北海道では連日大雪が続き、一年で最も寒さの厳しい時期に突入しました。
私は現在札幌に住んでいますが、この時期は毎日氷点下の気温が続くため、外出するのがつらくなります。札幌にいても冬の寒さは相当にこたえますが、北海道にはもっと寒い地域がたくさんあります。
北海道の都市部では特に寒いとされる旭川市に住んでいる知人によると、「札幌の冬は暖かくてうらやましい」そうなので驚きですよね!
この記事では、
- 「北海道で一番寒い地域がどこなのか気になる。」
- 「北海道旅行に行く予定なので、寒い時期や暖かい時期、過ごしやすい時期が知りたい。」
- 「北海道に移住を考えているけど、冬の寒さに耐えられるか不安。」
そんな悩みをお持ちの方のため、北海道の冬の実情をご紹介します!
冬の北海道、寒い地域はどこ?
気象庁の過去30年間の統計によると、札幌市の冬の平均気温は約-2.3℃、旭川市の平均気温は約-5.7℃(いずれも12月~2月の平均)となっています。では、北海道で最も寒い地域はどこなのでしょうか?
北海道で最も寒いとされているのは、道東十勝の最北部にある「足寄郡陸別町」。陸別町のホームページでも「日本で一番寒い町」と謳われています。
陸別町の冬の平均気温は約-9.5℃、平均最低気温は約-17.8℃にもなります!家庭用冷凍庫の温度は-18℃前後なので、まさに冷凍庫のなかにいるのと同じ状態ということですね。
ちなみに陸別町は日本一寒い地域である一方、夏は30℃を超える真夏日になることもあり、寒暖差の激しい地域だとされています。
北海道が一番寒い時期はいつ?
北海道で最も気温が低くなるのは、例年1月です。10月下旬から11月上旬に初雪を観測し、12月に入ると一気に寒さが厳しくなって雪が積もり始めます。
逆に最も暑いのは7月~8月。
札幌や旭川では日中は25℃を超える日が多く、35℃を超えることもあります。近年の異常気象により、年々夏の暑さは厳しくなっている印象があります。にもかかわらず、北海道ではクーラーを設置している家庭は3~4割ほどとされており、猛暑を扇風機のみで乗り切る人も多くいます。
北海道といえば寒いイメージが強いと思いますが、夏の暑さも意外と厳しいんです。
10月下旬~2月頃までは寒さが厳しく、7~8月は猛暑日となることも多い北海道ですが、それ以外の時期はとても過ごしやすいので、旅行などで訪れる際は3~6月、9月、10月上旬頃がおすすめです。
北海道では吹き抜けの家・角部屋は寒いって本当?
冬の寒さが厳しい北海道では、住居を選ぶ際にも暖かさが重視されます。
家を新築したり新たに購入する際、「吹き抜け」は解放感もあり、明るいイメージで憧れますよね。でも、吹き抜けの家は寒いといわれることが多いので、寒い北海道では悩む方も多いと思います。
そもそも、なぜ吹き抜けの家が寒くなるのでしょうか?
理由は主に二つあります。
一つ目は、「暖房効率が下がる」こと。吹き抜けは壁や天井などの仕切りが少ないため、広い空間をすべて暖めなければならず、暖房効率が下がるのです。
二つ目は、「コールドドラフト」現象がおこるため。一般に「温かい空気は上に行き、冷たい空気は下に下がる」という性質があります。コールドドラフトとは、暖かい空気が天井付近の窓で冷やされ、下に降りてくる現象をいいます。この現象により、1階にリビングがあると特に寒く感じるようです。
しかし、近年は吹き抜けでも暖房効率を高めたり、コールドドラフトが起きにくくするような技術も発達したため、吹き抜けの家を選ぶ方も多くなっているようですよ。
また、マンションやアパートは「角部屋が寒い」と言われることが多いですよね。角部屋は外気が直にあたるため、暖房効率が下がるためです。
築年数の古い物件や木造の建物では、やはり角部屋は寒くなるので避けた方が良いかもしれません。
逆に、築年数が比較的浅く断熱材や暖房設備がしっかりしている部屋であれば、角部屋かどうかはあまり気にしなくても良いと思います。
私も以前、札幌市内でマンションの角部屋に住んでいたことがありますが、築年数が比較的浅い物件だったため、それほど寒さは感じませんでしたよ。
北海道はエアコン暖房や蓄熱暖房機は効かない?
