冬休みの定番の宿題といえば、読書感想文。
本を読むのが苦手なお子さんや読書感想文が苦手なお子さんも多いので、毎年『どのような本を選んだら良いの?』と悩んでしまうお父さん・お母さんも多いのではないでしょうか?
読書感想文は、算数や国語の宿題と違って答えがありません。
本の感想というオリジナルな文章を自分で考えなければなりません。
難しく感じる読書感想文ですが、実は選ぶ本と書き方の型さえ分かれば、簡単に書くことができます。
そこで今回は、読書感想文の書き方やおすすめの読書感想文向けの本を学年別に紹介します。
読書感想文の小学生高学年向けの書き方!枚数は?
読書感想文を書く場合は、規定の枚数を守って書くことが大切です。
『青少年読書感想文全国コンクール』では、以下のような字数(枚数)の規定があります。
- 小学校中学年の部(3,4年生):本文1,200字以内(原稿用紙3枚)
- 小学校高学年の部(5,6年生):本文1,200字以内(原稿用紙3枚)
原稿用紙は、20字×20字の400字詰めの原稿用紙が一般的です。
小学4,5,6年生ともに原稿用紙3枚書く必要があります。
読書感想文の小学校高学年向けの書き方!題名はどうする?
小学校高学年になってくると、読書感想文の題名も工夫しなければなりません。『(本のタイトル)を読んで』というような題名だと、少し寂しいです。
全然思い浮かばないよという人のために、題名の付け方のコツを紹介します。
本のタイトルから考える
読んだ本のタイトルを入れて、題名を付ける方法です。
<例>
- 『本のタイトル』との出会い
- 『本のタイトル』が私に教えてくれたこと
- 『本のタイトル』と私
本のタイトルを使って考える題名なら、簡単に付けることができます。
本のテーマから考える
読書感想文の題名を工夫したいのであれば、本のテーマを題名に使うという方法があります。
<例>
- 友達の大切さ
- 私の人生を変えてくれた人
- もし、”あの人”に出会わなかったら
- 自分らしく生きる
- 8月6日を繰り返さないために
本のテーマを題名にいれる場合は、本文で読んだ本について簡単な紹介を入れるようにしましょう。
本の内容が書かれていないと、読書感想文を読む人には伝わりにくいですからね。
本の感想から考える
本を読んで思った気持ちをそのまま題名にするのもいいですね。
<例>
- 私は『本のタイトル』に救われた
- 『本のタイトル』なんて嫌いだ
- 私の考えを180度変えた『本のタイトル』
感想を題名に付けると、読書感想文の書き出しもスムーズに書くことができますよね。
読書感想文の書き出しに題名を入れて、なぜそう思ったのかと理由を繋げてもいいですよね。
読書感想文の小学校高学年向けの書き方 書き出しはどうする?
読書感想文の書き出しで悩んでしまう方はすごく多いです。
難しく考えすぎると、読書感想文が書けなくなってしまいますので、シンプルに考えるようにしましょう。
読書感想文の書き出しは、
- 本の紹介
- その本を選んだ理由
この2点を書けば十分です。
書き出しの例:本の紹介
私は、「本のタイトル」という本を読みました。この本は、(本の内容を簡潔に書く)というお話です。
書き出しの例:その本を選んだ理由
- 本のタイトルが面白そうだったので、この本を読んで見ようと思いました。
- 自分の興味のある分野の本だったので、一度読んでみたいと思ったからです。
読書感想文の小学校高学年向けの書き方 本文・書き終わりはどうする?
読書感想文は、本文の構成を決めておくと書きやすくなります。
- 場面の紹介
- 理由
- 自分の考え
この順番で本文を書くとスムーズに書くことができます。
本を読んで思ったことや、心に残ったことを、思ったままの言葉で書きましょう。書き終わりは、読書感想文のまとめにあたる部分です。
本を読んで、
- 自分が思ったこと
- 今後の生活に活かせそうなこと
- 登場人物と自分の比較
など、お子さんが感じたことをそのまま書くと良いです。
例えば、
- 「本のタイトル」を読んで、相手の気持を考えることが大切だと学びました。
- 「本のタイトル」を読んで、自分なら登場人物のような行動はできなかったかもしれません。私なら、〇〇をしていたと思います。
など、本を読んでお子さんが感じた素直な気持ちを書くようにしましょう。
小学4年生におすすめの感想文向け書籍3選!
1:ちいちゃんのかげおくり

