子どもの冬休みの宿題一覧をチェック!目に留まったのは「短歌作り」。
- 「短歌って何?ルールや作り方は?」
- 「どんなテーマだと作りやすいかな?」
- 「そもそも短歌作りを宿題にする学校の意図は?」
と思っているそこのお父さん!お母さん!
この記事で、短歌作りに関する疑問を全て解決出来ますよ。誰しも国語の授業で1度は触れたことのある短歌。今、あなたが「短歌を1つ作って下さい。」と言われたらどうですか?
「短歌って何かうまいことを考えなきゃいけないのでは・・・?」
「単純な表現じゃなくて、ひとひねりするのが短歌や俳句だよね・・・?」
と、思ってしまいますよね。私もそう思うタイプです。そして迷走して、結局何も思いつかないタイプです。笑
でも難しく考えてしまうのは、大人だからなのです!子どもの短歌は、ひとひねりする必要も、うまいことを言う必要もありません!
「素直な気持ち」をダイレクトに表現した短歌が、とても評価されます。「素直な気持ちをダイレクトに表現」とはどういうことか?
それも踏まえて、この記事では以下のポイントを説明・紹介します。
実際に親子で短歌作りをした体験談や、小学生の作品を見れるサイトも紹介します。
- 小学生向け短歌の作り方やルール解説
- 小学生向けおすすめ冬の短歌テーマ紹介
- テーマに沿った短歌を紹介&作り方のコツを解説
- 小学生の短歌作りに参考になる本や教材、サイトの紹介
- 短歌を詠めるようになるメリットを紹介
5分くらいでザッと読める記事です。読み終えた時には、子どもではなく、まずは自分が一句詠んでみたくなりますよ。
それではさっそくいきましょう。
短歌の作り方・ルールとは?
誰でも一度は触れたことがある短歌。
でも、俳句や詩との違いは何だっけ?短歌作りにルールはあるの?小学生にも分かりやすい短歌の作り方は?そもそも、なぜ短歌が冬休みの宿題に出るの?
まずは、これらの疑問を解決していきましょう。
短歌とは
1500年以上前から、日本の貴族が趣味として詠んでいた短歌。その短歌をまとめた書籍が「万葉集」「古今和歌集」です。
昔の貴族と言うと、高貴なイメージがありますね。だから短歌のハードルも上がりますが、そんなことはありません。
日常生活で感じたことを自由に歌に出来るのが短歌です。
短歌と俳句・詩との違い
短歌・俳句・詩の違いを簡単な表にしました
音数 | 季語 | 主な表現対象 | |
---|---|---|---|
短歌 | 5・7・5・7・7 | 決まりなし | 作者の感情など |
俳句 | 5・7・5 | 必要 | 自然、情景など |
詩(自由詩) | 決まりなし | 決まりなし | 何でもあり |
表を見ての通り、短歌と俳句の大きな違いは「音数」と「季語の有無」です。
短歌は季語を入れる必要はありませんが、入れたほうが作りやすい場合が多いです。なぜなら、季語は「いつ、どこで」という情景を簡単に表現できるツールでもあるからです。
詩には、定型詩と自由詩の二種類があります。短歌も俳句も「定型詩」に分類されるのです。「主な表現対象」はあくまでも参考です。
短歌でも自然について謳っている場合もあります。短歌は俳句より音数が多いため、感情を表しやすいのです。
短歌作りのルール
守るべきルールはたった2つ!
①「5・7・5・7・7」の音数。
ここでポイントは「文字数」ではなく、「音数」ということです。
1500年も前から存在していた短歌は、文字もない頃から詠まれていました。昔の人は音を耳で覚えて、口で歌い伝えていたのです。そのため、「文字」ではなく「音」が重視されいます。
具体例としては、
- 「ちょっと」=4文字だけど→「ちょ・っ・と」の3音 扱いとなる
- 「サッカー」=4文字でそのまま→「サ・ッ・カ・ー」の4音 扱いとなる
しかし、最初から小学生に「音数」を意識させると混乱してしまうかもしれません。お子様の理解度に合わせて、「文字数」か「音数」で説明して下さい。
「音数」について最初から理解させたいという方は、具体的にどんな短歌があるのか見せると良いでしょう。
もちろん、最初から「音数」について理解していなくても、大丈夫です。子どもは、理屈よりも、感覚的に覚えていく方が得意です。作っていくうちに、リズムや感覚で音数を覚えていけば大丈夫です。また、字余りや字足らずもそこまで気にしなくてOK。
大事なのはリズムです♪
②「素直な気持ち」を表現すること。
最初に述べたように、何か「いいこと」「うまいこと」を絞り出さなくて良いのです。子どもの素直な気持ちをありのままに表現しましょう。
実際に小学生が作った短歌を紹介します。
◆小学3年生の即興短歌
風を感じて自分の素直な気持ちをダイレクトに表現してます!大人だったら、何か比喩しなきゃ…擬人化しなきゃ…と思いますよね?
