- 「雛人形は誰が買うの?」
- 「地域によって雛人形を買う人は異なるの?」
- 「五月人形は誰が買うの?」
雛人形など伝統的な行事の飾りものって、いざ用意するとなると昔からのしきたりや風習があって結構悩むときがありますよね。私の家も子供に贈るものについてよくLINEグループで会議をしています。
この記事では雛人形について以下の疑問を解決していきます。
- 雛人形は誰が買う?関西や関東では?
- 東北など他の地域では?
- 五月人形の場合も買う人が決まっている?
- 雛人形を買ってもらったらお返しは?
- 雛人形のお古はお祓いが必要?上手な断り方は?
数分で読みおわる簡単な記事ですが、雛人形を購入するさいに悩まなくて済むようになりますので最後までお付き合いください。それではさっそくまいりましょう。
雛人形は誰が買う?関西や関東では?
- 関東では雛人形は母方の両親が買う。
- 関西では雛人形はお嫁さん(もしくはお婿さん)の両親が買う。
という昔からの風習があり一般的に「女性のご両親が買う」ことが多いです。
しかし、これは厳密なルールではないのでご家庭の事情に合わせて買う人は自由に決めていいんです。なぜ自由に決めていいかというと風習ができた理由を知ればわかります。
女性のご両親が買う風習が生まれたころは結婚=嫁入り、つまり結婚後は男性側の両親と同居するのが当たり前でした。結婚してしまうと女性側の両親はなかなか子供や孫に会うのが難しかった、だから雛人形などお祝いの品を届けることで娘や孫の顔を見る口実としていたんです。
今と昔の結婚のイメージはだいぶ違いますね。
現代では核家族化で両親と同居してないご家庭も多いですし、同居していてもお嫁さんが実家に全く帰れないというご家庭も少ないですよね。このように時代がかわりライフスタイルがかわり「お嫁さんのご両親が買う」という風習が生まれた本来の意図がなくなっています。
とは言っても家庭や地域によって昔からの風習を大事にしているところも少なくありません。「雛人形は女性の両親が買う」という昔からの風習があることを十分理解した上で、今のご家庭それぞれの事情にあわせて買う人を自由に選択してみてはいかがでしょうか。
東北など他の地域では?
関東・関西以外の地域では雛人形を買う人の風習はどうなっているのでしょう?
違いは東日本・西日本で大きく分けることができます。
【東日本】北海道、東北、関東、中部
- 雛人形は母方の両親が買う風習があります。
【西日本】関西、中国、四国、九州
- 雛人形はお嫁さんもしくはお婿さんの両親が買う風習があります。
【沖縄】
- 一般的には雛人形は飾りません。ですので雛人形を誰が買うか問題はないようですね。
かわりに3月3日は『浜下り(はまうり)』という風習があります。女性や女の子は身を清める意味で海に浸かります。南国沖縄といえどもさすがに3月の海はまだまだ寒そうですね。
東日本・西日本で厳密にいうと違いはありますが、お婿さんのケースをのぞいて基本的には女性側のご両親が買うのが全国的な風習のようです。
五月人形の場合も買う人が決まっている
雛人形は女の子の節句、それでは男の子の節句の五月人形にも風習があるのか気になってきます。
お察しの通り五月人形にも雛人形と同じように買う人について昔からの風習があります。
東日本では男の子の節句飾りは父方の両親が、西日本ではお嫁さん(もしくはお婿さん)の両親が買うという風習があります。
ここで注意が必要なのはお婿さんのケースをのぞいて東日本と西日本で買う人が違います。困ったことに五月人形の場合は2つの風習が相反しているんですね。
こいのぼりなど男の子の節句飾り全般で同じ風習になります。結婚した二人の出身地が異なる場合は特に注意した方がいいですね。
買ってもらったらお返しは?
次に雛人形を買ってもらってお返しが気になるところですが、両親からの贈り物は内祝いですので基本お返しは必要ありません。そのかわりにお祝いの席などに招待してあげてください。お孫さんの成長を一緒に感じることができたいへん喜ばれるでしょう。
遠方やこのご時世でお祝いの席に参加がむずかしい場合は、お礼状を添えて記念の写真を贈ることがいいでしょう。
その他には日持ちのするお祝い菓子や日常で使えるハンカチ、タオルなどが一般的です。もちろんそれらを贈るときはあまり時間を空けずに、遅くても3月中には済ませることを心がけてくださいね。
雛人形のお古はお祓いが必要?
雛人形のお古はあまり好まれません。
雛人形は新しく生まれてきた女の子の成長を祝うものでお守りのようなものです。ただ母から娘などは例外的で代々受け継がれてきたというご家庭もあります。
雛人形をもらうことになってお祓いが必要なのか気になる方がいるかもしれません。ですが特にお祓いの必要はありません。人形のお祓いは処分するときにお礼の意味で行うので、人形をもらう場合はお祓いはしなくていいです。
それでもどうしても気になるという方は最終的には本人の気持ち次第ですので、神社でお祓いしてもらってスッキリした気持ちで雛人形をお迎えしましょう。
またもっとも困るのは、「(お古の)雛人形をあげる」と言われたけどもらいたくない場合。知人や遠い親戚の申し出が意外とあり、その人たちも善意からの申し出なので余計困ってしまします。
雛人形にもその時代の流行のスタイルがありますし、どうしても顔立ちや衣装にも好みがわかれます。断りたいケースは多々ありますがその際は角が立たないようしたいところですね。一般的な断り方としては、
- 「もう買ってしまった」
- 「飾るスペースや収納しておくスペースがない」
- 「うちの両親が買ってくれることになっている」
また男性側の両親や親戚の場合は、旦那さんが上手に間に入ってもらってなるべく角が立たないよう気をつけましょう。
雛人形をあげると言ってくれている側も善意で言っているので、こちらもその善意は受けとり上手に断りましょう。
まとめ
この記事では以下のようなことをご紹介してきました。
- 雛人形は関東は母方の両親、関西はお嫁さん(もしくはお婿さん)の両親が買うのが風習。だけど厳密なルールはないので家庭の事情にあわせて自由に買う人を決めていい。
- 東日本(北海道〜中部)は母方の両親、西日本(関西〜九州、沖縄をのぞく)はお嫁さんもしくはお婿さんの両親が買うのが風習。
- 五月人形は東日本では男の子の節句飾りは父方の両親が、西日本ではお嫁さんもしくはお婿さんの両親が買うのが風習。
- 雛人形を買ってもらったお返しは必要ない。そのかわりにお祝いの席に招待しましょう。
- 雛人形はお古でもお祓いは必要ない。お古を断る場合は角が立たないよう気をくばる。
雛人形を買う人にも昔からの風習があり、その風習には昔の人の事情や心がありました。
現代に生きる私たちもその心は大切にしつつ、私たちそれぞれの家庭の事情やライフスタイルに合わせて雛人形を用意してみてはいかがでしょうか。
■こちらも読まれています。
・ 上巳の節句の食べ物はちらし寿司?由来や読み方は?桃の節句との違いは?