ちいちゃんのかげおくりの内容
「かげおくり」とは、影法師をじっと見つめて10数え、その後すぐに空を見上げると、空に影が映って見えるという遊びです。
ちいちゃんはおにいちゃん、おかあさん、おとうさんの4人でかげおくりをします。
翌日、おとうさんは戦争へと向かいました。
家族3人の暮らしが始まった夏に、ちいちゃんは空襲にあいます。
悲惨な戦争で失った、小さな命の物語です。
おすすめの理由
第二次世界大戦を題材にした家族の物語です。
小学4年生の子どもでも戦争に触れられる貴重な一冊です。
だんだん風化されていく戦時中のお話をつなぎとめてくれる本でもありますし、戦争について考えさせられるので、読書感想文にもおすすめです。
2:魔女の宅急便

魔女の宅急便の内容
主人公のキキは、魔女と人間の間に生まれた13歳の女の子です。
人間の女の子ではなく、魔女として生きていく選択をしたキキは、13歳になった日に魔女として一人前になるために生まれ育った町から旅立つことにしました。
魔女になることを決めた少女は、13歳の満月の夜に育った町を離れて、魔女がいない町に住んで修行をしなければならないという決まり事があるのです。
キキはみんなに見送られて迷うことなく空へと旅立ちました。
おすすめの理由
ジブリの作品でおなじみの魔女の宅急便の原作です。
テレビなどで、ジブリの魔女の宅急便を見たことのある子どもなら、続編も夢中になって読んでくれるのではないでしょうか。
読書が進みやすく、読書感想文も書きやすい本です。
3:電池が切れるまで

電池が切れるまでの内容
小学4年生の優樹菜ちゃんが残した、笑顔と「命」のメッセージ。
「だから私は命が疲れたというまでせいいっぱい生きよう」。
この詩を書いて4ヶ月後に亡くなったゆきちゃん、白血病を乗り越えて医師を目指すもりたくん。
病気になっても笑顔で生きた子どもたちの物語です。
おすすめの理由
小学生でも、同世代の中に大きな病に立ち向かっている子どももいます。
死や病気について考えることや、命の大切さについて考えさせられる本です。
読書感想文の題材としてもおすすめの本です。
小学5年生におすすめの感想文向け書籍3選!
1:チョコレート戦争

チョコレート戦争の内容
すずらん通りにある洋菓子店「金泉堂」は、東京のお菓子にも負けないくらいおいしいと、大人から子どもまで街中の人々に評判のお店でした。
ある日、お店のショーウィンドウが何者かに割られてしまいました。
いあわせた明と光一が犯人にされてしまいます。
光一がある作戦を思いつき、明に打ち明け、「金泉堂」に戦いを挑むお話です。
おすすめの理由
悪者っぽいケーキ屋さんにも、子どもたちにもそれぞれ言い分があり、読み進めるうちに考え方も変わってきます。
自分が明や光一の立場に立たされた時、どう行動するのかを読書感想文に取り入れてもいいですね。
2:ぐらぐらの歯

ぐらぐらの歯の内容
「ずっとまえ、わたしが小さかったとき、わたしよりもっと小さいいもうとがいました。」どのお話も、こんな風に始まります。
お姉さんの目から見た、おてんばでおちゃめな妹のお話10編が、ユーモラスに愛情を込めて語られます。
幼い子の気持ちにピッタリ寄り添って、日常のちょっとした出来事を生き生きと描くイギリスの幼年童話の傑作です。
おすすめの理由
小学生にとって、ぐらぐらするは歯はとても身近なテーマですよね。
自分で経験したり体験したことで、読書感想文もぐっと書きやすくなります。
3:ぼくらの七日間戦争

ぼくらの七日間戦争の内容
東京下町の中学1年2組の男子生徒が廃工場に立てこもり、子ども対大人の戦いが始まります。
女子生徒たちとの奇想天外な大作戦に、本当の誘拐事件で大人たちは大混乱。
息もつかせぬ大傑作コミカル・ミステリーです。
おすすめの理由
長く続く夏休みに、子どもたちが大人に反抗する爽快感は小学5年生の子どもなら共感できるストーリではないでしょうか。
男女ともに楽しく読み進められる本なので、読書感想文も書きやすい1冊です。
小学6年生におすすめの感想文向け書籍3選!
1:ハリーポッターの賢者の石

ハリーポッターと賢者の石の内容
意地悪な親せきの家の物置部屋に住む、やせた男の子、ハリー・ポッター。
おじとおば、いとこにいじめられ、誕生日なんて今までも、これからも、誰にも祝ってもらえない…はずだったが―。「ハリー、おまえは魔法使いだ」。11歳の誕生日の夜、見知らぬ大男がハリーを迎えにくる。
おすすめの理由
独特な世界観で人気の高いハリーポッターシリーズです。テレビなどで見たことのある子どもも多いのではないでしょうか。
小学6年生なら男女問わず、ゆっくりと読み進めることができます。
読書量も多く、読書感想文におすすめの1冊です。
2:宇宙への秘密の鍵

