどこか似ていますよね。

似ているから、お互いの調和をうまくとれたのでしょうね。

初詣の習慣は日本だけの行事?

初詣って世界各国、共通の行事だと思っているひともいるでしょう。海外では初詣はなく、日本独自の習慣です。もちろん、似たものはあります。

中国や香港などの『仏教』がひろく信仰されている国々では、お正月にお寺にいく風習があるところもあります。

日本のように祝日のところや翌日から仕事のところなどあり、それぞれの国によってお正月の過ごし方は違います。

キリスト教では、12月24日~1月6日のクリスマス期間が一連の行事になっており、カウントダウンパーティーをしたり、年越しを花火でお祝いしたりします。もちろん、「元日礼拝」は世界共通のものなのでありますよ。

キリスト教信者の多いアメリカでは、祝日は大晦日と元日のみです。1月2日からは普通に仕事がはじまるといわれています。

イスラム教では、イスラム暦という太陽暦とは違う暦によって元日をきめているため、1月1日が元日とは限りません。イスラム暦の元日にモスクなどで参拝することが多いです。

中東やアフリカなどのイスラム教の国々では、元日よりもほかの行事を優先しているため、元日はその日のみが祝日のところが多くなっています。

翌日からは仕事がはじまるところは、キリスト教と一緒ですね。

初詣の正しい参拝方法とマナー

神社に参拝されるときに気になるのは、正しい作法とはどんなものか?やってはいけない行為はあるのだろうか? ということでしょう。

参拝時の服装にきまりはなく、自由な服装でよいです。ただ、あまりにも奇抜なものはさけられたほうがいいですよ。

生理中の女性のなかには、初詣にいってもいいのか気にするかたもおられます。禁止している神社はありませんので、体調にあわせて参拝なさってください。

また、喪中の方も四十九日の法要が、終えられているのであれば参拝してもよいですよ。

参拝の流れは次の8ステップです。

参拝の手順

  1. 鳥居の前で一礼。
  2. 参道の中央をさけて、左右によって歩く。
  3. 手水舎(てみずや)で手と口を清める。
  4. ご神前で一礼。
  5. お賽銭を静かにいれる。
  6. 鈴があれば鳴らす。
  7. 「二礼二拍手一礼」の作法で拝礼する。
  8. 参拝しかえるときに鳥居をくぐったあと、振り返って一礼。

手水舎での手順

  1. 左手に水をかけて清める。
  2. 右手に水をかけて清める。
  3. 水を口に含み、静かに軽く口をすすいで出す。
  4. ハンカチなどで手をふく。

現在はコロナの関係もあり、柄杓(ひしゃく)を置いていない神社が多くなっています。

お賽銭の額にはきまりはなく、お気持ちにあったものでよいでしょう。語呂合わせで「五円」をいれる人も多いですよね

願い事は昨年の感謝とともに心をこめてひとつだけお願いしましょう。

いろいろとお願いしたくなりますが、本当にかなえたいものをひとつだけお願いしましょうね。

やってはいけない行為として、

  • 参道の中央を歩く(中央はまつられている神様の通り道とされています)。
  • お賽銭を乱暴に投げる。
  • 神社のやり方にあっていない作法で参拝する。
  • 携帯電話で長時間の会話、大声で会話する。
  • 歩きながら飲食する。
  • 歩きながらタバコを吸う。

これらの行為は、ほかの参拝にこられている人たちの迷惑になりますので、気をつけましょう。

飲食やタバコは当然のマナーですが、つい忘れやすいのが携帯電話でしょう。人が多くあつまる初詣。電話でよけいなトラブルを起こさないようにしましょうね。

電話でトラブルになりたくない人は、参拝しているあいだは電源を切ってしまうのもいいでしょう。

私も以前、名前を呼ばれた気がして振り返ったら、電話していただけだったことがあります。その時に目があってしまって、気まずかったのをおぼえています。

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