- 針供養の日程を知りたいけど、関東関西と日にちが違うって本当?
- 針供養で豆腐に針を刺すって聞いたけど、何の意味があるの?
- 京都の針供養の日程を知りたい。関西の有名なところへ針供養に行きたい。
針供養目的で神社仏閣へ訪れたいと思っている人はいつ、どこへ行ったらいいかお悩みではありませんか。
針供養について調べていくと、日程が二通りあることに気づきます。なんと関西と関東で、同じ針供養でも日にちが違うと言われています。
針供養は今まで使っていた針に対して行われます。折れたり、曲がったりして使えなくなった針を、ごみではなく感謝の気持ちを込めて供養するという「物にも魂が宿る」という考え方らかきています。
針が働いてくれた、という擬人化するとより一層針を身近な道具として認識できますよね。
この記事では3つのポイントをご紹介します。
- 針供養の由来と日程
- 針供養で豆腐を使う理由
- 関西の針供養で有名な神社仏閣
供養することは、日ごろの針への深い感謝のあらわれです。
針供養とは? 針供養の日程は?
針供養とは、使えなくなった縫い針を神社に納め、供養する行事のことです。
調べてみると針供養の由来は9世紀平安時代に中国から日本に伝わったという説があります。9世紀後半には日本に風習として存在していたことは間違いなさそうです。
針供養を行うようになった由来は、「事始め」「事納め」の考えからきています。
かつて日本では、2月8日と12月8日は「事八日(ことようか)」とされ、それぞれ2月8日は「事始め」、12月8日は「事納め」と呼ばれていました。この両日は「針仕事を休むべき」とされていたことから、針供養の日となったのです。
針供養は2月8日か12月8日に行われます。
- 東日本が2月8日
- 西日本が12月8日
であるケースが多いようです。
西日本でも2月8日に行う神社もあります。中には両日とも行う神社もあるようです。
針供養を行うようになった時代背景は、一般女性が針仕事を日常の仕事としていたことから、針は大切な道具であるとの認識が生まれたのです。そして使えなくなった針をそのまま捨てるのではなく、「今までありがとう」の感謝の気持ちを込めて供養していたのです。
針供養とは、使えなくなった針を神社に納め、感謝の気持ちを込めて供養する昔から続いている行事のことです。モノを大切にする心の表れが暖かいですね。
針供養のやり方は?豆腐を用意するのはなぜ?
針供養で豆腐を用意するのは、今まで硬い生地などを刺してきた針に、最後は柔らかいところで休んでいただきたいという気持ちの表れです。
柔らかいものとして、豆腐やこんにゃくが用いられています。
個人的に柔らかいお布団(豆腐、こんにゃく)でお休みする、というニュアンスで解釈しています。身の回りの道具に感謝する気持ちが込められているからです。
針供養は神社仏閣で行うのが一般的ですが、都合によりいけない時は自宅で行うこともできます。
初穂料やお布施は神社仏閣により様々ですが、500円から3,000円が相場のようです。金額が決まっているところと、お気持ちでというところがありますので、その場にあわせて納めるのが良いでしょう。
自宅で針供養をする場合は以下の通りです。
- お皿の上に豆腐をのせる
- 感謝の気持ちを込めて豆腐に針を刺していく
- 仏壇や神棚にあげて手を合わせる
- 針が刺さったままの豆腐を白い紙に包む
- 土に埋め、清めの塩をふる
①から⑤まですべて自宅で実施できればいいのですが、マンションだったりして土が身近にない場合もありますよね。そんな時は針を豆腐やこんにゃくなどの柔らかいものに刺し、供養し、その後はお住いの自治体のごみ処理方法に従ってください。
針供養を決まったやり方でやらなくてはいけないとはルールはありません。針供養は、針を使い終えたときの感謝の気持ちの表れです。
2022年の京都の供養日程は?
