福男選びのルールと目的は?歴代タイムは?福男は不幸になるって本当?

今年も寒くなってきて、どんどん年の終わりが近づいてきています。

年末年始といえば忘年会や大掃除、初詣、おせち料理など日本ならではの行事や風習がたくさんあります。皆さんは年末年始といえばどのような行事を思い出しますか?

関西では、有名な年初めの行事として西宮神社の福男選びがあります。

福男選びは最近ではテレビでも取り上げられているので、関西以外の方でも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?しかし、福男選びを知ってはいるものの福男選びが行われる目的や詳しいルールを明確に知っている方は少ないでしょう。

そこで今回は福男選びの目的やルール、歴史のあれこれについてご紹介します。

西宮神社の広報担当者様にも少しお話を伺うことができたので、「今年は福男選びに参加してみたい」、「今年こそ福男になりたい」という方必見です!

福男選びのルールと目的は?

福男選び正式名称「開門神事・福男選び」は兵庫県にある西宮神社で行われる神事で、毎年1月9日から11日までの3日間で行われる「十日えびす」という祭典の中で行われます。

赤門とよばれる表大門が開くと同時に参拝者たちが230m離れた本殿を目指して「走り参り」をし、その年の「福男」を決定します。最初に本殿へ到着した3名がその年の福男です。

古くから伝わるこの開門神事は、特別な目的があり行われてきたわけではありません。江戸時代頃から走り参りが自然発生的に起こり、昭和15年に一番参りの参拝者を称えたのが福男選びの始まりです。

私たち関西人にとって福男は人に幸せを与えてくれる存在です。何千人もの中から選び抜かれた強運の持ち主が身近にいるというだけで自分にも幸運が舞い込んできた気分になります。

福男に選ばれると、このような素晴らしい名誉のほか認定証・御神像・副賞・特別の半被を得ることができるのです。

こちらの記事をご覧いただいている方は、福男選びに1度は挑戦してみたい!と思われている方だと思います。しかし参加希望者全員が福男を目指せるわけではありません。

そこで、福男を目指すために知っておきたい福男選びの抽選ルールをご紹介します。

福男選びの抽選ルール

福男選びのスタート位置はAグループ・Bグループ・Cグループの3つのグループに分けられ、先着1500名の中から抽選くじで決定します。

抽選くじは108番まであります。下の表のように赤門前の石畳を横12列・縦9列のマス目に区切り、くじの番号のところに並びます。

赤門前

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36
37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48
49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72
73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84
85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96
97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108

Bグループ、Cグループに選ばれた方は、Aグループの108名が出発したあとに赤門前に並び、開門神事に参加することができます。

つまり福男を目指すにはここで108番までのAグループとなるくじを引かなければなりません。このことからも、福男となるには相当な運の強さが必要なことがわかります。

2022年の開門神事は、現在のところ例年通り行われるかは未定のようです。例年通り行われるならば、下記のスケジュールとなっております。

抽選会受付は、1月9日の午後4時頃から参加希望者が並び始めるようなので、福男を目指すのであれば極寒のなか長時間待機しなければならず防寒グッズが欠かせません。

開門神事スケジュール

  • 日時    :2022年1月10日 午前6時
  • 抽選会受付 :2022年1月9日 午後10時 円満寺駐車場
  • くじ引き時刻:2022年1月10日 午前0時 南門前

兵庫県の西宮神社のご利益は?

福男選びで有名な西宮神社ですが、皆さんは西宮神社がどのような神社かご存じですか?知らない方はこれを機にきちんと知ったうえで参拝へ訪れてみてはいかがでしょうか。

西宮神社は福の神として崇敬されている「えびす大神(蛭児大神)」をおまつりする全国のえびす神社の総本社です。

三連春日造という珍しい構造でできた西宮神社の本殿は、向かって右側から第一殿、真ん中が第二殿、左側が第三殿とされそれぞれに以下の神が祀られています。

  • 第一殿:えびす大神(蛭児大神)
  • 第二殿:天照大御神、大黒主大神
  • 大三殿:須佐之男大神

神戸の和田岬の沖で出現した御神像を西宮・鳴尾の漁師がお祀りしていましたが、西宮へお遷しし祀られたのが西宮のえびす大神の起源です。

えびす大神は漁業の神として信仰されていましたが、市の神そして商売繁盛の神としても信仰されるようになり、現在では商売繁盛を祈願する人々が全国から西宮神社へ集まります。

福男選びのスタート地点となっている赤門(表大門)は桃山建築の遺構を残し、室町時代に建造されたと推定される神社の境内をとり囲む大練塀とともに国の重要文化財に指定されています。

このような由緒と歴史に溢れた西宮神社で行われる「十日えびす」は阪神間で最大の祭典で、毎年百万人を超える参拝者が訪れます。下記に「十日えびす」の流れをまとめました。

十日えびすの流れ

1月8日 午前9時半・・・大鮪奉納

商売繁盛と大漁を願って神戸市東部水産物卸売協同組合などの3社が本マグロと大ダイ2尾を神前に奉納

1月9日 午後2時・・・有馬温泉 献湯式

有馬温泉の繁栄と旅館組合の商売繁盛を願って金泉を奉納

1月10日 午前4時・・・十日えびす大祭

午前0時に全ての門が閉められ午前4時からの大祭に備え神職が居籠もりする

1月10日 午前6時・・・開門神事福男選び

十日えびす大祭が終了すると午前6時に表大門が開かれる

このとき外で待っていた参拝者が本殿へ「走り参り」することを「開門神事」という

 

近年では十日えびすの3日間拝殿に飾られている本マグロに、商売繁盛や豊漁などを願って賽銭を貼り付けるという風習があります。毎年数万枚もの貨幣が貼り付けられる本マグロは、十日えびすの見どころのひとつです。

西宮神社は全国のえびす神社の総本社であることや、少し変わった風習や開門神事福男選びといった珍しい神事があることから人々の心をひきつけ人気となったのでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました