- 「取引先からのお歳暮をお断りするのは失礼にあたる?」
- 「そもそも仕事でお歳暮が送られるのはなぜ?」
- 「どのような場合お断りしてよいの?」
- 「どのようなタイミングでお断りすればよいの?」
- 「正しい断り方は?」
- 「もしもお断りして相手を怒らせてしまったらどうする?」
仕事の取引先からお歳暮をいただくが、来年からはお断りしたいと思われているあなたもこのような疑問をお持ちではないでしょうか?
取引先からのお歳暮をお断りしたいと思ったものの「お断りする」という行為は、なかなか勇気のいることですよね。しかし、ポイントさえ押さえておけば誰でも簡単に角を立てずにお断りすることができますよ。
この記事では取引先から送られてくるお歳暮のあれこれ5点を正しい断り方の例文つきで解説します。
- お歳暮の風習
- お歳暮をお断りするケース
- 取引先からのお歳暮を断るのは失礼?
- 失礼にならないお歳暮の断り方(例文つき)
- お歳暮を断って相手を怒らせたときの対処法
例文の内容を状況に応じて少し変えるだけで、失礼にならないお歳暮の断り方ができるようになりますよ。
お中元やお歳暮の風習はいつから?
お中元やお歳暮のはじまりは室町時代です。
日本にはもともとお盆に祖先の霊を供養する「盆礼」と暮れから正月にかけて祖先の霊を供養する「御霊祭」がありました。
一方、中国では1/15を上元、7/15を中元、10/15を下元とし神にお供え物をおくる伝統行事があります。「盆礼」と「御霊祭」がこの中国の伝統行事と結びついたのち生まれたのが「お中元」と「お歳暮」です。
では、なぜお中元やお歳暮のやり取りが仕事でも行われるようになったのでしょうか。これには、江戸時代に掛け売りの商売を広く行っていた商人たちが関係しています。
この頃の商人は、お盆や年末に半年分の精算をする習慣がありました。このときに感謝の気持ちを込めて得意先へ贈り物をするようになったのがはじまりです。
明治時代以降には上司やお世話になった方にも贈り物をするようになり、今では仕事関係の方へお中元やお歳暮を贈ることは普通となっています。
お中元やお歳暮は感謝の気持ちを伝えるための贈り物ですが、仕事上では特に今後もよろしくお願いしますという気持ちも込めて贈るのが一般的です。
お歳暮を今後お断りしたいケースとは?
お歳暮をお断りするケースは以下の3点があげられます。
- 関わりのない仕事関係のひとから送られてくる場合
- 取引先から個人宛で送りたいといわれた場合
- 会社がお歳暮禁止の場合
通常、お歳暮はこれからもお世話になるひとへ送ります。そのため今後関わりのない仕事関係のひとからのお歳暮は、お断りしたいケースとしていちばん多いのではないでしょうか。今後関わりがないひととお歳暮を贈りあうのは、お互いにとって負担でしかありません。
気をつけておきたいのが、取引先から個人的なお歳暮のやり取りを申し出された場合です。たとえ親しい間柄だとしても、もしもトラブルがおきれば会社を巻き込むことになります。そうならないためにも会社関係、特に社外のひととの個人のやりとりはお断りしておくのが無難でしょう。
さらに、最近お断りする理由として増えているのが、会社がお歳暮を禁止している場合です。
業務効率化や経費削減、虚礼廃止のほか、コンプライアンスを考慮してお歳暮を禁止する企業が多くなっています。お歳暮を贈るにも多くの手間や費用がかかっているにも関わらず、形だけの心がこもっていない儀礼ではもったいないですよね。
以上のことから、「関わりのない仕事関係のひとから送られてくる場合」、「取引先から個人宛で送りたいといわれた場合」、「会社がお歳暮禁止の場合」はお断りすることをおすすめします。
取引先からのお歳暮を断るのは失礼?
お歳暮を断ったからといって失礼にはあたりません。
お歳暮は、贈るほうも受け取るほうも時間やお金がかかってきます。形だけの心のこもっていないお歳暮を贈るほうが、よっぽど失礼にあたるのではないでしょうか。案外断ってみれば相手もやめたいと思っている可能性もあります。
どんな理由にせよ相手に不快なおもいをさせないよう丁寧にお断りするのが大切です。
お断りの方法として、送られてきた品を送り返すという方法があります。しかしこの方法では失礼にあたるでしょう。基本的には、別の品を贈って丁寧に言葉を添えるようにします。
例外として「会社や職務の立場上受け取れない場合」や「何度お断りしても送りつづけられるような場合の最終手段」として送られてきた品を送り返すことがあります。
この場合は相手に不愉快なおもいをさせてしまわないように、贈答品にもう一重の包装を重ね丁寧に返送しましょう。相手への感謝の気持ちや今後も変わらずお願いしますという気持ちも忘れずに添えるとより丁寧になります。
お歳暮はお断りしたいが古くからの慣習を終わらせることに抵抗があるひともいらっしゃると思います。しかし、時代の変化に対応していくことが、文化を繋いでいくために必要ではないでしょうか。これからもその時代に合わせた形へと変化させつつ次世代へと引き継いでいきたいものですね。
失礼にならないお歳暮の断り方は?
電話や口頭の場合
電話や口頭でお断りする場合は、お歳暮をいただいたあとに連絡しましょう。
手紙やメール、LINEと違って電話や口頭の場合は、会話の流れが変わってしまうことがあり、臨機応変に対応する必要があります。
心配であれば、別の品と一緒に手紙を添えてお断りするのがよいでしょう。
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