12月に入り、いよいよ今年もあと僅かですね。
「師走」の名前の由来は、普段は落ち着いている僧侶のような人でも、忙しく走り回ることから来ていますが、12月はクリスマスや年末年始、大掃除も含め色々な行事があって、とても忙しくなりますね。
私も「面倒な掃除も普段から少しずつやっておけば、年末の大掃除はとても楽なはず…」と毎年思いますが、なかなか掃除の習慣化に至らず…。
しかし最近、SNSで掃除ビンゴを作って、大掃除をこなすという方を見かけて、さっそく取り入れようと思っています。
「ビンゴが揃ったら、自分にご褒美!」なんて素敵じゃありませんか?
さて、この時期になると、喪中はがきが手元に届くこともしばしばですね。
「今年は肉親や親戚が亡くなって…」と、年末年始を静かに過ごすこの喪中ですが、
今回は
- 「喪中でのクリスマスは普段通りに楽しんだらバチがあたるの?」
- 「喪中はがきを出すことくらいは知っているけど、年末年始に他に控えるべきことはあるの?」
と疑問に思う方に向けて、喪中の期間のクリスマスの過ごし方や、初詣・合格祈願など年末年始にやっても大丈夫なこと・避けたいことをご紹介します。
喪中とはいつからいつまで?
喪中とは、結婚式などの慶事や贅沢を避け、故人の死を悼む期間をいいます。
「その『故人』って、自分から見て一体どこまでの親族のことを指すの?」というと、一般的に2親等以内の親族がそれにあたります。
「2親等…?」
そう、中学生の時に公民の授業で家系図を勉強する時のアレですね!
まず、1親等が父母や子供、義父母となります。続けて2親等が、祖父母や兄弟姉妹、孫、さらに義祖父母、兄弟姉妹の配偶者などがそれにあたります。
※郵便局のホームページにも詳しく載っているので参考にしてみてくださいね。
また、親や子供、親族など近親者が亡くなった際に、一定の期間喪に服すことを「忌服」といいますが、 明治時代には亡くなった人との関係によって「忌中」と「喪中」の期間が細かく定められていました。
「忌中」でも「喪中」でも、その期間の過ごし方に大きな違いはありませんが、現代では、故人が亡くなった日から数えて「忌中は四十九日法要まで(神式は五十日)」、「喪中は一年間」となっています。
喪中でのクリスマスの過ごし方は?
喪中でのクリスマスの過ごし方のお話の前に、まずは喪中に避けるべき事と、そもそもクリスマスって何?というところから見ていきましょう。
先ほども述べましたが、喪中は「慶事や贅沢を避け、故人の死を悼む期間」です。
具体的に何をしたらダメなのかというと
- 新年のお祝い事:正月飾り、鏡餅、おせち料理、お屠蘇や新年のご挨拶である「明けましておめでとうございます」も避けましょう。
- 挙式または結婚式への参列
- (特に忌中は)神社への参拝:七五三などの行事も含みます。自宅に神棚がある場合は扉を閉じておきます。
- 家の新築・改築
などがあります。
次に「クリスマス」についてです。
今の日本においてはツリーを飾ったり、プレゼントを贈ったりと一年のうちの大きなイベントのひとつになっているクリスマスですが、これは戦後に日本に入ってきた風習であり、もともとはイエス・キリストの誕生を祝う日(12月25日・降誕祭)とされていて、キリスト教の信徒はクリスマスやクリスマス・イヴに教会へ赴き神に祈りを捧げます。
キリスト教においては、死ぬこと=永遠の別れではありません。
死者は神に召され天国へ旅立ち、そして神の国で再会できるといわれています。なので、近親者が亡くなってもクリスマスのミサを行います。
つまり、キリスト教には「喪中」という考え方がないのです。
身近な人が亡くなり喪中であっても、クリスマスを楽しく過ごしてはいけないという決まりはありませんので、家の中でクリスマスパーティーを開いたり、近所のイルミネーションを見に行くのは問題ないでしょう。
喪中のクリスマスはケーキ・ツリー・プレゼントはダメ?
