奈良県の東大寺二月堂で、毎年3月1日から3月14日までおこなわれる「修二会」
この修二会、一般的には「お松明(おたいまつ)」または「お水取り(おみずとり)」とも呼ばれ親しまれています。
日本でも最大級のイベントということで、全国ニュースなどでも取り扱われることが多く、テレビで見たことがある人もいるでしょう。
暗闇に浮かぶたくさんの大きな炎は、とても幻想的ですよね。
突然ですが、この「修二会」なんと読むかわかりますか?
初めて見た人には、なかなか読めないでしょう。「しゅにえ」と読みます。
私が初めてこの「修二会」という言葉を見たとき、全国の修二さんたちが集まる「しゅうじかい」としか読めませんでした。
そして、そんな私を横目で見ていた友人に爆笑されてしまったんです。
しかし、実はその友人も私と同じで「最初は『しゅうじかい』かと思った」と白状しました。きっと私のように読んでしまった人、多いのではないでしょうか?
読み方だけはしっかり覚えておきましょう。
「しゅにえ」です。
- 「今年こそ本物を見てみたい!」
- 「修二会って、一体なんのお祭りなの?」
- 「長期間あるけど、いつ行くのが一番いいの?」
こんなふうに思っていませんか?
そんなあなたのために、今回は「修二会」に関する疑問やみどころを7つご紹介します。
- 東大寺二月堂修二会2022!
- お水取りはいつ?何回する?意味は?
- 東大寺二月堂修二会のみどころ3選!
- 東大寺と二月堂
- 東大寺周辺に駐車場はある?アクセスは?
- 東大寺周辺のホテルや宿泊施設は?
- 修二会だけでない東大寺の1年
なにも知らずに行くよりも、あらかじめ修二会について予習しておくことで、さらにこのイベントを楽しめるでしょう。
東大寺二月堂修二会2022!
「修二会」は毎年3月1日から3月14日までおこなわれる「法会(ほうえ)」です。
(法会とは、仏教における儀式のこと)
期間中は毎日、二月堂の舞台から松明の炎が燃え盛る「お松明」がおこなわれます。
特に3月12日は「お水取り」の前ということもあり、通常よりも大きな松明を使う「籠松明(かごたいまつ)」がおこなわれます。
この日は、たとえ平日であっても毎年の参拝者は通常よりもかなり多いです。
そして今年2022年の3月12日は、なんと土曜日。ということは、さらに参拝者が大勢来ることが予想されますよね。
平日だと仕事をされている方が多いので、なかなか行くのは難しいですが、週末ならば行ってみたくなる人が多いでしょう。万全の寒さ対策、そして感染対策をして出かけましょう。
この修二会が始まったのは、はるか昔の天平勝宝4年(752年)。それ以来、一度も途絶えることなく続いており「不退の行法」といわれています。
そして今年の2022年で1271回目になり、日本ではもっとも長く続いている法会です。
現在は3月1日から2週間おこなわれていますが、元々は旧暦の2月1日からおこなわれていたため、修二会とは「二月に修する法会」という意味が込められています。
そして、二月堂もこの意味から来ています。
炎とともに階段を下りていく僧侶の姿は、緊張感が漂っていますよね。
お松明から降り落ちる「火の粉」が見えますか?
この火の粉を浴びると、健康になれる「無病息災」のご利益があります。
また、この火の粉の「燃えかす」は持ち帰ることもでき「護符(ごふ)」として、お守りの代わりに持っておくこともできるので、ぜひ手にして帰りたいですね。
お水取りはいつ?何回する?意味は?
修二会は「お水取り(おみずとり)」または「お松明(おたいまつ)」とも言われていますが、実はこの2つの儀式は全く違うものなのです。
お松明は期間中、毎日おこなわれる松明の炎を使った儀式で、テレビではこの様子が放送されることが多く知っている人もいるでしょう。
実は、私もテレビのニュースで知ったのがキッカケです。
東大寺の存在はもちろん知っていましたが、この修二会というものは知りませんでした。テレビの映像だけでも、その迫力は伝わってきてかなり印象的だったのを覚えています。
3月といえどもまだ冬の寒いなか、多くの参拝者がご利益を得るために集まります。
このお松明、日にちによって開始時間が異なるので出かける際は確認してご参拝ください。
- 3月1日から11日と13日は19:00から
- 3月12日は19:30から
- 3月14日は18:30から
時間になると、大鐘が鳴り響くのを合図に開始されます。
通常のお松明の大きさは長さ6~8m、重さ40kgですが、3月12日はお水取りがおこなわれる前ということもあり特別で、通常よりもさらに大きな「籠松明(かごたいまつ)」が使われます。
籠松明の大きさは長さ8m、重さ70kg。
通常のお松明でも大きいのに、さらに大きな籠松明ならさらに迫力も増し、火の粉も多く降ってくるでしょう。
お松明の燃え盛る火の粉を浴びると、無病息災のご利益があります。ぜひご利益をいただきたいですよね。
このインスタでも迫力があるのがわかりますよね!
