この時期になると、「今年1年も終わりに近づいているな」と感じます。皆さんは2021年、やり残していることはありませんか?この2年間ほど新型コロナウイルスの影響で多くの方が、たくさんの我慢をしてきたことと思います。
私も仲の良い友達や祖父母に会うこと、大好きな旅行へ行くこと、仕事で疲れ切った金曜日の晩に飲みに行くことなどたくさんの我慢をしてきました。
我慢してきたことのなかでも、会いたい人に会えないという時間はとても悲しかったと思います。最近では、ワクチン接種が広まり少し落ち着いてきてはいるものの、まだ会いたい人に会えていない方はたくさんいらっしゃると思います。
そこで、来年ははがきで連絡をとってみてはいかがでしょうか?
はがきで連絡をとる手段として「寒中見舞い」があります。
皆さんにとって身近な存在である年賀状に対して、寒中見舞いは知ってはいるもののどういう送られ方をしているのか意外と理解されていないと思います。
- 「そもそも寒中見舞いってどういうときに送るの?」
- 「いつから送るの?」
- 「関東と関西では時期が違うってどういうこと?」
- 「どういう風に書けば良いの?」
このような疑問を解決していきましょう!
寒中見舞いを関西ではいつから送る?
寒中見舞いは、1年のなかで最も寒い季節に相手を気遣いながら、自身の近況を報告する季節の挨拶状のことです。
このような季節の節目に送る挨拶状のことを「時候見舞い」といい、寒中見舞いのほかに下記のようなものがあります。
時候見舞いの種類
- 年賀状
- 寒中見舞い
- 余寒見舞い
- 暑中見舞い
- 残暑見舞い
- 喪中はがき
冬に送られる時候見舞いとして、寒中見舞いのほかに余寒見舞いと年賀状があります。皆さんは、この3つの違いがわかりますか?
大きな違いとしてあげられるのが「送る時期」です。
まず、1月1日の元日から1月7日の松の内までに届くようにするのが年賀状です。年賀状は、1年の感謝の気持ちや今後もよろしくお願いしますという気持ちを込めて送る新年の挨拶状です。
次に、松の内の翌日から立春(2月3日頃)までに届くようにするのが寒中見舞いです。寒中見舞いは、次のような場合にも送ります。
- 年賀状や喪中はがきが送れなかったとき
- 年賀状や喪中はがきを出していない人から年賀状を受け取ったとき
- 喪中の方へ年始のご挨拶
- 喪中と知らずに年賀状を出したときのお詫び
- 寒中見舞いの返信
そして、立春が過ぎ寒さの続いている時期に送るのが余寒見舞いです。余寒見舞いを送る目的は寒中見舞いと変わらず、何らかの事情により年賀状も寒中見舞いも時期が過ぎてしまったという場合に送られます。
|
⇒ |
|
⇒ |
|
ここまで松の内は1月7日までと表記してきました。しかし、実は地域によって異なることを皆さんは知っていましたか?
一般的に関東地方を中心とするそのほかの地域では1月7日までを松の内とするのに対し、関西地方では1月15日までとなっています。では、なぜ関西地方では松の内の時期がほかの地域と異なるのでしょうか。
もともと松の内は1月15日までとされており、年神様が鏡餅に宿っている期間だといわれています。そのため、松の内が明けた20日に鏡開きが行われてきました。
しかし、徳川三代将軍の家光が江戸時代の慶安4年4月20日に亡くなったのです。すると、鏡開きがちょうど家光の月命日となる1月20日となってしまったため、縁起が悪いと鏡開きを1月11日に行うようになったのです。
このことをきっかけに江戸では松の内の期間を1月7日に早められました。
20日が徳川家光の月命日となる |
⇒ |
鏡開きが松の内の期間になる |
⇒ |
江戸で松の内の期間をずらす |
寒中見舞い送付のマナーは?
