冬休みの宿題と言えば何を思い浮かべますか?
そう!書き初めですね。
普段使わない筆を持ってピシッと正座をして半紙に新年の目標を紙に書く。大人になった今のほうがやりたいなーと思います。
小学校高学年の皆さん、そしてその親御さん。過去に数回やってなんとなく慣れてきましたよね。
いやでも正直。。。『面倒だな~~~~~~~~~!!!』って思っていないでしょうか。笑
さらに課題が決まっているならまだしも、自由に書いていいよ!なんて言われたら『そこからかぁ…』と思ってしまいますよね。
そもそも書き初めをやる意味がわからない。準備も片付けもめんどくさい!字上手じゃないからやる気が出ない!自由って何を書こう?!
…大変です。書き初めに対する負の感情が次々と湧き出てきますね。
私も小学生の冬休み、習字に関してはやけに厳しい祖父の指導と、真冬の寒い外の水道で筆を洗う作業が最高に嫌でだらだらとやっていました。
当時は言われるがまま何とかやっていましたが、今は自分で調べられる時代です。
なのでこの記事では、
- 書き初めをやる意味
- おすすめの文字
- 上手に書けるコツ
- 道具を長持ちさせるお片付け
などなど、書き初めが苦手だったわたしが書き初めに対する様々な面倒ごとを一緒に解決していきますよ!
この記事を読み終わるころにはきっと書き初めに対する苦手意識も薄まっているはず。
書き初めとは本来とても素敵な日本文化なのです。もう一度書き初めについて考え理解して取り組んでみましょう!
冬休み宿題に書初めが出題される理由は?
冬休みの定番、書き初め。どうして定番となるほど出題されてきたのでしょうか?
理由としては3つがあげられます。
- 新年の抱負・目標をさだめる
- 字の上達
- 日本文化とのふれあい
課題文が決まっていないと、自由に書けるので自分の目標にしたいことを可視化するいい機会ですね。
わたしも新年には目標を紙に書きだすようにしていますが、心の中で思うよりもずっと意識します。
また、筆を使って字を書くことは、書写能力をきたえてくれます。書写能力とは文字を正しく整えて読みやすく書くこと。きれいな字ってとめ、はね、はらいがしっかりと書かれていますよね。
筆を使うとそれらを意識して書くようになり、鉛筆などの硬筆で書く際の基礎を築くことが出来ます。
最後に習字を含む書写は学習指導要領の中の“我が国の言語文化に関する事項“に位置づけられています。
日本という国の将来の担い手である小中学生に日本文化に触れる機会を作り、親しみを持ってもらおうという狙いですね。
書初めの歴史
書き初めは平安時代の宮中行事、吉書の奏(きっしょのそう)が由来になっています。
簡単に言うと年始や仕事始めの日に(今でいうところの)公務員の方々が仕事内容を天皇へご報告することです。
鎌倉・室町時代に入ると武家のほうでもこの儀式にならい、将軍が吉書に判を押す“吉書はじめ”という新年行事として定着しました。
そして江戸時代、寺子屋の普及により庶民へと広まりました。
庶民の間では天皇へご報告するような文書である必要はないので、おめでたい詩歌などを書いていました。
元日に汲んだ水を神棚に備え、その水で墨をすりその年の恵方(縁起の良い方角)にむかってめでたい詩歌を書いて飾り、小正月(1月15日/どんと焼き)に燃やすのが習わしです。
火の勢いで燃えかけの紙が高く舞い上がるほど字が上達すると言われているそうですよ。
書初めの効果
書き初めでは、自分の目標を筆で書きますよね。心に決めたことでも外に出さなければいつかは忘れてしまいます。実際に形にして目にすることで日常でも意識し、目標達成に近づくことが出来ます。
イチロー選手の作文や大谷翔平選手の目標達成シートはとても有名ですね。
一流アスリートの方々もやっているように、実際に目標を可視化させることは夢を達成するための第一歩なのです。
書初めを行う子供たちのメリット
- とめはねはらいを意識することで、字がきれいになる。
- 姿勢が良くなる。
- 集中力が養える
- 日本文化や芸術への興味がわく。
書き初めや習字自体は非日常かもしれませんが、実はかなり日常へ通じています。
字がきれいだとちょっと手紙を書いてみたり、自慢したくなりませんか?姿勢のいい人ってかっこいいですよね。つい見とれてしまいます。集中力が上がれば他の勉強への理解度も上がり、成績UPにつながりますね!
そして文字の成り立ちや文化へと興味がわいて自分の将来へとつながっていくかもしれません。こう考えてみると書き初めっていいことがいっぱいです。
大人になって身に染みていますが、字がきれいなことはかなりのステータスです。
私はご祝儀袋に名前を書くたびになぜもっと習字をまじめにやらなかったのかと後悔していますよ。。。
この機会にぜひ真剣に取り組んでみてください。
冬休み宿題の書初めの上手な書き方とコツは?
書き初めの意味は理解できたし、メリットがいっぱいなのもわかった。けど実際やるにしても上手に書けないし書き方がわからない。というあなたに!
ここからは書き初めの様々なコツをまとめてみましたよ。
書き方
- とめはねはらいを意識する。
- 横線は気持ち右上がりに書く。
- 縦の線はまっすぐ垂直に引く。
- 線と線の間隔の大きさをそろえる。
- 漢字は大きめ、ひらがなは小さめ。
- 丁寧に!!!
線と線の間隔をそろえると途端に字がきれいに見えます!
これは私が小さいころよく言われて実践していたので確かです。書き初めって大きく書くので、ノートに書く小さい字と違って間隔の幅などがしっかり見えてしまうのですよね。
あとはとにかく丁寧に書くことに尽きます。せっかく目標を決めたのですから、心を込めて丁寧に書きましょう。
書く時の姿勢
机で行うとき
- 机と体の間は握りこぶし1つ分
- 机の正面に体を向けて座る。
- 背筋を伸ばす。
- 顎を引き、目線は紙へ
- 紙は体の中央に置く。左手は指をそろえて紙の左下を抑える
床で行うとき
- 背筋は伸ばす
- 足(膝)はしっかりと床につける。
- 体は半紙の正面に。左手は半紙にそっと添える。
髪の毛が長い場合はしっかりと結んでおきましょうね!
汚れてもいい服装で行いましょう。
書く場所
大きい会場で行われる書初め大会などでは床で書いているイメージがありますよね。実際、スペースがあるなら机で書くよりも床が良いです。
書初めでは半紙より長い八つ切りサイズが一般的なので、バランスが重要になります。
床で書くことで紙の一部が隠れてしまうということがないので全体を見ることが出来ますね。床にはビニールシートや新聞紙を敷き詰めて行いましょうね!
フローリングやカーペット、畳についた墨は落とすのが大変。
せっかく大掃除できれいにしたのに、新年早々墨で汚れてしまってはなんだか切ないですよね。
おすすめの道具
5,6年生ですからすでに習字セットを持っていると思いますが、もしもっていないならこちらもおすすめです!
☆書道下敷き 書初め用 八ッ切判 (23×75cm) 罫線入り 樹脂ベージュ / 雅笑堂
書初め用の八つ切りサイズの下敷きです。ラインが入っているのでまっすぐかけているかどうかの目安にもなります。
☆あかしや 墨池 円硯 書道液・顔彩用 AG-03
墨汁を使って書くならこちらの墨池もおすすめです。
蓋を裏返すと筆置きとして使え、注ぎ口がついているので残った墨汁の処理も簡単です。
プラスチック製でとにかく軽いので、学校や書道教室に持っていくという方は一つ持っていてもいいですね。お値段もお手頃です。
☆呉竹 半紙 水書き 水でお習字 半紙 KN37-10
水をつかって習字の練習が出来ちゃう商品です。これなら何度もかけてエコですし、なにより汚れる心配がありません!