でも、この作品は単純な言葉の組み合わせなのに、なぜか心に響きます。「素直な気持ちをダイレクトに表現する大切さ」を痛感した作品です。
◆幼い頃に筆者が作った短歌
筆者はもう大人のようですが、子どもの頃に作った短歌を今でも覚えているようです。まさに日常の中で思いついた短歌です。
この短歌から筆者の日常を思い浮かべることが出来ます。日常のことだからこそ、誰しも何となく経験があるから、親近感も湧きますね。
こんな風に、読んだ人がくすっと笑えるのも短歌の良さです。
◆「コツコツ短歌コンクール」作品

TANAKAホールディングス株式会社が主催している短歌コンクールです。夢や目標に向かってコツコツ努力していることをテーマに作る短歌。
学年ごとに作品が紹介されています。お子様が作る時の参考にしてみて下さい。
作り方
①書きたいこと(テーマ)を決める
冬休みの思い出や日常生活のことでも何でもOK。子どもからなかなか出てこなかったら、親子で冬休みを振り返るのも良いでしょう。
親子で日常を振り返るって、あまり無いですよね?
子どもが印象に残ってることは、大人の想いとは違うこともあり、新たな発見になるかも!きっと楽しい会話になること間違いなしです。
※どうしても決まらないという場合は…「スマホ写真を振り返る」という手もあります。しかし、これは奥の手にした方が良いでしょう。後に詳しく説明しますが、短歌の良いところは、脳内でイメージしたものを表現することです。
スマホ写真で視覚的に思い出を捉えると、脳内イメージ力が薄れてしまいます。かと言って、ずっと決まらないのも辛いものです。奥の手として潜めておきましょう♪
②どんな気持ちだったかを書き出す
「嬉しい」「悲しい」「悔しい」「ありがとう」
素直な気持ちを書き出してみましょう。
③何が、何を、いつ、どこで、を単語で書き出す
これらの情報を加えることで、読んでいる人が情景を思い浮かべやすくなります。
例えば、クリスマスでサンタさんにもらったゲーム機について…
「クリスマス」「サンタクロース」「くつした」
「スイッチ」「朝目覚めたら」
「まくらもと」「寝てる間」
「寒い夜」「クリスマスツリー」などなど
④書き出した単語をパズルのように当てはめて完成!
5・7・5・7・7の並びにしましょう。
「スイッチが 楽しみ過ぎて 寝れないの だけど寝なきゃ サンタは来ない」
音数 5・7・5・6・7 となりました。リズム良いし、もちろんこれでもOKです!
でもすっきりと音数をあわせたい方は、単語の言い換えにチャレンジ!
「ワクワクが 止まらないから 眠れない だけど寝なくちゃ スイッチ来ない」
音数 5・7・5・7・7 となりました。
同じ意味、似た意味で違う単語を探してみましょう。語彙力を鍛えることが出来ますよ。
なぜ冬休みや夏休みに短歌の宿題がでるの?
続いて、どうして短歌が冬休みの宿題として出るのか?学校側はどんな意図があるのでしょう?
結論は、「気軽に取り組みやすくて、言葉の表現力が豊かになるため」です。
短歌は、作文よりもはるかに取り組みやすい題材です。宿題を出す側の先生としても、出しやすいのでしょう。さらに、短歌作りはたくさんの言葉を思い浮かべますね。
言葉の言い換えをすることで、語彙力を鍛えることも出来ます。
小学生向け おすすめの冬の短歌テーマは?
