ここ数年耳にすることが多くなってきた「年末詣」
一度は目にした、耳にした方も多いのではないでしょうか?
特に2020年から世界中で蔓延するコロナウィルスの影響もあって、参拝する側も、参拝される寺社側も年末詣に積極的に取り組むようになってきました。
字を見れば、年末にお参りに行くことというのは想像できますが、
- すぐに年が変わってしまうのにご利益はあるの?
- 初詣に行くよりもメリットがあるって聞いたけど?
- 初詣と違うことするのかな?
などはっきりとしないことも多いですよね?
そこで、この記事では初詣と年末詣の違いやメリットと共に東京でオススメの年末詣スポットを解説します。
収まる勢いを見せないコロナウィルス。人の集まるところはリスクも高いけれど、やっぱり年が変わるときにはご祈願には行きたいし…….と考えている方、今年は年末詣に切り替えて、さらに例年よりご利益も運気もアップさせてみませんか?
「年末詣」ってどういうこと?初詣との違いは?
年末詣(ねんまつもうで)とは?
年末詣とは、読んで字のごとく年末に寺社にお参りに行くことです。
初詣は多くの皆さんがお正月の恒例行事としていることと思いますが、年末詣も古来からあるならわしでした。
そもそも、お正月とは、各家庭に一年の初めにやってくる歳神様(としがみさま)をお迎えして、新年の豊作や家内安全を願う古代からの行事です。日本には古くからお正月を迎えるにあたり、氏神様にお参りをする「歳籠り(としごもり)」という習慣がありました。
「歳籠り」とは家長が大晦日の夜から元日の朝にかけて氏神神社に祈願のために泊まりこむ習慣で、それが後に「除夜詣」と「元日詣」に別れ、「元日詣」の習慣だけが残ったのが現在の初詣となりました。
初詣が習慣化したのは明治中期のことでそれほど古い習慣ではありません。
そして、もう一方のお礼参りとしての「除夜詣」が年末詣にあたります。
🔍 歳神様・・・毎年各家庭にやってくる神様。「歳」とは年齢のことではなく稲の実りを指す。穀物の神様。
🔍 氏神様・・・元々は氏名の神様で、一族祖先の神様。のちに、同じ地域に住む人々が共同でまつる神様になった。人々に一番近い、地元の神様のこと。
「年末詣」と「初詣」の違い
では「年末詣」と「初詣」の違いは何でしょうか?
ズバリ参拝の趣旨の違いです。
- 年末詣・・・一年を過ごせたことの感謝を伝えるための参拝
- 初詣・・・・新しい年への誓いとそれがかなえられるように祈願する
とはいっても、年末詣に新しい年への誓いやお願いをしても構わないですし、初詣に前年の感謝を伝える事も問題はありません。要するにどちらにいっても恩恵はありますし、ご利益が薄れることもないですよという事です。
そもそも神社へのお参りは年に何度行っても、何ヶ所も訪れても問題ないのです!
しかし近年、特に昨年からのコロナ禍で、初詣よりも年末詣のほうがご利益もメリットも大きいよ、年末詣しませんか?とクローズアップされています。
では、年末詣のメリットやご利益とはなんでしょうか?
年末詣のメリットやご利益は?
年末詣のメリットは?
年末詣のメリットの第一はなんといっても混んでいないことです。
コロナウィルスの影響もあってすすめられているのも事実ですが、そうではなくとも、人混みが苦手な方には空いているのは嬉しいことですよね。年始の混雑を避けられることが一番の理由です。
またこの時期は神社が一番きれいな時期です。
各地の神社で12月13日に行われることの多い「煤払い(すすはらい)」の行事後は、お正月をむかえるための清掃が進められます。煤払いは年末になるとTVニュースなどで必ず取り上げられるので記憶にあるひとも多いでしょう。
また、煤払いは掃除だけでなくお清めも兼ねているので、神様も、よりピュアな状態なのではないでしょうか?さらに厳かな気分になれそうですよね!
年末詣のご利益は?
では、年末詣がよりご利益があるといわれる根拠は何でしょう?
それは神様の気、パワーがより強いと考えられるからです!
根拠①
古代では、昼間が一年で一番短い冬至が過ぎると、新年が始まると考えられていました。
冬至を境に日が長くなっていく時期。煤払いで掃除、お浄めを済ませ、境内が浄化されたこの時期に神様の気、パワーが一番みなぎっているという考えです。
根拠②
また、人が少ないということも重要です。
人が集まっているとそれだけ「念」も集まります。念が多ければ多いほど神様が処理をしきれなくなるので、年始よりも人が少ない年末のほうが神様に見つけてもらいやすいのです。
根拠③
そして、年末詣の目的の「神様への感謝」です。
多くの人がお願いに押し寄せる年始より、一年の感謝を念頭に訪れる年末詣の参拝者。神様もそちらのほうが「願い叶えて進ぜよう」となるような気がしませんか?(^^)
さあ、年末詣に行ってみようか?という気持ちになってきましたか?
