【冬季うつ・季節うつ】というのをご存知でしょうか?実は冬にだけ現れるうつ症状というのが存在します。
寒い季節になると気持ちが不安定になる・・・冬になるとなんだか気分が落ち込む・・・このような症状に心あたりはありませんか?
もしかしたらその症状、冬季うつかもしれません。
え!?私がうつ病!?
と、思うかもしれませんが、大丈夫です。治療方法や予防策があるので、参考にしてみてください。
冬季うつ・季節性うつとは?
はじめに、冬季うつ・季節性うつとはどんな症状なのでしょうか?
- 気分が落ち込む
- 集中力が落ちる
- 体がだるく、動くのが億劫
- 今までできていたことが、うまくできなくなる
- 甘いもの炭水化物がいつもに増してほしくなる
- 朝も起きられないくらい眠い
このような症状がみたれたら、冬季うつの可能性が高いです。
一般的なうつは食欲不振や不眠になることが多いのですが、冬季うつの特徴として過眠・過食・体重増加というのがあげられます。
冬季うつになるきっかけや背景は?
冬季うつの原因のひとつとして、日照時間の短縮があげられます。
人間の体は、光が不足するとセロトニン(※1)の分泌量が減少し、脳の活動が低下してしまいます。その為、やる気がなくなるなどの症状が現れるのです。また、メラトニン(※2)の分泌抑制も行えず、体内時計がリセットできない状態になります。
疲れやすい、食欲が抑えられない、睡眠リズムが整わないという症状が現れるのはこれが原因です。
※1 セロトニン・・・幸せホルモン。心と体のバランスを整える伝達物質。前向きな気持ちになれるのもセロトニンが分泌されるため。
※2 メラトニン・・・ダークホルモン。夜を伝達するホルモン。朝、目に光が入ると分泌が止まり、日中はほとんど分泌されない。その後、約15時間で再度分泌され、夜になると眠くなる。
発症年齢は20代前半からで、男性よりも女性の方が3倍から4倍多いとされています。
また、緯度の高い北国ほど増大します。赤道近くに住む人は発症することは少なく、赤道から離れるほど発症リスクは高まります。
高緯度にある北欧では冬季に極端に日照時間が短くなり、冬になると約1割の方が症状に悩まされています。
冬季うつ・季節うつの治療方法は?
冬季うつの疑いがある方は、精神科や心療内科を受診し、診断してもらいましょう。自己判断で「冬季うつかも・・・」と思っても正しく治療をしなければ治すことはできません。診断結果が出たら、専門医の力を借りて、回復に向けた治療をしていきましょう。
冬季うつは他のうつ病とは違い、日照不足が原因だと判明しているため、治療法が確立しています。
光照射療法
人工光を使用して、日照不足を補う方法です。
毎朝数時間、器械を使って太陽光に近い強さの光(2500~10000ルクス)の光をあびて日照時間、日照量を補言う方法です。
薬物療法
医師の診断のもと、抗うつ薬や安定薬など、その人の症状に合った薬を継続的に服用をし、症状の改善を促します。
秋頃から服用をはじめ、春には服用をやめるのが一般的です。
冬季うつ・季節性うつにかかった家族へのサポートは?
家族が冬季うつにかかっている場合、どのようにサポートすればよいのか戸惑うこともありますよね。サポートをするにあたって、自分たちも冬季うつについて理解をしておく必要があります。
過食行動は食べることで抑うつ感を和らげるための無意識の自衛行動、過眠は体内時計が乱れ、夜間熟睡出来ていないためにおこる症状です。
冬季うつの症状にも理由があることを理解しておきましょう。本人がどのようにサポートしてほしいのか具体的に話し合っておくことをおすすめします。
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