皆さんは、野沢温泉村をご存じですか?
野沢温泉村は、長野県の北東部に位置する村で、「野沢温泉」の愛称で知られています。そこ野沢温泉村で毎年1月15日に開催されるお祭りが「道祖神祭り」です。
長野県では毎年「道祖神祭り」の様子を中継で放送するなど、注目度の高いお祭りです。
京都「鞍馬の火祭(くらまのひまつり)」、和歌山「那智の火祭り」と共に、日本三大火祭りにも数えられている「道祖神祭り」ですが、どのようなお祭りかご存じの方は少ないのではないでしょうか。私は成人した年に道祖神祭りに参加しました。
県外の知人と一緒に参加したのですが、その知人は「道祖神祭り」の名前も聞いたことがなかったそうです。
長野県の年明け一大イベントである「道祖神祭り」、その魅力やアクセスなど「道祖神祭り」への参加をご検討されている方に向けておススメ情報をまとめてみました。
また「道祖神祭り」の開催される野沢温泉村についてや、地元民がおススメする冬の長野の楽しみ方もお伝えしようと思います。是非参考にして下さい。
野沢温泉道祖神祭り2022!
道祖神とは、災厄の進入を防ぐ神とされ石像などに刻んで村境や辻などに祀られている神様です。「どうろくじん」「さいのかみ」「さえのかみ」などとも呼ばれています。
そんな道祖神の見守る中行われる祭りが、「道祖神祭り」です。
主に小正月に正月飾りや締め飾りなどを焼く行事として、野沢温泉で古来行われてきた行事が「道祖神祭り」の名称で伝わりました。
全国的には「どんど焼き」などの呼称で親しまれています。初子の祝い・厄年の祓い・良縁祈願などを祈願し開催されています。
また壮大な規模で行われることでも知られており、日本三大火祭りにも数えられ、国の重要無形文化財にも指定されてます。
私も道祖神祭りに参加したことがありますが、まさに圧巻の一言です。ニュースで見るよりも激しく、炎の美しさと怖さを同時に体感することが出来ました。
参加後はしばらく祭りの余韻が抜けずに、今でも鮮明にその時の様子が頭に浮かぶほど印象の強いお祭りだったと感じています。
開催場所・日程・アクセス
開催場所は、長野県野沢村 馬場の原と言う場所です。
私は野沢温泉村は、同じ長野県内でも行くのが大変というイメージを持っていたのですが、駅からは直通バスが出ていたり、駐車場も多く存在するので、思っていた以上に行き帰りに苦労はしませんでした。
開催場所
長野県野沢温泉村 馬場の原
日程(毎年)
準備
- 1月13日:午後1時~ 御神木里曳き
- 1月14日:社殿組み立て
- 1月15日:昼過ぎ 社殿完成予定
祭り本番
1月15日
- 19:00 火元もらい
- 19:30 燈篭到着
- 20:00 花火、道祖神太鼓
- 20:30 火元到着
- 野沢組惣代の火つけ
- 初燈篭の火つけ
- 20:50 子供の火つけ
- 22:00 大人の火つけ開始
- 大人の火つけ終了
アクセス
道祖神祭りは県外からの観光客も多く訪れるため、アクセス方法が多数存在します。毎年、お車で来られる方が多いため、駐車場が5箇所あります。便利な場所をお使い下さい。
駅からは、直通バス「野沢温泉ライナー」が出ているので、そちらをご利用ください。
駐車場
- 中央ターミナル(am7:30~pm6:30)※車中泊不可
- 新田駐車場(立体)※車中泊不可
- 第1駐車場(am6:00~pm6:00)※夏期閉鎖(無料)
- 中尾駐車場※車中泊不可
- 中尾駐車場※車中泊不可
直通バス
- 野沢温泉ライナー [料金]大人600円 小人300円
※ 新幹線と直通バスが接続していない時間帯もありますのでご注意ください。詳しくは「野沢温泉観光協会」にお問い合わせください。
気になるのは2022年に「道祖神祭り」が開催されるかどうかです。2021年11月の時点では開催予定です!
2022年の開催はある?
道祖神祭りは様々な願いのもと、古くから行われている行事ですが「火をもって厄を払う」と言う意味合いも強いそうです。
こんな時代だからこそ、祭りを開催する意義があると思うので私も開催を楽しみにしています。しかし、感染状況によっては開催を見合わせる可能性もございます。
ご参加される際は、「野沢温泉観光協会」様のHPで情報を確認してからのご参加をお願いします。
野沢温泉観光協会
野沢温泉観光協会 お問い合わせ先
道祖神祭りが楽しくなる!みどころ3選!
道祖神祭りは祭り当日だけではなく、準備から楽しむ事が出来ます。私は本番の1月15日しか行ったことが無いのですが、次行くときは準備からみたいなと思っています。
おススメ① 御神木里引き
社殿を造る木材を山から運ぶ作業です。
ご神木引きは、日影ゲレンデから温泉街を通り会場まで三時間あまりをかけて大木を引き出します。長さ20メートルもあるブナの大木を引く沿道の家からは、御神酒を奉納されます。その都度大木を引く大人たちは大声で披露し道祖神の手締めが行われるのです。
このように道祖神祭りは地域一体となり行われます。お祭りが始まる前からかなりの量のお酒が振舞われるそうです。
おススメ② 火元もらい
厄年の代表者が火をもらいに行き、「火元もらい」の儀式が行われます。いろりを囲んで道祖神の歌を歌ったりかなりの量の神酒を飲まされます。
火祭りで使われる火は古式にのっとり、代々伝わる火打ち石で採火されます。
これから炎と格闘する勇気ある人達を鼓舞するため、言いえぬ緊張感が味わえます。お祭りの始まる前の独特な空気感が私にはとても新鮮に感じたのでおススメさせていただきました。
おススメ③ 火祭りの攻防戦または、社殿火入れ
火付けは最初、祭りの主催者、次に灯籠の奉納者、その次は子供たち、そして、大人の火付けとなります。社殿正面前に燃え上がる火もとからたいまつに火を付け社殿正面へ攻撃します。
火付けをするのは一般村民、それを防いで社殿を守るのが25歳の厄年、社殿の上に上がっているのは42歳厄年です。
かなり激しいです。特に大人たちの火付けは炎をもって社殿を攻撃するのでとても迫力があります。
また、燃え落ちた社殿は翌日まで燃えていて、翌朝餅などを焼いて食べる人がたくさんいます。ここで餅を焼いて食べると風邪を引かずに1年間健康で暮らせると言われています。
道祖神祭りの寒さ対策と野沢温泉
1月の長野は寒いです。野沢温泉村も冬は厳しく、1月から2月にかけては基本気温は氷点下です。
主な寒さ対策としては、
- 服を重ね着する。
- カイロなどの防寒製品をつける。
- 定期的に足や手の指を揉む。
すべて基本的なことですが、寒さに慣れていない方には効果的です。
また、温かいものを飲むのも効果的なのですが、飲みすぎると体内に水分がたまり体を冷やす原因にもなるので、ほどほどにしましょう。
余談ですが、私の場合は火祭りが始まれば、その場の熱気に充てられて寒さはそれほど気になりませんでした。また「道祖神祭り」は火の熱さと、外気の寒さをしのぐためにお酒が大量に出されます。
私はそれほどお酒に強いほうではありませんので、お酒の匂いに充てられて後半は寒さを感じる暇もないくらいでした。
野沢温泉とは?
道祖神祭りの行われる野沢温泉村は、その名の通り開湯してから700年もの歴史のある全国屈指の名湯としても有名です。人気の温泉観光地として多くのファンから親しまれています。
源泉は100%の天然温泉であり、温度は40℃~90℃。弱アルカリ性のとても質の良いお湯です。源泉によって泉質や効能に若干の違いがあります。
村内には源泉がおよそ30あり、その中には13の外湯と呼ばれる共同浴場があります。
この13の外湯は野沢温泉の最大の特徴です。
13の共同浴場は全て基本無料ですが、共同浴場の前にお賽銭箱が置いてあり、入る人は気持ちのお金のを入れ、入浴します。
13の外湯すべて優れた環境であり、泉質も良く、誰でもお気持ちで入れるというだけあり、土日祭日だけでなく平日も大変賑わっています。
ちなみに、村名に「温泉」と入っているのは、日本でも野沢温泉村だけだそうです。
地元民が伝える!冬の長野の楽しみ3選
みんな大好きウィンタースポーツ(白馬五竜&Hakuba47)
これは地元民でなくとも知っている冬の長野の楽しみ方ですが、地元民だからこそスキー・スノーボードと言ったウィンタースポーツは冬の長野を語るうえで外せません。
長野県に住む人は、幼いころからウィンタースポーツを体験します。
雪の上・氷の上では、体は思うように動きません。そういった不自由を体験することも大切だと教えられてきました。逆に、思うように動けた時の感動は、経験した人にしか分からない感覚だとも思います。
地元民としておススメするのは、白馬五竜&Hakuba47です。
初心者から上級者まで多くの人が楽しめる作りになっているので私は一番滑りやすい気がしています。またパウダースノーでも有名でここで滑ってしまったら他のところでは滑れません。
白馬五竜&Hakuba47
〒399-9211 長野県北安曇野群白馬村神城22184‐10
雪降る中で堪能する秘湯(十福の湯)
雪降る中で温泉に入るのも冬の長野の醍醐味です。おススメするのは「地蔵温泉 十福の湯」です。
長野と上田の中間あたりに地蔵峠の頂上付近に位置し、真田町の森の中にある日帰り温泉施設です。この温泉には、長野県の北信で最大級の広さを持つ庭園露天風呂があります。
標高975メートルの山の上で、季節ごとに表情を変える自然に囲まれ、異なる露天風呂を楽しむことができます。
温泉の効能は、神経痛、筋肉痛、五十肩、関節痛、冷え性、慢性消化器病、美白などに効能があります。温泉に入った後はお肌つるつるです。
地蔵温泉 十福の湯
〒386‐2203 長野県上田市真田町傍陽9097‐70
冬にしか味わえない絶景!(白糸の滝)
長野県には冬にしか味わえない絶景も数多く存在します。その中でも私がおススメするのは、長野県軽井沢町に存在する「白糸の滝」です。
白糸のように繊細な滝が岩肌から零れ落ち、軽井沢に来た際には一度は見ていただきたい滝なのですが、冬場はその滝が凍り真っ白なカーテンのようになります。
冬場のみ夜間ライトアップもされるので冬にしか見られない景色を楽しむことが出来ます。
白糸の滝
〒389‐0111 長野県北佐久郡軽井沢町長倉小瀬
まとめ
- 野沢温泉道祖神祭り2022!
- 開催場所・日程・アクセス
- 2022年の開催はある?
- 道祖神祭りが楽しくなる!みどころ3選!
- おススメ① 御神木里引き
- おススメ② 火元もらい
- おススメ③ 火祭りの攻防戦または、社殿火入れ
- 道祖神祭りの寒さ対策と野沢温泉
- 野沢温泉とは?
- 地元民が伝える!冬の長野の楽しみ3選
- みんな大好きウィンタースポーツ(白馬五竜&Hakuba47)
- 雪降る中で堪能する秘湯(十福の湯)
- 冬にしか味わえない絶景!(白糸の滝)
「道祖神祭り」は、大木で作った巨大な社殿を舞台に、火をつけようとする村人とそれを防ごうとする厄年の男たちの激しい攻防戦が楽しめる祭りです。
火がついたたいまつで叩き合う男たちの姿は、まさに命がけの戦いの様でした。この「道祖神祭り」は、野沢温泉村に生まれたからには誰もが通らなければならない伝統行事とされています。
ここに参加したことでやっと「一人前の男」として村で認められるようになります。一昔前までは参加しない者は「のけ者」として村を追い出されていたそうです。今は安全に考慮して行われていますが、昔は生きるか、死ぬかの命がけのお祭りだったそうです。
私はこの祭りに参加することによって、「祭り」の本質を見たように思います。激しい炎とそれに向かっていく人達を見て、美しく楽しいだけが祭りではないのだな、と強く感じました。
長野県民としてこの祭りを多くの方に知っていただきたいです。ただし、本当に1月の長野県は寒いので、防寒対策を徹底してご参加ください。
■こちらも読まれています。
・ 長野のおやき完全ガイド!人気はいろは堂?変わり種のおすすめは?保存方法は?
・ 二年参りって長野だけなの?全国で同じ風習はある?お参りの作法は?