続いて、せっかくの楽しみでもあるクリスマスのケーキやツリーの飾り付け、プレゼントはどのようにしたら良いかをまとめてみました。
①クリスマスケーキは…?
喪中にクリスマスケーキを食べることは、喪中において避けるべき行為にはあたりませんので、食べても大丈夫です!
②クリスマスツリーは…?
これも家の中で楽しむ分には問題ありません。
しかし、最近では家の外や庭先でイルミネーションを楽しむご家庭も増えていますね。
これに関しては近所の目もありますので、「あの家、喪中なのに…」と変に思われないためにも避けた方が良いでしょう。
③クリスマスプレゼントは…?
もちろん、プレゼントも問題ありません。
お子さんがいるご家庭では、子供たちの一番の楽しみといっても良いのがクリスマスプレゼントなので、ぜひ準備してあげたいですね。
日本の文化である喪中は慎ましく過ごすのがマナーであるので、「贅沢を避ける」という点を考えると、「クリスマスケーキって大丈夫だろうか?」「ツリーなんて飾って、周りの人から不謹慎だと思われないかな?」などと心配になりますが、どの項目にも共通して言えることは、クリスマスだからと言っていつものように浮かれすぎたり、はしゃいだりするのは避けた方が良いという事です。
家の中でささやかにクリスマスを楽しむ分には何ら問題はありません。
喪中の場合、教会のクリスマスミサへの参加は?
クリスマス・イヴやクリスマスに行われるクリスマスミサは、喪中でも参加できるのかというと、答えはYesです!
「喪中でのクリスマスの過ごし方は?」でもお話しした通り、仏教や神道と違い、キリスト教には「喪中」という考え方がありませんから。
とはいえ「『ミサ』って聞いたことはあるけど…どんな雰囲気なの?」「自分はキリスト教の信徒ではないし…行ってみたいけど具体的に何をするんだろう?」と気になる方もいるのではないでしょうか。
ミサは、あのレオナルドダヴィンチの作品でもよく知られている「最後の晩餐」を起原とした、キリストの救いに感謝する礼拝儀式のことです。
ここ数年、コロナウイルスでの影響で、クリスマスミサへの参加が制限されている教会が多いようですが、通常ならば一般の人でも参加が可能です。
また「カトリック麹町聖イグナチオ教会」では定期的にYoutubeのライブ配信も行っているようです。動画を見ると実際の雰囲気を掴みやすいです!
動画を見て頂くとわかりますが、牧師の説教を聞いたり、聖書の朗読があったり、クリスマスの曲をみんなで歌うなどして過ごすようですね!
私はキリスト教の信徒ではありませんが、「亡くなった人に神の国で再会できる」という考え方は素敵だと思いました。
賑やかなクリスマスはそれはそれで良いのですが、こういったミサに参加して、故人に思いを馳せるのも悪くないですよね。
年末年始の行事で喪中の過ごし方は?
最後に、喪中における年末年始の行事の過ごし方についてご紹介します。
①初詣は参拝しないほうがいいと聞くけど…
結論から言うと、神社はダメですが、寺院は参拝して大丈夫です。
これは、神道では「死は穢れ」とされていて、「不浄」であったり「不潔」を意味します。
穢れとは言いますが、これは直に亡くなった人のことを指しているのではなく、身近な人が亡くなり、すっかり気力がなくなっている人の状態、「気枯れ」に由来しているのだそうです。
もしどうしても神社にお参りしたい!という場合は「忌明け」である五十日を過ぎてから参拝するようにしましょう。
ちなみに「鳥居だけくぐらなければ大丈夫!」という人がいますが、これも避けた方がいいです。
②年越しそばって食べていいの?
