冬休みに出された「短歌」の宿題。
授業で習ったはずなのに、何から書き出せば良いのか全くわからない・・・。と、お悩みの中学生は多いはずです。
「短歌」と聞くと、なんだか決まりごとが多かったり、難しそうなイメージをもたれるかたも多いと思います。
私も学生時代、ことばで感情や風情などを表現する詩や短歌の宿題がとても苦手でした。
ですが、「短歌のつくり方」の型に当てはめてつくっていけば意外と簡単で、慣れれば15分もあれば短歌ひとつくらいはとりあえず完成させることが出来るようになるはずです。
ゲームのような感覚で、ことば遊びを楽しんでみてください。
短歌をつくるにあたってのルールやポイント、おすすめの短歌の作品集もご紹介していきますので是非参考にしてみてください。
冬休み短歌の宿題!そもそも「短歌」とは?
「短歌」とは、基本的には「五・七・五・七・七」の三十一音の形式で詠まれます。季節を表すことばの「季語」は必須ではありません。
一方「俳句」は、「五・七・五」の十七音の形式で詠まれ、「季語」は必須です。
「詩」には音の数に決まりはなく、つくっていく上では最も自由度の高い文芸作品といえます。
短歌には「季語」は必須ではないですが、もちろんつかってもOKです!季語をつかって短歌をつくると、季節感や情景など表現しやすいのでおすすめです。
テーマが思いつかない時は、とりあえず季語をつかって俳句をつくると良いと思います。
短歌作成のルールは?季語は?おすすめのテーマは?
短歌を作成する際に必ず意識しなくてはならない「五・七・五・七・七」の形式ですが、最後の一音くらいははみ出でも可とされています。反対に少なくなるのは1音でもNGです。
混乱しやすい小さい「っ」や「ゃ」の数え方ですが、小さい「っ」は一音と数え、「ゃ」「ゅ」「ょ」などは前の文字と合わせて一音と数えます。
少しややこしくかんじるかもしれませんが、数えながら口に出して読んでみると分かりやすいはずです。
冬の季語を例に出してみます。
- 冬の空(ふゆのそら)
- カーペット(かーぺっと)
- 除夜の鐘(じょやのかね)
これらは全て5音です。
文字だけで見ると分かりづらいですが、口に出して読んでみるとたしかに同じ音の数ですよね。
短歌の作り方は、実はたったの3ステップです。
- テーマを決める
- そこから思いつく限りの5文字と7文字のことばを書き出す
- でてきた言葉から気に入るものを選び、並べ替える
これだけです!
テーマは冬の季語から選んでも良いですし、冬休みの思い出や部活のことなど、自分がそこから「ことば」を連想しやすいテーマを設定するのがおすすめです。
ざっくりですが「冬」をテーマに設定したとして、そこから思いつく5文字と7文字のことばを書き出していきます。
5文字
- 冬の空
- 冬の朝
- 美しい
- オリオン座
- 十二月
7文字
- 降り積もる雪
- しんしんと降る
- 雪の結晶
- 凍てつく冬の
- 待ち侘びる春
→ ここから気に入る言葉を言い換えたり、入れ替えたりして「五・七・五・七・七」の形式に当てはめていきます。
例
凍てつく冬に
白い雪
美しくとも
待ち侘びる春
まだ冬が始まったばかりの12月の冬の寒さに、既に春が待ち遠しくなっているの私の気持ちををそのまま短歌にしました(笑)
これだけで短歌は完成です!
テーマを「冬」に設定したからといって、必ずしも文章のなかに「冬」という単語を入れる必要はありません。
ゲームのような感覚で5文字と7文字のことばをどんどん集めていきましょう。
まだ宿題の締め切りまでに余裕があれば、テーマは関係なしに普段から5文字と7文字のことばや短い文章で「良いな」と思うものはメモをとっておくと、短歌をつくる際に役立つはずです。
中学生学年別書き方ガイド!1年生の題材はどうする?
小学校から中学校にあがり、新しい生活がはじまった中学1年生。
冬休みの思い出や季語を使った短歌も良いですが、部活を頑張っている人は学生の今しか書けない部活についての短歌もおすすめです。
- “口数が一つ一つと減っていく吹奏楽部の大会前日”
- “ユニフォーム袖を通した瞬間に泥にまみれる覚悟も着てる”
どちらも部活に一生懸命取り組んでいる様子を上手に短歌で表現されています。
のように、伝えたい文章が「五・七・五・七・七」の形式に入りきらない場合は「五・七・五・八・八」になってしまってもOKです!
1音はみ出ていても文章が綺麗にまとめられていますね。
中学生学年別書き方ガイド!2年生の題材はどうする?