小学生におすすめのテーマを3つ紹介します。
正月
冬休みと言えばお正月!おせち料理に、年賀状、お年玉…楽しいことが盛りだくさんですね。
お正月に限らず、イベントは日常と違って印象に残りやすいです。色んな感情が湧き上がるため、言葉も出てきやすいはず。
雪
冬と言えば、子どもが楽しみしている雪。大人は雪かきや交通手段が無い…と気がかりなことも多い雪。
雪国育ちの私も、毎年初雪は楽しみにしていました。朝方雪が積もると、庭が白い世界に変わっているのを毎年喜んでいたものです。その光景は、大人になった今でも忘れません。
雪が降らない地域もありますね。しかし、雪を楽しみにしている気持ちや、雪のように見える何かを連想して一句、作れますよ。
マスク
コロナでマスク生活が当たり前になり、冬ならではのものではなくなりつつありますが…子どももマスク着用で小学校に通っていますよね。
そんな時期だからこそ、マスクに対して、関連して、思うことが必ずあるはずです。
短歌をつくってみよう!
実際に短歌を作ってみましょう!
読んでいる人が、情景を思い浮かべやすいように「いつ、どこで、何が」を意識して作りましょう。
正月
私は子どもの頃、年賀状を家族一人一人に振り分ける役をしていました。
その時の気持ちを思い出して一句。
「ポストまえ 待ってました 年賀状 あとは私に まかせてね」
家族7人で暮らしていた私にとって、年賀状の振り分けは大好きな役割でした。
「ポストまえ」で、待ち遠しく楽しみにしていた「感情」を表現しています。「年賀状」を季語として入れたことで、「お正月の出来事」であることが分かります。
雪
降り積もったばかりの新雪は、フワフワで飛び込みたくなります。
その時の気持ちを思い出して一句。
「ゆきだるま 作るよりまず 飛び込もう このフワフワが たまらないのよ」
「たまらないのよ」で新雪を楽しみにしていた「感情」を表現しています。また、語尾に「のよ」を加えることで音数を調整しています。
「ゆきだるま」を季語として入れたことで、「冬の出来事」であることが分かります。
マスク
冬といえば、風邪を引きやすい時期。風邪予防として役に立つだけでなく、寒さを和らげてくれるマスク。でも、息がしにくくて苦しいことも。
その気持を表して一句。
「かみマスク 寒さと風邪を 予防する しゃべりすぎると 息続かない」
「息続かない」で、苦しい「気持ち」を表現しています。「寒さと風邪を」で、冬の出来事であることが分かります。
小学生が考えた短歌の作品集を掲載しているサイト
「しきなみ子供短歌コンクール」作品集
短歌で使える冬の季語
短歌には季語を入れる決まりはありません。
しかし、季語を入れることは、情景を表現しやすくなるという利点があります。
ぜひ取り入れてみて下さい。
どうしても短歌が作れない!参考になる本やサイトは?
ルールや作り方が分かったとしても、なかなか短歌を作れない…とお悩みの方。
短歌に関する本や教材、サイトをご紹介します。ぜひ参考にしてみて下さい
①ちびまるこちゃんの短歌教室
短歌といえば、思い出すのは「ちびまるこちゃん」の祖父、ともぞうさん。
アニメの中で、まるちゃんとの日常を短歌に表していますよね。マンガ形式のため、で小学生でも読みやすい本です。
アマゾンのサイトで、最初の数ページを試し読みも出来るので、ぜひご覧下さい。
②マンガで覚える 図解 俳句 短歌 川柳の基本
こちらもマンガ形式で読みやすい本です。
短歌だけでなく、俳句や川柳についても解説しています。クイズも出されており、遊び感覚で読み進められるのでおすすめです。
③ドラえもんの国語おもしろ攻略 俳句・短歌がわかる
みんな大好きドラえもん!こちらは、作文や入試にも役立つ内容になっています。
小学生なら、高学年向けの本です。
④幻冬舎 57577 ゴーシチゴーシチシチ(教材)
短歌について知る、気軽に触れるならこちら!カードゲームの教材です。
まずは、短歌を感覚で学びたいという親子向けです。遊んでいるうちに、自然と5・7・5・7・7のリズムをお歩言えることが出来ますよ!
