- 「自分が使っていた雛人形を子どもに引き継ぎたい」
- 「お下がりの雛人形ってよくないの?」
- 「他人の雛人形を譲り受ける場合はお祓いするべき?」
- 「雛人形のお下がりを譲ってくれるみたいだけど正直いらない」
可愛い我が子のために初節句はきちんとお祝いしてあげたいという想いをもつママなら、このような疑問をお持ちではありませんか?
雛人形のお下がりはよくないということを耳にして気になっているママは、あなた以外にもたくさんいらっしゃると思います。
この記事を読んでいただくことで、お下がりの雛人形に関する疑問が解消され気持ちよくお子様の初節句を迎えることができますよ。
この記事では雛人形のあれこれについて以下の8つのポイントを解説します。
- 雛人形のお下がりは厄がついている?
- 雛人形のお下がりは良いの?悪いの?
- とはいえ雛人形は高い!
- 雛人形を譲ってもらう場合はお祓いが必要?
- やっぱり買うことに。他人や姑にいらない意思の伝え方
- 初節句の雛人形の選び方は?
- 雛人形の飾る時期・しまう時期
- 覚えておきたい雛人形の片付け方・処分方法
お下がりの雛人形でよいのか悩んでいるという方はぜひこの記事を読んで、答えをだすためのヒントを得てみてはいかがでしょうか。
雛人形のお下がりは厄がついている?
もともと雛人形は、人間に降りかかる災厄を人形に引き受けてもらう「身代わり信仰」から始まったと言われています。
つまり、お下がりの雛人形を使うということは、前の持ち主の災厄を引き受けた雛人形を次の子どもが使うということです。
これは、他人の雛人形であっても姉や親のものであっても同じといえるでしょう。
可愛い我が子の初節句に既に災厄を引き受けた雛人形を飾ると思うと少し気が引けませんか?これが例え自分の雛人形だったとしてもお下がりの雛人形を使うことはあまり望ましくないように感じますよね。
では、実際には雛人形のお下がりを使うことはよいのでしょうか?
雛人形のお下がりは良いの?悪いの?
お下がりの雛人形を使うことはどちらかというと望ましくありません。
なぜなら、先ほど述べたようにお下がりの雛人形は前の持ち主の災厄を引き受けているからです。ひとりにひとつ用意してあげるほうがよいでしょう。
とはいえ、最近では年に一度しか飾らない雛人形を何個も用意するのはもったいないという考えの方が多いのではないでしょうか?
マンションであれば収納する場所や飾る場所も限られてしまい、ひとりにひとつ用意するということは厳しかったりもしますよね。
こういった理由から、雛人形のお下がりを使うひとも増えており賛否両論があります。
日本人が「もったいない」とものを大事にする気持ちはとても素敵です。
しかし、お下がりの雛人形は供養するなどしてしっかりお別れをし、お子さんにはその子専用の雛人形を用意してあげられるのがいちばんでしょう。
雛人形の価格、相場はいくら?
悩みに悩んでお下がりの雛人形とはお別れをしようと考えてはいるものの、「雛人形は高いのではないか」と新たな心配ごとを抱えていませんか?