ご利益がありそうなのが伝わってきます。
そして「お水取り(おみずとり)」は3月12日深夜(13日の午前1時ころ)からおこなわれ、修二会でも特別な行事です。
「閼伽井屋(あかいや)」という建物の中にある「若狭井(わかさい)」という井戸から神聖なる水「お香水(おこうずい)」を汲み上げ、観音様へお供えする儀式です。
松明の炎に照らされながら、5人の練行衆たちは閼伽井屋へ向かう石段を下りていきます。
深夜にも関わらず大勢の参拝客が見守るなか、雅楽の音楽とともにおこなわれます。
下記のTwitterの映像でもわかるように、お松明の迫力とは違い、とても神聖な雰囲気が漂いますね。
深夜2時、奏楽の中を榊で飾られた担台が往復して、若狭井から汲まれた御香水が二月堂に運ばれます。東大寺二月堂修二会が「お水取り」と呼ばれる所以です。#修二会 #東大寺#奈良 #nara pic.twitter.com/Ag51M80loe
— naomi (@1140ch) March 12, 2020
「修二会のお水取りが終わらないと 奈良に春は来ない」と言われているほど、お水取りは東大寺でも有名なイベントです。
東大寺二月堂修二会のみどころ3選!
修二会の行者に任命されるのは11人の僧侶たち。(行者とは、仏道を修行する人のこと)
彼らは「練行衆(れんぎょうしゅう)」といわれ、毎年12月16日の早朝に翌年の練行衆が発表され任命を受けます。
そして2022年の練行衆11名が発表されました。
いよいよ修二会が始まります。 pic.twitter.com/kXrafjYDJ7
— ならの大学生 (@nara_yamato_1) December 16, 2021
「この神聖なる伝統的な儀式に選ばれるとは、どういう気持ちなんだろう」
「きっと緊張しながら眠れない夜を迎えたりするのかな」
なんて考えてしまいますね。
この練行衆の名前は、遠い未来まで記録に残っていくのでしょう。そして、この練行衆が務める修二会のみどころを3つご紹介します。
①お松明(おたいまつ)と籠松明(かごたいまつ)
修二会といえば、このお松明がいちばん印象的で迫力ありますよね。
二月堂の舞台から大きく振り回されるお松明はいちばんの魅力です。
通常のお松明は長さ6~8m、重さ40kgですが、3月12日だけはさらに大きな籠松明が使われ、長さ8m、重さ70kgにもなります。
②お松明の「火の粉」
迫力のあるお松明の炎から落ちる火の粉を浴びると無病息災のご利益があります。
また、この火の粉の「燃えかす」は持ち帰ることもでき、お守りの代わりに持っておくこともできます。この一年のご利益をいただきましょう。
③お水取り
3月12日の深夜(13日の午前1時)よりおこなわれます。
練行衆が、若狭井という井戸から神聖なるお香水を汲み上げ、観音様へお供えする儀式。
深夜におこなわれるため平日の開催だとなかなか訪れるのは難しいですよね。しかし、毎年大勢の参拝客が見守るなか雅楽の音楽とともにおこなわれます。
東大寺と二月堂
東大寺といえば「奈良の大仏」として有名ですよね。
観光地で歴史深いこともあり、修学旅行で訪れたことのある人もいるでしょう。
私も中学校の修学旅行で行ったことがあります。大きな大仏様を初めて見て、思わず「でかっ」と言ってしまったんです。今考えると、バチが当たりそうなことを言ってしまったと後悔しています。きっと大仏様は私の声を聞いていたことでしょう。
東大寺の正式名称は「金光明四天王護国之寺(きんこうみょうしてんのうごこくのてら)」と呼ばれ、8世紀の奈良時代に聖武天皇が建立したお寺です。
1998年に古都奈良の文化財の一部として世界遺産に登録されているのもあり、国内はもちろん海外からの観光客も多数訪れています。
東大寺の中にある二月堂は、奈良の春の行事「修二会」がおこなわれる場所として知られています。
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