お正月のカルタ遊びの代わりにピッタリ!
⑤冬の短歌20選(サイト)

本や教材を購入するのはひと手間。
もっと気軽に短歌作りのヒントが欲しい、という方はこちらを参考にして下さい。有名な冬の短歌から、子どもの日常を描いた可愛らしい短歌まで、幅広く紹介されています。
短歌が詠めるようになるとどんなメリットがある?
短歌のメリットは?将来的にどんな役にたつの?
短歌作りは右脳と左脳を発達させ、感受性、表現力を高めることが出来ます。表現力は創造力・コミュニケーション能力につながります。
右脳と左脳の発達とは、どういうことか?
言語や計算など論理的な思考を司るのが左脳。絵画や音楽など感覚的、空間的な認識を司るのが右脳。
短歌を作る時は、ある場面を思い浮かべながら言葉を考えますね。しかも韻を考えながら、決まった文字数におさめるという作業も行います。
短歌作りは、右脳でイメージした場面を左脳で受け取って、言葉に表しているのです。
※他の人が作った短歌を詠む時は、この逆になります。
つまり、短歌とは、右脳と左脳をバランスよくフル活用できる、理想的な脳の使い方なのです。さらに、視覚だけでなく、聴覚、嗅覚、味覚、触覚といった五感もフル活用します。
様々な感覚を言葉に表現することで、自然と語彙力が増え、表現力も豊かになります。その表現力は創造力・コミュニケーション能力の向上・心の成長につながります。
短歌で稼いでいる人はいる?短歌のプロっているの?
「短歌作りのみ」を仕事としている人は、いません。「詩」まで範囲を広げると、ほんのひとにぎり、います。詩歌の創作だけでは、ほとんどの人は食べていけないのです。
俳句や短歌では一句や一首あたりの原稿料はおよそ数百円です。
では、詩歌で生計を立てている人は、どのように生活しているのでしょうか?
まずは、出版社などで行われるコンテストに入選して、世に名前を知られるようになります。そこから、自費出版や同人誌などを通じて、読者を得ることが多いです。
短歌作りを本業にしている人は、ほとんどいません。しかし、短歌コンクールなどをよく新聞や雑誌で見かけます。
短歌作りを趣味にしている人は、多いということですね。
まとめ
●短歌の作り方・ルールとは?
- ルールは2つ
- 5・7・5・7・7 の音数
- 素直な気持ちを表現すること
- 作り方
-
- 書きたいこと(テーマ)を決める
- どんな気持ちだったかを書き出す
- 何が、何を、いつ、どこで、を単語で書き出す
- 書き出した単語をパズルのように当てはめて完成!
●小学生向け おすすめの冬の短歌テーマは?
- 正月:非日常であるイベントは、書きやすい。
- 雪 :冬ならではの、みんなが楽しみにしているものは、書きやすい。
- マスク:毎日触れているマスクには、思うことがたくさんあるはず。
●短歌をつくってみよう!
- 上記3つのテーマで簡単な短歌作りに挑戦!
- それぞれの短歌のポイントも解説
●どうしても短歌が作れない!参考になる本やサイトは?
- 参考になる本や教材、サイトを5つ紹介
●短歌が詠めるようになるとどんなメリットがある?
- 右脳と左脳がバランスよく発達
- 表現力・感受性が豊かになり心の成長につながる
- 創造力、コミュニケーション能力の向上
●短歌のプロはいる?
- 短歌だけのプロはいない
- 詩歌のプロならほんのひとにぎりいる
「短歌」に対するイメージは変わりましたか?
身近な話題を、単語に書き出して、それを並べ替えるだけ。とても単純な作業です。それを分かって頂けたら、あとはもう行動するのみです。
当たり前ですが、これを読んだだけは、お子様の宿題「短歌作り」は進みません。まずは、小さな一歩から踏み出しましょう!
その場ですぐに出来るのは、「短歌にしたいテーマを考える」ことです。「冬休み、何が楽しみ?楽しかった?」という会話から始めてみましょう。
お父さん、お母さんの右脳と左脳もフルに活用しながら、親子で一緒に短歌作りを楽しめることを願っています。
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