2022年の京都の針供養は2月8日に行われます。京都嵐山の虚空蔵法輪寺では、針をこんにゃくに刺して供養します。
地域によって日程が異なるのは、立春過ぎの「事八日」のとらえ方が影響しているようです。
事八日とは「コトノカミ」が一年を司る「年神」なのか、農耕を司る「田の神」と捉えるかによって開催時期が違うのです。
「年神」の場合、
- 門松、しめ縄、大掃除を始める12月8日が「事始め」
- お正月後、片付けも終わったら「事納め」
「田の神」の場合、
- 春に豊作を願い、他の準備をする2月8日が「事始め」
- 一年間たくさんの恵みをくださった神様に感謝する12月8日が「事納め」
針供養の起源は和歌山県の淡嶋神社とされ、現在でも針供養は淡嶋神社系列の神社、淡嶋神をまつる堂のある寺院を中心に行われています。
同じ針供養でも開催時期の捉え方ひとつで始まりと終わりが逆転するのも、面白い考え方ですよね。
関西の針供養で有名な神社仏閣5選
針供養で有名な神社を5つご紹介します。
虚空蔵法輪寺(京都府)
嵐山の自然の中に位置し、昔から裁縫・手芸など針仕事に携わる人が多く訪れ、針供養の日には日ごろの感謝やますますの上達を祈願しています。
虚空蔵菩薩が手芸、芸能の守護仏であることから、こんにゃくを祭壇に供え、長い糸のついた針を刺して供養します。
淡嶋神社(和歌山県)
全国にある淡島神社・粟島神社・淡路神社の総本社であり、医薬の神が祭られています。
女性にゆかりのあるいにしえの行事をそのままにしています。拝殿に所狭しと並ぶ人形からは幻想的な雰囲気を感じることができます。ここでは2月8日に針供養が行われます。
太平寺(大阪府)
太平寺は大阪メトロ谷町線の四天王寺前夕陽ヶ丘駅近くにあるので、アクセスがいいです。
お寺は建立から400年近く経つと推察されています。太平寺は十三参りのお寺としても有名で、境内にある北山不動明王、金加迦羅、世伊多加童市は大阪市指定有形文化財に指定されています。ここでは2月8日に針供養が行われます。
徳島眉山天神社(徳島県)
眉山の麓のアクセスのよい場所にあります。ここでは毎年2回、12月8日に「事納め」針供養と、2月8日に「事始め」針供養が行われています。
また、学問の神である菅原道真公を祀っていることから全国から多くの受験生が訪れます。阿波踊り会館が隣接しているので、参拝後眉山ロープ―ウェイで登って行ったらウォーターフロントの街、徳島が一望でき、観光も楽しめます。
淡島神社(福岡県)
ここでは医薬・裁縫の神様、少名比古那神(すくなひとなのかみ)が祀られています。
女性の幸福と家族の健やかな生活をご守護くださる淡島さまの御神徳を仰ぎ、全国から多くの参拝客が訪れます。2月8日には針供養が行われ、参拝者にぜんざいが無料で接待されます。
西日本の針供養で有名な神社をあげてみました。どこの神社仏閣も立派なたたずまいが素晴らしいです。
針供養ではなく、針歳暮もある?
針歳暮とは、針供養のときに送られる歳暮です。
針歳暮は、嫁の実家から嫁ぎ先に、大切な娘をかわいがってください、と実家の親からの切なる願いの表れの風習だからです。
針仕事がうまくなるように、嫁ぎ先になじめるようにとの由来があります。
富山県や石川県では、針歳暮(はりせんぼ、はりせいぼう)という風習があります。嫁が嫁いで初めての針供養に実家から嫁ぎ先へ針せんぼ餅という紅白の大福を送るのです。
針供養で役目を終えた針に、豆腐やこんにゃく同様、柔らかいところで休んでいただくために餅を贈るのです。
モノに神が宿る、モノに感謝する、という日本の考え方は奥ゆかしくて忘れずにいたい心ですよね。
末永く、との意味を込めての風習ですが、核家族化が進み、昔のようにお歳暮を贈る家庭も減ってきているようです。
針供養と針歳暮はどちらも大切に思っていたヒト、モノへの深い愛情の表れだと思います。今後も感謝の気持ちを忘れずにいたいですよね。
まとめ
道具としての針を供養する風習についてお話ししました。
- 針供養とは、使えなくなった縫い針を神社に納め、供養する行事のこと。 針供養の日程は2月8日と12月8日とある。
- 針供養は豆腐などの柔らかいものに針を刺し供養する。
- 2022年の京都の供養日程は、2月8日だが、各々の神社仏閣により決めているので、参拝に行く前に問い合わせるのがよい。
- 関西の針供養で有名な神社仏閣5選
- 一部の地域では針供養日程に合わせて針歳暮を贈るところもある。
道具としての針を供養することで、一層道具を大切にする気持ちが生まれますね。
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