寒中見舞いを送る目的や時期がわかったところで、いざ書こうと思ったものの迷ってしまうのが、送付するときのマナーや内容です。意外と知らないマナーもあるかもしれません。きちんとマナーを知ったうえで、失礼のないよう送付しましょう。
寒中見舞いを送付するときのマナーとして以下の5つがあげられます。順に詳しくみていきましょう。
- 年賀はがきは使用しない
- 頭語(拝啓)や結語(敬具)は書かない
- 縦書きで書き句読点や行頭の1字下げは使用しない
- 数字は漢数字を使用する
- 寒中見舞いの挨拶は大きく書き時候の挨拶をいれる
1.年賀はがきは使用しない
寒中見舞いを書くときは、年賀はがきは使用せず官製はがきや私製はがきを使用しましょう。官製はがきは、現在は郵便局で通常はがきとして販売されています。既に切手が印刷されているため切手を買って貼る必要がなく手軽にはがきを出すことができます。
また、切手部分に花柄が印刷されておりヤマユリ、ヤマザクラ、胡蝶蘭の三種類があります。どれを使用しても問題はありませんが、相手や自分が喪中の場合は胡蝶蘭にするのがおすすめです。
また、官製はがきは郵便局以外にコンビニでも気軽に購入できます。しかし販売されている絵柄が異なるので、購入したい絵柄が決まっている場合には注意が必要です。
私製はがきを使用する場合は、弔事用切手はマナー違反となります。デザインは、季節を感じるデザインや、喪中の場合はブルーやグレーの寒色を使ったデザインにしましょう。
2.頭語(拝啓)や結語(敬具)は書かない
通常手紙をかくときに使用される頭語や結語ですが、寒中見舞いでは書かないようにしましょう。寒中見舞いだけでなく年賀状や暑中見舞いなどの時候見舞いには頭語や結語は不要です。
3.縦書きで書き句読点や行頭の1字下げは使用しない
寒中見舞いは通常縦書きで句読点を使用しません。
今では句読点を使用することが当たり前の日本ですが、昔は句読点を付ける習慣がありませんでした。昔の日本はきちんと教育が行き渡っておらず、教育を十分に受けられなかったひとや子どもが文章を読みやすくするためにつけられ始めたのが句読点です。その名残で句読点を使用しないことがマナーとされています。
最近では寒中見舞いに句読点が使用されることもありますが、喪中の場合は句読点を避けるのがマナーなので気をつけましょう。
4.数字は漢数字を使用する
寒中見舞いの締めくくりに日付を記入するなど、数字を使う場面がでてきます。数字を書く場合には算用数字ではなく漢数字を使用するようにしましょう。
5.寒中見舞いの挨拶は大きく書き時候の挨拶をいれる
寒中見舞いでは、「寒中お見舞い申し上げます」という寒中見舞いの挨拶からはじめます。この寒中見舞いの挨拶を1文目に大きく書いたあと、時候の挨拶をいれましょう。これ以降は以下のような内容を書きます。
- 相手の近況や安否を尋ねる言葉
- 自身の近況を伝える言葉
- 今後の付き合いをお願いする言葉や相手の健康や無事を願う言葉
- 送った日付
- 住所と名前
以上の内容に加え年始の挨拶が遅れたことへのお詫び、喪中の方へのお悔やみの言葉、いただいた挨拶状へのお礼など、個々の事情に合わせた文章を追加しましょう。喪中の方に送る場合や、自身が喪中の場合はおめでたい言葉の使用を避けるのもマナーです。
また、住所と名前は表面に書いている場合は不要です。ちなみに、はがきでは受取人の名前や住所を書く面を表面、内容を書く面を裏面と呼びます。
最近では年賀状を送らずメールやラインで済ませるひとも増えています。寒中見舞いもメールやラインで済ませて大丈夫かな?と疑問をおもちの方もいるでしょう。
寒中見舞いは、親戚や友人、上司・先輩・同僚といった社内のひとや仕事関係のお客様などお世話になっている方たちへ送ります。
寒中見舞いであっても親戚や友人といった気軽に出せる相手ならメールやラインでも問題はありません。また、上司や先輩、仕事関係のお客様であっても状況によっては、メールやラインでも大丈夫でしょう。
コメント