年末年始といえば…
- 年賀状、お年玉
- おせち料理、お雑煮
- 初詣、親戚の集まり
喪中の年末年始を迎えた方は、年末年始の過ごし方についてお悩みではありませんか。
私は、小さい頃、喪中の時は年賀状を出しませんでしたが、おせち料理もお雑煮も食べたし、親戚からお年玉をもらった記憶があります。
歳を重ね、マナーを問われるようになると、喪中の年末年始に控えること、行ってもよいことを考えざるを得えなくなります。この記事で紹介する年末年始の過ごし方を知っていれば、喪中の年末年始の過ごし方に困ることはありません。
この記事では以下3つのポイントを解説します。
- 喪中の時に控えること
- 喪中の時に行ってもよいこと
- 喪中の時のビジネスマナー
5分くらいで読める記事ですが、書いてあることを実践すれば、今までとは違ったスマートな喪中の年末年始が送れることでしょう。
そもそも喪中とは
そもそも喪中とは、故人の死を悼む期間です。
近親者が亡くなった場合に、死者を弔う姿勢を重んじて一定期間、贅沢や祝い事などは避けて身を慎みます。
かつては門戸を閉じ、酒肉を断ち、弔(ちょう)せず、賀(が)せず、音曲をなさず、嫁とりをせず、財を分かたず、というしきたりが存在しましたが、現在は部分的に受け継がれ、暮らしの中に「喪中」というかたちで根付いているのです。
喪中の期間は、一般的には一年間であり「一周忌」法要をもって喪明けとします。この期間中は祝い事など控えます。
喪中の範囲や期間は明確に定められているわけではなく、故人との付き合いの度合いによって変わります。
たしかに、親族が亡くなったときに喪中となりますが、私は親友を亡くしたときには従来の末年始のように年賀状や初詣を控えました。というより、気持ちが沈み、静かに新年を迎えたかったのです。
喪中は故人の冥福を祈り、晴れがましいことや派手な行動を慎むべきなのです。
かつてのしきたりが暮らしの中に息づいて、それが今日も部分的に受け継がれているのです。
喪中の年末年始の過ごし方:その①
結論から言うと、お歳暮は送る、受け取る、年賀状は送らないのがマナーです。
お歳暮は喪中とは関係なく、12月10日以降の年末に送ります。一方、年賀状は喪中はがきを11月中旬から12月初旬までに送ります。
お歳暮には「日頃お世話になっている方に感謝を伝えるために贈り物をする」という風習があるからです。
喪中はがきは、「喪中のため新年のご挨拶ができなくて申し訳ありません」という挨拶状であり、喪中なので年賀状を送らないでください、というものではありません。
喪中はがきは、相手が年賀状を準備する前に送ることを推奨します。
喪中の家には年賀状を出さない、というルールが一般的になっているため、相手が年賀状の準備をする前に手元に届くようにするのです。
喪中はがきはテンプレートが用意されていることが多いです。なぜかというと、喪中はがきの文面形式は、ほぼ決まっているからです。あいさつ文・喪中である事の説明(誰が何歳で亡くなったか)・最後に結びのあいさつ・日付という形式になっています。また、パソコンで作成する場合、薄墨印刷をします。
以下に例文を3つあげてみます。
喪中につき年頭のご挨拶をご遠慮させていただきます
○○月に 祖父○○が○才にて永眠いたしました
皆様が健やかなる新年をお迎えになりますよう
心よりお祈り申し上げます
喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
本年○○月に父 ○○が○歳にて永眠致しました
ここに本年中に賜りましたご厚情に感謝致しますと共に
皆様に良き年が訪れますようお祈り申し上げます
喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます
本年○○月に母 ○○(享年○才)が永眠致しました
生前賜りましたご厚情に深く感謝いたしますと共に
明くる年も変わらぬご交誼のほどをお願い申し上げます
喪中はがきの文面はSNSにも応用できます。オンラインビジネスをしている場合にも有効です。
喪中につき
年末年始のご挨拶を
ご遠慮申し上げます明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます pic.twitter.com/MZ9IfLVtkz
— ムラコ (@summit_murako) December 31, 2020
ただし、近年のオンライン化により、年賀状をメール、SNSで送る人が増えています。Kajilyによると、20代の人の約半数がオンライン上で年始の挨拶をしています。
喪中であっても、お歳暮は送る、受け取ります。
年賀状に代わり、喪中はがきを出します。年賀状を受け取ったら、1月7日過ぎに寒中見舞いとして返信します。相手を思いやる気持ちを書き添えると、心に届く温かいはがきになりますよね。
喪中の年末年始の過ごし方:その②
年末年始の過ごし方の醍醐味といえば、やはり食べ物ですよね。
代表的なものはこちらです。
- 年越しそば
- おせち料理
- お雑煮
- お屠蘇
いつもとは違った料理が並ぶ新年ですが、喪中の場合はどうなのでしょう?