中学2年生くらいになると、異性を気にするようになり、クラスに好きな人がいたりする人も多いはずです。
少し照れくさいかもしれませんが、好きな人や恋の短歌も青春っぽさがでておすすめです。
【最優秀賞】
“返信のRe:の数に比例して君への想い増える気がして”【優秀賞】
“気付いたら目で追うようになっていた君のまわりがまぶしく見える”
自身のことばをつかってかかれているところや、感情がこめられているところが良いですね。恋の短歌は感情も込めやすく、文章も美しく感じます。
中学生学年別書き方ガイド!3年生の題材はどうする?
高校受験や入学を控えた中学3年生は、今までの中学校生活や部活での思い出をテーマにしても良いですし、将来について考えたり悩んだりすることもあるかと思います。
自分が今感じていることやありのままの気持ちをかいてみるのもおすすめです。
【 入選 】
- “去年まで軽く話せた夢なのに近づいてきた現実の壁”
- “将来の不安の闇から逃げたくてせめて部屋には明りを灯す”
中学生になって進路を考えるようになり、だんだんと夢が現実に近づき、自分の将来について真剣に考えている様子が伺えます。
中学生の今しかかけない、感情のこもった短歌です。
素晴らしい短歌を書くために読んでおきたい作品集
短歌の作品集などを読んでおくと、心に残る文章やことばのおもしろさに出会えたり、自分の中の世界観がより広がります。
素晴らしい短歌を書くために、まずは1冊でも短歌の作品集を読んでおくことがおすすめです。
最近の短歌の作品集は、難しいものばかりでなく読みやすいように工夫されてあるため、より親しみやすく、すらすらと読めるものもあります。
おすすめの短歌の作品集を3つ、厳選してご紹介します。
その1:つながる短歌100 人々が心を燃やして詠んだ三十一文字
千年を経て愛される和歌と近現代の短歌、比べながらどちらも楽しめる短歌集です。
恋や季節、歌枕、暮らしやいのちなど様々なテーマが盛り込まれており、イラストもあるので読みやすく、短歌をあまり読んだことのない人にも、短歌を読み始めるきっかけとしておすすめの一冊です。
つながる短歌100 人々が心を燃やして詠んだ三十一文字
その2:十代に贈りたい心の名短歌100
タイトルに「十代に贈りたい」とあるだけあって、大変読みやすく、教科書に載っているような短歌も多く紹介されています。
十代ではなく大人が読んでも心に響く名短歌が盛りだくさんです。
たった31音という短い文章の中に、これだけの思いや意味を込められるってすごいなあと改めて思います。
十代に贈りたい心の名短歌100
その3:短歌タイムカプセル
現代歌人115人の作品を各二十首厳選してあるボリューム満載のアンソロジーです。
現代短歌なので比較的読みやすく、性別や年齢も様々な作家さんの作品に触れることが出来るので、お気に入りの作家さんを見つけたい方にもおすすめです。
「もっとこの人の作品を読んでみたい!」と思えるような作家さんにきっと出会えるはずです。
短歌タイムカプセル
まとめ
- 冬休み短歌の宿題!そもそも「短歌」とは?
- 短歌作成のルールは?季語は?おすすめのテーマは?
- 中学生学年別書き方ガイド!1年生の題材はどうする?
- 中学生学年別書き方ガイド!2年生の題材はどうする?
- 中学生学年別書き方ガイド!3年生の題材はどうする?
- 素晴らしい短歌を書くために読んでおきたい作品集
- つながる短歌100 人々が心を燃やして詠んだ三十一文字
- 十代に贈りたい心の名短歌100
- 短歌タイムカプセル
「短歌」と聞くと、「着物を着た昔の人が詠んでいた難しいもの」というイメージを持たれているかたはとても多いです。
私自身も以前はそう思っていました。
昔の人がかいた「和歌」は一度読んだだけで理解するのは難しいですが、奥行きがあり「日本のことばって美しいな」と改めて感じます。
理解するのに時間がかかるため、「短歌は難しい」というイメージがついてしまうのだと思います。
ですが現代ではもっと分かりやすく、親しみやすい短歌も数多くあります。
短歌をつくるときも、無理をして難しい言葉を使う必要はなく、自分のことばで表現すると、より個性や感情のこもった素晴らしい短歌が出来上がるはずです。
この記事で紹介した短歌のつくり方や、短歌の作品集を参考にして、是非自分なりの短歌をつくってみてください。
以上、短歌作成のルールと中学生学年別書き方ガイド、おすすめの作品集のご紹介でした。
■こちらも読まれています。
・ 冬休みの詩の宿題!中学生学年別書き方ガイド!題材はどうする?
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