北海道の一軒家では、暖房器具として「FF式石油ストーブ」を使う家庭が多くなっています。
FF式灯油ストーブは、外から燃焼に必要な空気を吸い込み、灯油が燃焼する際に発生する燃焼ガスが屋外に排気されるのが特徴の暖房器具です。灯油を燃焼させるため暖房能力に優れており、北海道では昔から使われています。
一昔前まではFF式石油ストーブが主流でしたが、最近はオール電化の家庭も増え、暖房に「エアコン」や「蓄熱暖房機(煉瓦を加熱することで熱を貯えておき、その熱を室内空間を暖めるのに使うもの)」を使用する家庭も多くなっています。
エアコンや蓄熱暖房機と聞くと「暖房能力が低そう」と感じるかもしれませんが、最近は昔に比べて性能が上がっており、家の断熱性能も向上しているため、これだけでも十分に暖かく快適に過ごすことができるそうです。特に小さなお子さんのいる家庭には、火を使わない暖房器具は人気を集めています。
北海道は暖房設備が充実しているため、こちらのtweetのように室内では他の地域より暖かく過ごせるという人も多いんですよ。
これらの暖房器具に加え、北海道ではほとんどの家で「こたつ」を活用しています。各部屋にひとつずつある家も多く、北海道の家庭には欠かせません。
北海道外ではこたつのない家庭も多いと思いますが、こたつは電気代も比較的安くすみ直に身体を暖めることができるので、冬にはおすすめの暖房器具です。
北海道の寒い地域ではカナダグースでも寒い?
冬の北海道では、暖房器具のおかげで室内にいる限りは暖かく過ごせます。でもいったん外に出ると、そこは氷点下。外出時に着るコートやダウンジャケットは、とにかく暖かいものが人気です。なかでも人気を集めているのが、「カナダグース」のダウンジャケット。
カナダグースは、1957年にカナダのトロントにて設立された防寒用アパレルメーカーで、極寒地での活動を支援するための、とにかく暖かいダウンジャケットを製造・販売しています。
昔から登山家や探検家などに愛用されてきただけあり、北海道の寒冷地でもカナダグースを着れば暖かく過ごせますよ。価格は10万円程度~と高めですが、耐久性が高く一度購入すると長く愛用できるのも嬉しいですね。
こちらのtweetのように、北海道でもカナダグースを着ると「暑かった!」という声もあるほどです。
こちらはカナダグースの公式サイト。興味のある方はぜひ覗いてみてくださいね。
冬はとにかく暖かい服装で過ごしたいものですが、若い女性たちはファッションにも気を使います。
北海道の冬にスカートをはくのは寒そうに感じますよね。でも、真冬でもスカートをはく女性はたくさんいます。その場合でもタイツなどで防寒する人が多いのですが、なかには冬でも生脚の女子高生がいて驚きます!ファッションに賭ける意気込みがすごいですよね笑。
冬の北海道あるある5選!