喪中であっても、年越しそばは食べてもかまいません。一方、控えたほうがよいとされているのは、おせち料理やお屠蘇、お雑煮です。
なぜならば、年越しそばには「長寿・延命を願って」「縁が長く続くように」「一年間の苦労を切る(蕎麦が切れやすいことから)」等の意味があり、お祝い料理ではないので食べてもかまわないのです。
おせち料理やお雑煮にはおめでたい食材や色が使われていますので、控えたほうがよいのです。
- 鯛(たい)…おめでたい
- 昆布(こぶ)…よろこぶ
- くわい…芽がめでたい
- かまぼこ…紅白
喪中のおせちは、かまぼこや黒豆、栗きんとんなどを中心にしたものを食べます。
最近では「もせち料理」があるのです。
名前の通り、おせち料理から縁起の良い食材や色味を抜きながら、おせちっぽいものを食べることができる料理です。また、重箱に詰めずに直接お皿に盛ることで華やかさを控えることもできます。
お雑煮はお供えした餅のお下がりをいただくことで、豊作や健康を願うとされています。
華やかなお祝いを意味する食材があるので、食べるのを控えます。
裏を返せば、紅白かまぼこや花形に切った人参などは入れず、なるべくシンプルなお雑煮を用意すれば、食べてもよいとされています。
親戚の集まりは故人を偲ぶ会としますが、普段会えない遠方の親戚に近況報告や子供の成長を見てもらう機会とする家庭が多いです。
子供はもちろん、お年玉を楽しみにしていますよね。
喪中の場合、従来の正月のイラストが入ったかわいいポチ袋ではなく、お年玉の文字が印刷していないものや無地のものを選び、お年玉ではなく、「お小遣い」「書籍代」「文具代」など名目を変えましょう。
お正月くらい、「かまどの神様と主婦を休ませてあげないと」と考えるならば、いつもよりちょっと豪華な食材で、かつ料理する手間を省くのがいいですね。
例えば、蟹、刺身、オードブルで少し豪華なお正月を過ごすのがおすすめです。
料理は、おめでたさを演出する重箱を使わずにお皿に盛る、お酒は控える、お祝い箸は使わないなど食事中のマナーにも気を配りましょう。
食べ物も祝い事を連想させる食材や盛り付けを控え、シンプルに普段通りの食事としていただきます。
喪中の年末年始の過ごし方:その③
年末になると、正月飾りが店頭に並び、年越しを実感しますよね。
喪中の時、正月飾りは飾るべき?初詣やお墓参りは行ってもいいの?と疑問に感じます。
ズバリお答えします。
- 正月飾りや初詣は控える
- 神社、仏閣への初詣は控える
- お墓参りは通常通り、お参りしてもよい
なぜならば、正月飾りには「新しい年が明けておめでたい」という意味と、それぞれの家へ訪れる神様をお迎えしておもてなしをする、という意味があるからです。
お墓参りは、お墓をきれいにすることで先祖代々の霊に感謝の気持ちを伝えるからです。
正月飾りには門松や鏡餅、しめ縄などがあります。これらは神道の習慣なので、喪中であっても飾ってもかまいませんが、一般的には控える家庭が多いです。
しめ縄や破魔矢は年末にしか手に入らないことが多いので、準備だけしておいて忌明け(仏教でいう四十九日、あるいは神道でいう五十日祭を終えられる)を過ぎたら神棚のものを交換してかまわないと言われています。
たしかに、神道、仏道と言っても難しいですよね。
お正月の過ごし方に迷うなら、華やかなことを控えることに限ります。
喪中の年始のビジネススマート対応
喪中のビジネスマナーを紹介します。
会社などの法人には喪中はありませんから、例年通りの新年の挨拶をします。これは会社の規模に関わらず、共通のルールです。
以下に共通ルールをまとめてみました。
- 新年の挨拶はお祝いの言葉を避け、かつ普段の挨拶とは違う新年の挨拶をする
- 会社の取引先などの方に対しては、例年通りお祝いの言葉も含めて挨拶し、自身の喪中のことは伏せるようにする
- 社内では喪中の事情を知っていることが多く、お祝いの言葉を使うと非常識と受け取られかねない
- お祝いの言葉を避けた挨拶をし、場合によっては喪中であることを話すのもよい
なぜなら、喪中は個人のことであり、仕事・ビジネスでは公私を分けて対応することが求められるからです。
ビジネスに喪中はない例をTwitterで見てみました。
どうやらビジネスに喪中はないらしい。てことは、ビジネスと割り切ってる相手には新年の挨拶をするべきって訳だ。ビジネス関係以上に絶対になりたくない相手には!
— ©️ot@tsu (@kohaku_amber589) January 2, 2019
社内外のお付き合いがある人には喪中はがきを送っていますので、「おめでとう」を言わず、「今年もよろしく」だけで事情が分かります。
ところが、ビジネスのお付き合いのみの場合、個人の事情までは分かりかねます。
以下にビジネスメールの新年の挨拶をあげてみます。
関係者各位
あけましておめでとうございます。
年末年始はごゆっくりされたことでしょう。
昨年は大きなプロジェクトがあり、大変お世話になりました。
引き続き、プロジェクトとの拡大に邁進していきたいと思っております。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆さま 新年あけましておめでとうございます。
今年は環境の変化に伴い、会社の評価が問われる年になります。
私も精いっぱい努力する所存です。
社員全員の心をひとつにして一緒にがんばりましょう。
今年もよろしくお願いいたします。
謹賀新年
昨年は格別のご厚情を賜り、厚く御礼を申し上げます。
本年は新たなサービスをご提案させていただく所存でございます。
なにとぞ昨年同様のご贔屓を賜りますようお願い申し上げます。
皆様のご健勝と貴社のますますのご発展を心よりお祈りいたします。
ビジネス関係の相手の方には、自身が喪中でも例年通りの新年の挨拶をするのが一般的です。
このときに一言、仕事に対しての熱意などを盛り込むとビジネスシーンでは高評価です。
まとめ
- 喪中とは故人の死を悼む期間である。
- お歳暮は送り、受け取ってもよい。年賀状は喪中はがきを送る。
- おせち料理、お雑煮は控える。
- お正月飾り、縁起物は控える。
- ビジネスに喪中はない。通常通り新年の挨拶をする。
喪中の過ごし方を一言で言えば、「控えめに」ですね。
新しい年を華やかに迎えたいとは思いますが、故人を偲ぶよい機会になることを願います。
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