年末はイベントが盛りだくさん。クリスマスが終わるとすぐにお正月がやってきます。
クリスマスの飾りをしまった後、すぐに大掃除をして正月の飾り付けをする人も多いのではないでしょうか。
しかし、正月飾りもいつまでも飾っておくわけにもいきません。
正月飾りはなんだか捨てるとバチがあたるもののような感じがして、不要になったときに処分していいのか悩んでしまいますね。
この記事では、代表的な正月飾りとその意味や捨て方をご紹介します。
正月飾りの代表的なものは?
日本人は古くからすべてのものには神様が宿ると信じてきました。日本人は農耕民族で、米や野菜を育ててきたため、それらを豊かに実らせてくれる五穀豊穣の神様は大事に考えられていました。
正月とはその年の神様(年神様)を迎え祀るために行われてきた大切な行事なのです。
正月飾りには飾りによってそれぞれ意味があります。
ここでは正月飾りの代表的なものを3つご紹介します。
1.しめ縄
しめ縄のきっかけは、天照大神の神話に由来すると言われています。
太陽の神天照大神が岩戸に隠れてしまった時、空や大地が真っ暗になってしまいました。作物が育たなくなり困った人々は、岩戸の前で楽しそうに踊りました。
踊りを見るために天照大神が出てきた後、再び隠れてしまわないように岩戸をしめ縄でしばったことが由来です。
飾る場所は玄関や神棚ですが、どちらかだけでも大丈夫です。
現在ではあまり見かけませんが、1980年代ごろまではよく個人の車や自転車のフロント部分を見ることができました。
2.門松
門松には松・竹・梅が使われていて、それぞれ意味があります。
松は「祀る」につながる樹木ということで、おめでたいことから用いられます。竹は伸びるのがとても早いため、生命力の象徴という意味合いがあります。梅は早咲きのものは1月に咲き、紅や白の花をつけることから1年の始まりにふさわしい花として紅梅と白梅の両方を飾るのが一般的です。
門松は2つで1組として飾ります。似ていますが雄松と雌松があり、飾る場所が決まっています。
雄松は黒っぽい樹皮のクロマツを使っている方で、左側に置きます。雌松はクロマツより葉が柔らかいアカマツを使っている方で、右側に置きます。
最近では二つとも雄松というものもありますので、購入する際にはどちらのタイプか確認しましょう。
3.鏡餅
床の間で飾りますが、床の間がないご家庭はリビングの高いところが良いとされています。
鏡開きの日は毎年1月11日ですが、こちらも地方によっては日にちが違うので、お住いの地域の予定を確認してくださいね。
正月飾りはいつからいつまで飾るの?
正月飾りは年末の大掃除をして家の中がきれいになった後に飾ります。ただし、12月29日と31日に飾るのは良くないとされています。
29日はにじゅうく(二重苦)と読めること、31日は元旦の前日のため年内は1日しか飾れないため、死者を弔うのと同じ一夜飾りになってしまいます。
これらのことがあるため、12月28日までに飾るか、12月30日に飾ります。正月飾りは正月を祝う期間である松の内(まつのうち)の間飾ります。
地域によって違いはありますが、一般的には1月7日にしまうことが多いようです。
北日本・東日本は7日、西日本は15日が多く、東海・中部地方は『7日と15日が混在している』などさまざまですので、お住まいの地域の風習を確認してくださいね。
不要な正月飾りは燃えるゴミに出していいの?
正月飾りは基本的に神社に処分してもらうのが基本です。
しかし、処分してくれる神社が近くになかったり、予定が合わないなどの理由で自分で処分しなければならなくなったときのために、ここでは正月飾りが不要になったときの捨て方を解説します。
不要な正月飾りは燃えるゴミに出していいの?バチがあたりそうで怖い
神社で処分することが出来ない場合は、自分で処理することが可能です。ただし、その場合はお清めをしてから捨てることが良いとされています。
「バチがあたる」とは「天罰が下る」という意味です。悪いことをするとバチがあたるよ、と言われたことがある方もいるのではないでしょうか。
バチが当たるのは因果応報、と考えられることも多いので、バチが当たらないようにきちんとお清めをしてから捨てるようにしましょう。
毎年使いまわしてもいいの?