雛人形は高い買い物です。そう簡単に購入を決断できるものではありませんよね。
ここでは、そんなみなさんの不安を解消すべく雛人形の相場をご紹介します。
雛人形のおおよその金額相場は3万~20万円ほどです。
確かに高い買い物ではありますが、いちばん安いものだと意外と手の届きそうな金額であることがわかります。
段飾り・・・9万~100万円
お内裏様とお雛様をはじめ三人官女や五人囃子などの人形を階段状に飾る雛人形です。
段飾りの雛人形は3段・5段・7段・8段タイプがあり、人形15体を1セットとして飾る7段飾りが一般的となっています。
私は、7段飾りの雛人形をもっています。見た目がとても豪華で、自分の身長よりはるかに大きい雛人形が飾られるのは毎年の楽しみでした。
親王飾り・・・3万円~20万円
雛人形 親王飾り【国産木材】
お内裏様とお雛様のみを並べたコンパクトサイズの雛人形で、飾る場所に困らないのが親王飾りです。
お内裏様とお雛様のみと思うと少し寂しい気もしますが、様々なデザインがあるので気になる方は華やかなデザインのものを選ぶとよいでしょう。
ケース飾り・・・3万円~12万円
ケース飾りは人形や道具がガラスやアクリル製のケースの中に固定されている雛人形です。
毎年飾り付けをする必要がなくそのまま出すだけなので誰でも簡単に飾れます。
雛人形はお手入れも手間がかかります。ケース飾りだとお手入れも簡単なため「面倒臭いから今年は雛人形を飾るのを諦めよう」となる心配がいりません。
収納飾り・・・8万円~20万円
飾り台となる箱の中に人形や道具を全て収納できてとても便利なのが収納飾りです。
親王飾り同様スペースをとらないため気軽に飾ることができます。
雛人形を譲ってもらう場合はお祓いが必要?
悩んだ結果、雛人形を譲ってもらうことにしたという方が気になるのは「譲ってもらった雛人形をお祓いするかどうか」です。これは、気にならなければ特別お祓いをする必要はありません。
人形を供養するのは、いらなくなって処分するときですよね。今回は、処分するわけではなくお下がりの雛人形を譲り受けるのです。処分するわけではない雛人形には特にお祓いをする必要はないでしょう。
それでも気になるときは神社やお寺でお祓いしてもらう方法があります。
ただし、神社やお寺でお祓いをお願いする場合は費用がかかってくるため、それぞれの神社やお寺へ直接確認してみましょう。
また、神社やお寺でお祓いしてもらうほかに自分でお祓いをする方法があります。
用意するものと手順は以下の通りです。
とても簡単にできるので、お祓いをしていないお下がりの雛人形は気になるという方は自分でお祓いをしてみることをおすすめします。感謝の気持ちを込めて行うことできっと今後もお子様の成長を見守ってくれるでしょう。
用意するもの
- 布
- 粗塩
やり方
- 布でよごれた人形をキレイに拭いてあげる
- 太陽光に当ててプラスの気で満たす
- 最後に感謝の気持ちを込めて粗塩をふりかける
やっぱり買うことに。お下がりをお断りする際の伝え方
このようなことを考慮した上で最終的に雛人形を購入すると決めたものの「お下がりの雛人形をあげる」という申し出がありお困りの方もいらっしゃると思います。
せっかくのご厚意を断るということは、気をつかってしまいますよね。では、どのように伝えればうまく断ることができるのでしょうか。
相手はよかれと思ってお下がりの雛人形を譲ろうとしてくれています。まずはその気持ちに感謝しましょう。あなたも自分のしたことがいきなり否定されてしまうとよい気はしませんよね。
きちんと感謝の気持ちを伝えたうえで、正直に新しい雛人形を買ってあげたいということを話しましょう。
これは、他人や姑など相手が誰であれ同じです。
相手に誠心誠意向き合うことで、きっと理解してもらえますよ。
初節句の雛人形の選び方は?