ここでは、私の体験談を中心に、「冬の北海道あるある」を5つご紹介します。
1.JRが遅れる、止まる
冬の期間、大雪のためJRの遅延・運休が多発します。冬の北海道では仕方のないことですが、通勤・通学のためJRを利用している人は、明日出勤(登校)できるか不安な気持ちで日々を過ごすことになります。
JRの遅延・運休で遅刻する場合、駅で「遅延(運休)証明書」を発行してもらうことができ、勤務先や学校に提出すると見逃してもらえることが多いです。でも、「明日重要な会議がある」というような日は、念のため前日から職場近くのホテルに泊まることもあります。
2.歩道がスケートリンクのようになる
毎年雪が積り始めるころから、路面が凍結し滑りやすくなります。
比較的暖かかった翌日に急激に寒くなるようなこともあり、溶けた雪が再び凍ってスケートリンクのようになることも。冬用の滑り止めがついたブーツでも滑ってしまうほどツルツルです。そのため、街中でも転ばないようにそろそろと歩く人がたくさん見られます。
3.雪かきのため早起きする
北海道では、大雪が降った次の日は早起きして雪かきをするところから一日が始まります。札幌ではつい先日(12月17日)、1日の積雪量が30cmを記録しました。雪かきをしないと外に出る道がなく、車を出すこともできないので、みんな必死です。朝から重労働のため、出勤したばかりなのに疲れ切っている人もいます笑。
4.家の中にいる限りは他の地域より暖かい
北海道は暖房設備が整っているため、家の中にいる限りはとても暖かく過ごせます。室内では半袖で過ごす人もいるほどです。そのため冬に他の地域へ行くと、室内が寒く感じる人は多いようです。
私は札幌出身で学生時代を関西で過ごしましたが、下宿していたアパートが寒すぎて驚いた記憶があります。
5.水道凍結に気を遣う
毎年12月から2月ころにかけて、水道凍結防止のため「水抜き」が必要になります。水抜きは、水道管に水が残らないようにして、凍結を防ぐために行うものです。
特に築年数が古いマンションや木造の建物では、水抜きを忘れて水道が凍結したという話をよく聞きます。水道が凍結すると水が使えなくなり修理費用もかかるため、とても気を遣います。
こちらは札幌市が公開している水抜きの動画です。きちんとした手順で行わないと水が残ってしまい、「水抜きしたのに水道凍結した」なんてこともあるので注意が必要です。
まとめ
- 北海道で最も寒いのは、道東十勝の最北部にある「足寄郡陸別町」。冬の平均気温は約-9.5℃、平均最低気温は約-17.8℃にもなる。
- 北海道で最も気温が低くなるのは1月。10月下旬から11月上旬に初雪を観測し、12月に入ると一気に寒さが厳しくなる。10月下旬~2月頃までは寒さが厳しく、7~8月は猛暑日となることもあるため、旅行などで訪れる際は3~6月、9月、10月上旬頃がおすすめ。
- 吹き抜けの家は寒いため昔は敬遠されがちだったが、近年は技術の発達により暖かく過ごせるようになったため、吹き抜けを選ぶ人も多くなった。
- 築年数の古い物件や木造の建物では、角部屋は避けたほうが無難。逆に築年数が比較的浅く断熱材や暖房設備がしっかりしている部屋であれば、角部屋でも暖かく過ごせる。
- 北海道では暖房器具としてFF式石油ストーブを使う家庭が多いが、最近は「エアコン」や「蓄熱暖房機」を使用する家庭も多くなっている。
- 北海道の冬を暖かく過ごすために、「カナダグース」のダウンジャケットはおすすめ。
- 冬の北海道あるあるとして、
- ①大雪によりJRが遅延・運休する
- ②道路がスケートリンクのように凍結する
- ③朝の雪かきが必須
- ④暖房設備が充実しているため室内が暖かい
- ⑤水道凍結防止のための水抜きを行う必要がある、などが挙げられる。
内地にお住まいの方は、冬の北海道での生活はなかなか過酷なものだと思われたかもしれません。
たしかに、冬の寒さや雪の多さには辟易することも多いのですが、北海道にはそれ以上に住み続けたい魅力があります。自然が多く、食べ物も美味しく、春や秋は本当に過ごしやすく快適ですよ。
まだ北海道に来られたことのない方は、ぜひ一度旅行にいらしてくださいね。
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