こんな商品があったんですね。子供のころに欲しかったです。赤・黒・緑の3枚入りなので、乾くまで待つことなく練習できますよ。
墨の濃さ
少し濃いめにしましょう!
墨の濃さは水の量で決まりますが、一般的に水が多いと薄くなるのでにじみやすくなります。にじんでしまうと文字の輪郭がぼやけてしまい、メリハリのない印象に。反対に濃すぎても文字にテカリが出てしまうことも。
また、掲示するときに裏打ちという作業をするかもしれません。
裏打ちとは作品の裏から霧吹きなどで水分を与え、しわをのばして紙等で補強すること。この際に練習用や安価すぎるものだとにじんでしまうことも考えられます。
せっかく一生懸命書いた作品がにじんでしまったら悲しいですよね。提出の際は清書用・作品用と記載のあるものを選べばまちがいないでしょう。
練習の時はなんでもOKです。
今は汚れが落ちやすい墨汁もあるので機能を重視して選んでもいいですね!
筆の太さ
高学年であれば6号が推奨されています!
筆のサイズは軸の直径により1号から10号まで大体の目安が定められていて、1号がもっとも太く10号になるにつれて細くなります。
ちなみに6号は直径8.5㎜ほど。
しかしメーカーによって記載のないこともあるので、実際に文房具店に行ってお店の方に相談するのが一番手っ取り早いです。
※習字において筆はとっても大事ですよね。
筆の選び方として、四徳(尖斉円健)が揃っているのがいい筆と言われています。
- 尖(セン):穂先がとがっていて、まとまりがある
- 斉(セイ/サイ):穂先がととのっている
- 円(エン):穂全体がきれいな円錐形。ふくらみやねじれがない
- 健(ケン):穂の弾力が程よくしなやか。
もし習字に興味が出たら自分で筆を選ぶ機会も増えるでしょう。頭の片隅にでもしまっておけばいつか役に立つ…かも?!な豆知識でした。
高学年におすすめの文字!四字熟語編
では自由課題となってしまった方のためにおすすめの文字を紹介します。
まずは四字熟語編。
一期一会
定番中の定番です。
人に限らず、出会いは人生で一度きり。人生の中で多くある出会いを大切にしましょうという意味です。
もともとは茶道の心得を表した言葉で、一期とは人の一生の事。卒業も近づいてきた5,6年生にとって深く刺さる言葉ですね。
誠心誠意
嘘や偽りなく、まごころをもって相手に接することです。
友達と正直に付き合っていきたいなと思っているかたに!
温故知新
自分が前に学んだことや昔の人の知恵をもう一度学びなおし、そこから新しい知識や見解を開き自分のものにすること。
勤勉さが伝わってきます。
先人の知恵を大事にして新しいものを生み出すってこれからの世の中にとって大切なことですよね。個人的に好きな言葉です。
中学生の書初め課題に選ばれるくらいなので少し書くのは難しいかもしれません。
初志貫徹
最初に決めたことと最後までくじけずやり遂げること。
意志の強さが伝わってきますね。何か大きな目標があるかたにぴったりです。
上手い下手じゃなく大きく自信をもって書いてほしい言葉ですね!
自重自愛
自分で自分の体を大事にすること。自分の人柄や性質を信じ、劣っていると考えないこと。
高学年にもなれば友人関係や勉強などで落ち込み、悩むこともあるかもしれません。そんな時に自分なんて、と卑屈にならないで自分で自分の事を大切にしてあげましょうね!
前向きになれる言葉です。
左右対称な字が多いのでバランスもとりやすそうです。
無病息災
病気をせず、健康に過ごすこと。こんなご時世だからこそ選んでみましたが小学生にしては少し渋めでしょうか。笑
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