「さあ、雛人形を買おう!」と思ったところで、どこで買う?メーカーは?どんな雛人形?といった様々な疑問がでてきます。このような疑問を順に解決していきましょう。
購入場所
雛人形の専門店
雛人形の専門店は、「雛人形+お住まいの地域」で検索すればたくさんのお店が見つかります。
資料請求ができるほか楽天市場などネットでの販売をしている場合もあります。店頭でひと通り実物を見たあとにネットで買うこともできるのは便利でよいですよね。
さらに分からないことを専門の知識をもった人に相談することができるのは専門店で購入する祭の最大のメリットです。せっかくなら疑問に思うことは全て解消してから購入しましょう。
ネットショップ
一度にいろんなショップの雛人形を見比べることができ、支払いからお届けまでスムーズにできるのがネットショップです。
実際のサイズ感や色味、質感や雰囲気が思っていたのと違う可能性はありますが、口コミをしっかりチェックするなどして上手く活用できればとても便利な手段ですよね。
お店まで足を運ぶ時間がないという方にピッタリです。
メーカー
ふらここ
岩槻人形優良店会
こちらは人形の街として知られている埼玉県岩槻市で、よりよい人形を販売しようとするひとたちが集まってつくられた人形専門店の会です。
岩槻が雛人形で有名となった理由として、江戸時代初期に日光東照宮の造営に携わった京都の工匠が関係しているといえます。
桐の産地であった岩槻では、当時下駄などの桐細工が盛んで桐の粉が大量にでました。そのようなとき、京都の工匠が桐の粉と岩槻の水とでつくられた桐塑人形は丈夫で壊れにくく、土の人形よりもきめ細かく仕上がるということに気づき、1615年頃から雛の節句に向く調度品を作り始めたのです。
そのお陰で、江戸で雛市が立つ頃には、岩槻は関東一の雛人形の生産地となっていました。
長い伝統のある岩槻の雛人形を選んでみるのもよいですね。
選び方
雛人形を選ぶときは、まず飾る場所を決めましょう。
雛人形を飾る場所から購入したい雛人形のサイズを決定し、そのサイズの中からお手入れのしやすさ、仕舞いやすさやデザインを考えて選ぶ方法がおすすめです。そうすることで、面倒臭くて雛人形を飾るのを諦めようといったことを避けることができます。
雛人形の飾る時期・しまう時期
雛人形は、立春(2月4日頃)から2月中旬にかけて飾るのがよいと言われています。遅くとも、ひな祭りの一週間前までには飾り付けを済ませましょう。
節分の翌日に雛人形を飾ると覚えておけば忘れることはありません。
片付ける時期は、桃の節句(3月3日)が終わった後のなるべく早い時期がよいとされています。ひな祭りから約2週間を目安に片付けましょう。
少しでも早く飾り付けをし、年に一度しか飾れない雛人形を少しでも長く楽しみたいものですね。
ここで聞こえてきそうなのが、「雛人形を直し遅れると不幸になるの?」という声です。
確かに、雛人形を直し遅れると不幸になる、お嫁に行くのが遅くなるというような迷信があります。しかし、安心してください。雛人形を片付けるタイミングが理由で、不幸になることやお嫁にいけなくなるという事は決してありません。
実は、片付ける時期は特に決まりはなくあくまで目安です。根拠のないことなので気にする必要はないでしょう。
覚えておきたい雛人形の片付け方・処分方法
雛人形にとって天気が悪く湿度が高い日は大敵です。これは、雛人形に使われている生地が湿気に弱いためです。
よく晴れた湿気のない日に片付けることで雛人形への負担を減らしてあげましょう。
もし、天気の悪いジメジメした日にしまう場合は注意が必要です。雛人形に湿気を残したまましまうことで、カビやシミの原因となるからです。ただし今の時代、除湿機やエアコンで湿気は簡単に取れるので無理に天気を気にする必要はないでしょう。
また、雛人形は直接素手で触れず手袋を利用しましょう。雛人形の地肌に直接手で触れてしまうことで、黄ばんだり油汚れが付着して取れなくなったりと傷みの原因へとつながる可能性があります。
以上の2点を注意しながら雛人形を直す前に確認しておきたいのが
- 水気や水滴が付いていないか