では年末詣にはいつ行くのが良いのでしょうか?
縁起の良い時期や時間帯はある?
縁起の良い時期は?
煤払いが終わると良い時期といえますが、やはり冬至が過ぎた22,23日以降が良いですね。
なかでも年始に向けての準備がほぼ整った29日~31 日がベストタイミングといえます。最近は年末詣を意識して出店もあるようです。
他宗教行事に皆が明け暮れている24,25日なども、人が少ないこと間違いなしで良いのかもしれないですけどね(笑)
縁起の良い時間帯は?
では、参拝に良い時間帯はあるのでしょうか?
一般的におすすめとされている時間帯は早朝から午前中の時間帯です。
参拝の作法において、時間のルールはありません。朝、昼、夜どの時間に参拝しても構いません。ただ、太陽が昇ってからの数時間が最も「陽の気」がみなぎっている時間とも言われ、おすすめとされる時間帯の理由となっています。
また、お参りする側としても早朝の時間帯は気分的にもすがすがしく、心身ともにすっきりしますので神様と対峙するのに向いている時間でもあります。できるだけ早い時間に参拝して運気を上昇させましょう!
ただし、神社によっては開門時間、閉門時間が決まっていますので、出かける前に要チェックです。
さて、せっかく参拝に訪れても無礼な参拝では運気を得るどころの話ではありません。つぎに簡単に参拝のマナーをおさらいしましょう!
神社での正しいお参りの作法は?
お参りの心構え
作法として、お参りの振る舞いも大事ですが、そのまえに大切なのは心構えです。
神社へ参拝するということは決して神様にお願いをしに行くことだけではありません。神様へ「お礼のあいさつに行く、感謝を述べに行く」という気持ちが一番大切です!
感謝の気持ちを伝えたあとで、新らしい年に向けての決心や目標を表明します。そして、その目標をかなえてもらうように力添えをお願いするのです。
「また1年間健康で過ごせますように」などはかまいませんが、一方的に「お金持ちになれますように」などのお願いをされても神様も戸惑ってしまいます。
「新らしい仕事を始めるので上手くいきますように」「勉強頑張るのでどうか志望校に行けますように」、などの後押しをお願いするようにしましょう!
お参りの作法
年末詣だからといって初詣と違う作法やマナーはありません。
しかしながら、初詣慣れをしていると、人が多く流れ作業になってしまい、正しい作法がおろそかになることがあると思いますので、もう一度正しいマナーを確認しましょう!
- 鳥居はくぐる前に一礼をする
- 参道を歩くときは真ん中はさける(神様の通り道)
- 参拝の前に手水舎(てみずや、ちょうずや)でお清めをする
(コロナ禍で使用できないところがほとんどです)
- まず初めに参拝をしましょう
- 神前へ進み鈴を鳴らす(参拝者のお清め。神様の呼出ではありません)
- お賽銭を入れる
- 二拝(お辞儀を二回)
- 二拍手(柏手を二回)
- 手を合わせて祈る
- 一礼(最後に一礼)
※神前もなるべく真ん中は避けましょう
※下がる時も神様にお尻を向けないように
※おみくじやお守り、御朱印などは参拝が終わってから
基本的な作法・マナーです。
拝礼の仕方など特殊な神社もあるようですが、どこの神社でも拝礼の仕方はどこかに書いてありますので、さがしてみてください。
東京の年末詣おすすめ神社5選!
それでは年末詣におすすめの東京の神社を5つピックアップしてみます!
1.明治神宮
まずは初詣の参拝者が日本一の明治神宮です。
混雑を避けて訪れたことがない人、正月の混雑の明治神宮しか知らない人、どちらの人もこの機会に年末の空いている期間に訪れてみてはいかがでしょうか?
原宿から歩いて1分の場所とはとても思えない境内の荘厳な雰囲気は、パワースポットとして観光でも人気の理由がうかがえます。
明治神宮はその名が示すように、明治天皇とその皇后である昭憲皇太后を御祭神(ごさいじん)として祀(まつ)られた神社で、東京ドーム15個分の広さの境内には10万本の木が植栽されています。明治天皇の崩御に際して建立された人工の森で、以来人々の祈りの杜として年間を通して参拝者が訪れます。
境内への入り口は、「原宿口」「代々木口」「参宮橋口」の3ヶ所があり公共交通機関のアクセスもよくどこから入っても本殿までは徒歩10分ほどで着きます。
各季節で日の出日の入りに合わせた開門時間が決まっており、12月は開門が6:40、閉門が16:00です。ご祈願、お札、お守り、御朱印などは9:00〜閉門まで。
また例年は大晦日は終夜参拝ができましたが、2020年の大晦日は16:00で閉門されました。2021年の予定は未発表ですが、日の入りとともに閉門が予想されます。大晦日になると人出が増えそうですので、26日〜30日が年末詣に向いています!