年越しそばの由来には様々な説がありますが、一番良く知られているのは「健康・長生き・延命を願う」という意味ではないでしょうか。
お正月のおせちのようにお祝いの料理ではないため、喪中であっても食べて問題ありません。
③喪中の期間に初日の出を見に行くのは不謹慎?
一年で一番初めにやってくる日の出を拝むのはどうなのかというと…これは「初日の出」の2つの由来がポイントになってきます。
ひとつは、初日の出が「年神様」であるという考え方。
元旦にそれぞれの家庭に幸せをもたらすために、高い山から降りてくる神様をお迎えし、新年を祝う考え方です。
もうひとつの由来が、「ご来光」です。
お釈迦様が光を背負っているように見える、ありがたいという仏教の信仰に基づく考え方です。
「年神様」という見方をすれば、新年のお祝いにあたるので、喪中の初日の出はNG、仏教の信仰で「ご来光」という見方であれば、故人の冥福を祈ることにもつながり、初日の出を拝みに行くのはOKとなります。
こうしなければならないという決まりがないので、個人の気持ちによるところが大きいです。
では、喪中の人を初日の出に誘ってよいかについては、大切な人を亡くしたばかりで辛い方もいるかもしれません、喪中の人を気軽に初日の出に誘うのは避けましょう。
④今年受験の学生が神社にお参りしたい場合はどうする?
合格祈願のために神社にお参りしたい人もいるでしょう。
しかし、先ほどもご紹介した通り、忌明けまでは神社への参拝を控えましょう。
「忌明けまで待っていたら受験に間に合わない!」という人は、神社に一度相談してみるか、神社によってはお守りを郵送してくれるところもありますので、問い合わせてみるのもひとつの手ですよ!
コロナウイルスの影響で参拝することが難しいのもありますが、学問の神様で有名な京都の北野天満宮でも郵送による御祈祷やお守りの授与を行っているようです。
北野天満宮 御祈祷並びに授与品の郵送による申し込みのご案内
⑤豆まき
節分は、中国の「厄払い」の風習が日本へと伝わったものです。
「厄払い」のひとつであり、お祝いの行事ではないので、喪中でも通常通り豆まきをして大丈夫です。節分と同じく無病息災を願い、冬至にゆず湯に入るのも問題ありませんよ!
まとめ
◆喪中のクリスマスはケーキやツリーはNGなの?どのように過ごすのが正解?
喪中とはいつからいつまで?
- 喪中は故人が亡くなった日から数えて一年間。
- そのうち四十九日(神式は五十日)を忌中という。
喪中でのクリスマスの過ごし方は?
- 喪中期間のクリスマスは、派手に騒ぐことを避け、家の中で楽しむ。
喪中のクリスマスはケーキ・ツリー・プレゼントはダメ?
- 喪中期間中のマナーを守れば問題なし、
喪中の場合、教会のクリスマスミサへの参加は?
- 参加可能です。暖かくして出かけましょう。
年末年始の行事で喪中の過ごし方は?
- 年越しそば → 〇
- 初詣 → 神社は×、寺院は〇
- 初日の出 → △
- 合格祈願 → ×
- 豆まき → 〇
以上、喪中のクリスマス、年末年始の過ごし方についてご紹介しました。
喪中だからと言ってひっそりと静かに過ごす必要はありませんが、常識の範囲内でマナーに気を付けて、クリスマスや年末年始を過ごしたいですね。
なかには、大切な人を亡くしてからまだ日が浅く、クリスマスどころじゃないという人もいるでしょう。
私も中学の時に、尊敬する祖父がクリスマスの数日前に亡くなり、ちょうどイヴの日はお葬式だったりと、精神的な面でもとてもクリスマスを楽しむ余裕はなかったです。
そんな時は無理をせず、大切な人との時間を思い出しながらゆっくり過ごしても良いと思います。
ご紹介した内容を参考に、今の自分の気持ちに一番合ったクリスマスの過ごし方を見つけてみてくださいね!
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