- チリや砂クズが付いていないか
- ワタボコリなどが付いていないか
の3点です。
もし、雛人形に水滴がついていれば力をいれてこすらずにティッシュペーパーなどで優しく吸い取ってあげましょう。
チリや砂クズ、ワタボコリがあれば、羽根ハタキで優しくはたきます。このとき顔のホコリが気になるときは習字の筆でホコリを払ってください。
水滴やホコリを払う作業は優しく丁寧に行うことがポイントです。
その後、お半紙で優しく包んだら収納ケースに保管しましょう。このとき、羽根ハタキに虫がついていることもあるため人形とは別に保管してください。
とにかく雛人形は湿気が苦手です。雛人形の保管場所として風呂場やトイレなど水場の近くは避け、室内でかつ温度や湿度が一定なところに保管しましょう。
直射日光が当たらない北側の部屋や、湿気の少ない押し入れの上段がおすすめです。
最後に、人形用の防虫剤も忘れずに入れておきましょう。人形用防虫剤は、ナフタリン製剤、パラジクロルベンゼン製剤、樟脳製剤、ピレスロイド系の4種類があります。
人形や収納箱に、前の防虫剤の成分が残っていると化学変化を起こしてプラスチックを溶かしたり、金属を変色させたり、人形にシミがついたりすることがあります。
防虫剤に種類があるとは知らずなんとなく購入して使用している方が多いのではないでしょうか?注意しておかなければ、来年ふたを開けてガッカリなんてこともあり得ます。
そうならないためにも毎年同じ防虫剤を使用する、もしくは併用可能のピレスロイド系のものを使うようにしまよう。
また、防虫剤は入れすぎると人形に匂いがついてしまいます。防虫剤を入れる際は、人形や道具に直接触れないようにして、収納する箱のなるべく上の方へ入れるよう心がけましょう。
そして、子どもが無事に成長し雛人形の役目が終われば、しまっておくのではなく供養してあげるのがよいでしょう。成長を見守ってくれてありがとうという感謝の気持ちを込めてお別れしましょう。
雛人形を供養する方法として以下の3つの方法があります。
雛人形を供養する方法
神社やお寺
神社やお寺に依頼し供養・お焚き上げしてもらう方法です。しかし、神社やお寺によっては、供養のみで人形は持ち帰らなければいけない場合もあるためきちんと事前に確認しておきましょう
一般社団法人日本人形協会
一般社団法人日本人形協会の人形供養代行サービスは、毎年10月に行われる東京大神宮の「人形感謝祭」にてかわりに供養をしてくれるサービスです。
申し込み後は、梱包をするだけであとは郵便局が自宅まで取りに来てくれるというなんとも便利なサービスです。
自宅で供養
可燃ゴミや粗大ゴミとして処分する場合は、お住まいの自治体のHPできちんと分類を確認してから処分しましょう。
これまで見守ってくれた感謝の気持ちを込めて人形を丁寧に拭き、汚れを落とします。粗塩で清めたあと、白い紙で包みほかのゴミとは混ぜずに捨ててあげましょう。
自宅供養向けのキットを扱う神社もあり「自分で供養して捨てるのはなんだか気が引けるな」という方におすすめです。
まとめ
- 雛人形のお下がりは厄がついている?
- 雛人形のお下がりは良いの?悪いの?
- とはいえ雛人形は高い!
- 雛人形を譲ってもらう場合はお祓いが必要?
- やっぱり買うことに。他人や姑にいらない意思の伝え方
- 初節句の雛人形の選び方は?
- 雛人形の飾る時期・しまう時期
- 覚えておきたい雛人形の片付け方・処分方法
この記事を読んでいただくだけで、お下がりの雛人形を使うべきか、それとも新しい雛人形を買うべきかといった「お下がりの雛人形に関する悩み」を解決することができますよ。
もちろん読むだけでは何も変わりません。
もし、お下がりの雛人形をお祓いして使いたいと思ったのなら、どのような手段でお祓いをするのかということから考えてみましょう。
もし、お下がりの雛人形は供養して新しい雛人形を買いたいと思ったのなら、どうやって供養するのか、どんな雛人形を買うのかということから考えてみましょう。
少し行動するだけで、また違った考えが生まれるかもしれません。
大切なお子様の初節句が素敵な日となりますように・・・。
■こちらも読まれています