現在では木を山に取りに行くこと自体ほぼ無くなってしまったので、言葉自体使われなくなってきました。
☆おうちでの松迎え、用意するなら?
→ 無いです!お正月飾りを買いに行きましょう!
門松を一から作るご家庭も、おせちをかまどで作るご家庭も今となっては珍しいのではないでしょうか。気軽に木を取りに行ける山もなかなか無いですね。
素敵なお飾りを探しに行きましょう!
もうひとつ、正月事始めには年男という慣習もありました。正月の準備を取り仕切る人のことを指します。
家の主が努めていましたが、大変な役割だったことから段々と長男や奉公人などの若い男性が行うようになりました。
現在ではお母さんが率先して掃除やおせち作りをすることも多いのではないでしょうか。もはや年“男”ですらなくなっている場合もあるのですね。
針供養と正月事始めの関係は?
こんにゃくや豆腐に針を刺す映像をTVで見たことがある方もいるのではないでしょうか。
それが針供養という行事です。
針供養(はりくよう)
日頃お世話になった折れた針などの古い針を供養し、裁縫の上達を祈る行事です。
豆腐やこんにゃくといったやわらかいものに針を刺す方法もあれば、川や海へ流したり、神社に納める供養の仕方もあります。
江戸時代からの行事で、現在でも針を使う裁縫師などの間で行われています。
いつ行う?
事八日である
- 12月8日
- 2月8日
の両日か、片方のみ行われます
九州や関西では12月8日、東北や東海では2月8日に行われることが多いです。
事八日とは?
一年はお正月を中心として、12月8日から2月8日は神様をお迎えするため(神事)の期間。2月8日から12月8日までは人々の日常の営み(農事)の期間とされています。
この区切りの日である12/8と2/8に行われる冬の年中行事が事八日です。
事八日は事始め・事納めとも呼ばれますが地域によって異なります。事八日のコトはお祭りという意味です。
お正月のお祭りを指すのなら12月8日が事始めで2月8日が事納め。農耕儀礼(人々の生活の営み)を指すならば2月8日が事始めで12月8日が事納め。というように逆転して呼ばれるのです。
事八日の日は妖怪や魔物が来るとされ、家の軒にかごを高く掲げたり、門口にヒイラギやイワシの頭などを取り付け魔除けとしました。
本来の意味としてはお祭りの前後に行われる物忌みのことです。物忌みとは仕事を休み家の中で慎ましく過ごすこと。これがのちに妖怪が来るから家の中にいなさいと説明されるようになり、現在の風習になりました。
針供養と正月事始めの関係
針供養の行われるお祭り前の物忌み期間(事八日)が終わると、いよいよお正月に向けての準備(正月事始め)になります。
内容は別物ではありますが、お正月というお祭りへ向けた準備という意味では関連していますね。
5正月事始めから大掃除をはじめよう
それでは古くからの慣習に習い、お正月に向けて大掃除の計画を立ててみましょう!
せっかくなので12月13日の正月事始めの日に大掃除したいところですが、2022年は火曜日なのでお仕事もあるかと思います。13日付近の土日など、お休みの日を一日大掃除の日として決めたいところです。
大掃除の基本は高いところから低いところ、奥まったところから手前に。これだけはまず覚えておきましょう。
大掃除の基本!
仏壇や神棚がある場合はそこから!
上から下へほこりを払い、日頃はしない仏具のお手入れもしてあげましょう。
台所
台所は家族が生きるための食事を作る場所です。かまどの神様用の神棚があるご家庭もあるでしょう。台所が汚れていると生命力が落ちるとも言われています。
入念にお掃除しましょうね。
水回り
お風呂、トイレ、洗面所といった水回りは汚れが溜まりやすいところです。普段のお掃除では出来ないところを思い切って掃除しましょう!
居間などの団らんの場
カーテンを洗ったり、窓掃除など天候に左右される箇所もあると思います。この日一日ですべてやろうと思わず、ここだけはやろう!と決めておきましょう。
大掃除がおわったら正月飾りを飾ります。
注意しなければいけないのは飾ってはいけない日があることです。
- 12月29日 9=苦、二重の苦という意味になってしまうのでNGです。
- 12月31日 一夜飾りとなってしまい、縁起が悪く神様に対しても失礼になってしまいます。
この両日は大掃除をするのもよくない日とされていますので注意しましょうね。
まとめ
- 正月事始めとは?
毎年12月13日に行われる、煤払いや松迎などをして年神様をお迎えする準備を始める日のことです。 - 事始めはなぜ12月に行う?初詣との違いは?
お正月の準備を始める日なので12月中に行います。12月13日は物事を始めるのに縁起の良い大吉日とされています。初詣は1月中に行うのが良いですね。 - 煤払いや松迎はどのように行う?
煤払いは現代の大掃除。出来れば新品の掃除道具を用意しましょう。松迎は山に行く必要はありません。素敵な正月飾りを買いに行きましょうね。 - 針供養と正月事始めの関係
針供養は日頃お世話になっている道具に感謝し供養すること。事八日(事始め・事納め)の日に行われる代表的な行事です。事八日が終われば正月事始めです。お正月の準備にとりかかりましょう! - 大掃除をはじめよう!
高いところから低いところ、奥から手前に向かって掃除しましょう。仏壇、神棚、台所、水回りを入念に。一日で終わらそうと無理をせず、計画的に進めましょう。
正月事始めには平安時代から続く古い歴史がありました。
身の回りをきれいに清めてから気持ちよく新年を迎える慣習が、大掃除として現代にも受け継がれているなんてとても素晴らしいことですね。
意味を知ってしまった以上、年末にバタバタと掃除するなんて事はもうできません。今から計画を立て、感謝を込めてお掃除しましょう。
ピカピカになったおうちで気持ちよく新年を迎えましょうね。
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