年神様をお迎えするための飾りなので、毎年新しいものを飾るのが一般的です。そのため基本的にはその年の正月飾りは処分することになります。
しかし、「正月飾りを神様をお迎えするためのもの」ではなく「インテリアとしての飾り」として考える場合は、翌年も使用してよいとされています。
正月飾りの処分前に塩で清める?
結論から言うと、先ほどもお伝えしたようにお清めをしてから捨てたほうが気持ちも楽になるためおすすめです。
清めるときに塩を使うのはなぜ?塩の役割は?
塩には「食物の腐敗を遅らせる効果」や「塩自体が腐らない」性質があります。そのため死や恐怖、穢れを祓う目的から塩を振りかけて清めるという思想が広がりました。
お清めに塩を使うのは、役目を終えた飾りに穢れが広がらないようにするためです。
必要な道具
- 白い布や新聞紙
- 塩
- ゴミ袋
お清めと処分の手順
- 正月飾りを白い布や新聞紙で包みます。
- 包みの上から塩をふりかけます。
- 中身が見えないように包み、他のごみとは袋を分けます。
- 一般ごみとして処分します。
他のごみとは袋を別にすることで、神様への配慮をしているということになるそうです。
お焚き上げとは?
正月飾りは正式には神社やお寺で行われるお焚き上げで処分します。
わらなどでやぐらを組んで、それを燃やします。その中にお正月飾りや古いお札やお守りなどを持ちより燃やします。
お焚き上げは地方によって呼び名が違い、「どんど焼き」や「鬼火たき」などとも言います。お炊き上げの火でお餅やお団子を焼いて食べると一年間病気をしないという言い伝えもあります。
お焚き上げは毎年1月15日頃行われます。
お焚き上げの費用や作法は?郵送でも対応をしてくれる?
お焚き上げの費用は?
神社やお寺へ持ち込む場合は千円~1万5千円程度が相場です。
郵送の場合はそこに送料がかかります。
お焚き上げの作法は?
1.お焚き上げを依頼する前に連絡をします(連絡をしなくてもいい所もあるので、ホームページなどで確認する)。
2.お焚き上げしてもらいたいものを神社に持ち込むか、郵送します。
3.お焚き上げ料を払います。
- 直接持ち込む場合は神主などに手渡すか、現金書留や振込で支払います。
- 郵送の場合は箱の中に現金を入れるか、現金書留や振り込みで支払います。
4.お炊き上げ終了後はハガキなどの通知が届く(通知を行わない所もある)。
お守り・おみくじの捨て方の作法は?
神社へ初詣に行くと、おみくじを引く人もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、神社によってはおみくじを引いた後の処理方法を書いていないところもあります。
境内の木に結ばれていたり、フェンスに結ばれていたりはするものの、指示がないとどうすればいいのか悩んでしまいますよね。
そこで、おみくじを引いた後どのようにすればいいのかをご説明します。
お守り、おみくじの捨て方の作法は?
おみくじは1年の指標としていくためのもので、運勢だけでなく生活や仕事をする上で気を付けることなどが書かれているので、持ち帰り読み返すことが推奨されています。
引いたおみくじを持ち帰らないときや不要になった時は境内の木などに結び、神様と縁を結びます。
ただし、景観を損ねるため、指定の場所に結ぶようにしましょう。
捨てるときの手段
1.お焚き上げで処分する
正月飾りと同じようにお焚き上げで処分することができます。
2.神社仏閣へ返納する
初詣の時期には神社仏閣に返納箱があるので、そこに返納します。返納する際は和紙や半紙などの白い紙で包みます。
3.燃えるゴミに出す
白い紙で包んだ後、塩で清めてから燃えるゴミに出します。
まとめ
正月飾り・おみくじを捨てるときののポイントまとめ!
- 神社仏閣でお焚き上げしてもらう
- お焚き上げの費用は1千円~1万5千円程度
- 神社仏閣に頼めないときはお清めをしてから燃えるゴミで出す
今回は代表的な正月飾りやおみくじの処分方法について解説しました。
基本的にはお焚き上げをしてもらうことが推奨されますが、難しい場合は燃えるゴミで出すことも可能です。
その場合は白い布や新聞紙・半紙などで丁寧に包み、塩を振りかけてお清めをしてから、お礼と感謝の気持ちを思いを込めて手放しましょう。
おみくじをゴミ箱にそのまま捨てている人を見たことがありますが、可能な限り神様への感謝を伝えて処分するようにしたいですね。
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