見どころ
- 《大鳥居》南北の参道入り口に建つ大鳥居。高さ12m幅17mは日本一の大きさ。
- 《夫婦楠》本殿の手前にある樹齢100年ほどの2本の楠。その佇まいは仲の良かった明治天皇夫婦を連想させることからこのように呼ばれる。
- 《清正井》きよまさのいど。都内有数の名湧水でパワースポットとして人気が高い。境内の御苑(9:00〜16:00 入園料¥500)の中にある
アクセス
🚃電車
- 『原宿口』JR山手線:「原宿駅」、東京メトロ千代田線・副都心線:「明治神宮前駅」から徒歩1分
- 『代々木口』JR山手線・総武線:「代々木駅」、都営大江戸線:「代々木駅」、東京メトロ副都心線:「北参道駅」から徒歩5分
- 『参宮橋口』小田急線:「参宮橋駅」から徒歩3分
🚗車
- 無料の駐車場が2カ所あり。各30台程度。大晦日と三が日は閉鎖。その他の日は基本的に開放されていますが年末はHPで最新情報を確認してください
2019年ですが、年末詣の様子のツイートです。
さすがに明治神宮だとそこそこの人出のようですがこのぐらいならゆっくり参拝できますね
明治神宮公式HP
2.東京大神宮
東京のお伊勢さまとして、縁結びにご利益があるとして特に女性に人気の神社です。
東京のお伊勢さまと称されているのは、天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)と豊受大神(とようけのおおかみ)の伊勢神宮と同じ御祭神に加えて、結びの働きを司る造化の三神があわせて祀られていることによります。
また日本の神前結婚式が創始されたのがこの東京大神宮です。
明治33年に当時の皇太子殿下(後の大正天皇)と九条節子妃(後の貞明皇后)が宮中の歴史で初めて神前で結婚の儀を行ったのを記念して、この東京大神宮で一般向けの神前結婚式が営まれるようになりました。
東京で格式が高いとされる東京五社のひとつでもあります。
縁結び以外にも家内安全、商売繁盛、厄除開運、交通安全、学業成就の祈念ができます。また、お守りの種類が多いことも人気で、通常はお守りは8:00〜19:00まで、御朱印は9:00〜17:00まで授与されます。社殿に上がっての祈祷などは9:00〜16:30ですがコロナ対応で時間の変更がある場合もあるので直接問い合わせをしてください。
アクセス
🚃電車
- 「飯田橋駅」
- JR総武線、都営地下鉄大江戸線
- 東京メトロ有楽町線、南北線、東西線 の各線より徒歩5分
🚗車
- 駐車場はありません
ですが、オフィス街なので御用納めが過ぎた年末は、付近のコインパーキングなどは昼間でも停めやすいと思われます。
2020年の年末詣に行かれた方の声 やはり人出は多くはないようです。
東京大神宮へ年末詣へ。今年は同じこと考える人多いかと思ったけどそうでも無かった。おみくじは末吉。。 pic.twitter.com/c9xOFexHNF
— K,Kanehira (@K_Kanehira) December 29, 2020
東京大神宮公式HP

3.神田明神
秋葉原からほど近くの神田明神です!
正式名称は神田神社ですが、明治に改名されるまでの「明神」が通りが良いため通称として残っています。
天平2年(730年)に創建され、935年、近い場所に平将門の首が葬られたことがきっかけで1309年から将門が当社に祀られ戦国〜江戸の武将に崇敬を受けました。1616年江戸城増築に伴い現在地に移され、広く地域を守る「江戸総鎮守」として、幕府や江戸庶民に親しまれることとなります。
明治時代に平将門が祭神から外されたが、太平洋戦争後に復帰。現在は
- 一ノ宮 大己貴命(おおなむちのみこと)ー大黒様:縁結び
- 二ノ宮 少彦名命(すくなひこなのみこと)ーえびす様:商売繁盛
- 三ノ宮 平将門命(たいらのまさかどのみこと)ーまさかど様:除災厄除
の三柱が御祭神として祀られています。
現在は神田、日本橋、丸の内、築地など東京の中心地の108町会の総氏神様です。
ビジネス街を多く抱え毎年1月4日の仕事始めには多くのスーツ姿の参拝者がおとずれることで知られています。
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