宇宙への秘密の鍵の内容
小学生のジョージは、ペットの豚を探すうちに、隣に住む不思議な科学者エリックと出会い、そこでスーパーコンピューター「コスモス」を紹介されます。
コスモスはなんと、宇宙空間への扉を開くことができる特別なコンピューターでした。
星の誕生や太陽系、ブラックホールなど、宇宙の起源や成り立ちについて学ばせてくれる本です。
おすすめの理由
冒険ものが好きな子どもはもちろん、宇宙など未知の世界が好きという子どもにおすすめです。
魅力あふれるキャラクターたちの冒険ストーリーに夢中で引き込まれるので、読書が苦手なお子さんも次々と読み勧めていくことができます。
3:ワンダー

ワンダーの内容
オーガスト・プルマンは普通の男の子。ただし、顔以外は。
生まれつき顔に障害があるオーガストは、初めて学校に通うことになりました。
ですが、生徒たちはオーガストの顔をみて悲鳴をあげ、ジロジロ眺め、やがて「病気がうつる」と避けるようになります。
一方で、オーガストの話を面白いと感じる同級生は少しずつ増えていきました。
そんなとき、夏のキャンプで事件が起こります。
すべての人に読んでほしい、心震える感動作です。
おすすめの理由
いじめを題材にした作品です。
主人公、家族、いじめる側の立場で、いろいろな視点から読むことができる本なので、読書感想文も書きやすくなっています。
いじめというデリケートな内容ですが、視野を広げる一冊です。
冬休みギリギリにならないために
読書感想文を後回しにして、冬休みが終わるギリギリになって終わらせたという経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
読書感想文は、冬休みの宿題のなかで最も時間がかかる宿題です。
感想文を書くためには、本を読まないといけませんので、本を読む時間を逆算して計画的に取り組んでいきましょう。
冬休みギリギリで焦ってしまわないように、最初に読書感想文を書くようにすれば、余裕を持って完成させることができます。
読書感想文コンクールに入賞するには?
読書感想文コンクールで入賞するためには4つのコツがあります。
- 募集要項を守ること。
- 文字数。
- 題名や文章に工夫がある。
- 独自の視点がある。
この4つのコツについて説明します。
募集要項を守ること
当たり前だと思われるかもしれませんが、意外と守られていないので注意しましょう。募集要項が守られていないと、そもそも審査の対象になりません。
読書感想文を書く前にしっかりと確認しておきましょう。
文字数
〇〇~〇〇字以内と指定されている文字数を守りましょう。
指定された文字数に対して、どのくらい書けばいいかというと、目一杯まで書くようにしましょう。
文字数を超えるとアウトですが、与えられた表現の場で、目一杯表現するのは、審査員へのアピールになります。
題名や文章に工夫がある
読書感想文の題名や書き出しなどの文章に工夫があると、読んでいる人の心をぐっとつかみます。
プラスして、書き出しがまとめにも生かされていると、読書感想文にまとまりが感じられるようになります。
独自の視点がある
オリジナリティがあることが大切です。
感想や主張の中で、個性を出すことができれば、審査員の目に止まりやすくなります。
まとめ
冬休み読書感想文の小学生高学年向けの書き方!学年別のおすすめの本のまとめ!
♦読書感想文の枚数
- 小学4,5,6年生ともに原稿用紙3枚(1,200字以内)
♦題名の書き方
- 題名を工夫すると、読書感想文の印象が変わる。
- 『本のタイトル』、『本のテーマ』、『本の感想』から考えると、題名を考えやすい。
♦書き出しはどうする?
- 本の紹介とその本を選んだ理由を書く。
♦本文・書き終わりはどうする?
本文は構成を決めておく。①場面の紹介、②理由、③自分の考えの順番で書くとスムーズに書ける。書き終わりは、本を読んで自分が思ったことや、今後の生活に活かせそうなことなどをまとめる。
♦小学4年生におすすめの書籍3選!
- 『ちいちゃんのかげおくり』
- 『魔女の宅急便』
- 『電池が切れるまで』
♦小学5年生におすすめの書籍3選!
- 『チョコレート戦争』
- 『ぐらぐらの歯』
- 『ぼくらの七日間戦争』
♦小学6年生におすすめの書籍3選!
- 『ハリーポッターと賢者の石』
- 『宇宙への秘密の鍵』
- 『ワンダー』
♦冬休みギリギリにならないために
読書感想文は、冬休みの宿題のなかで最も時間のかかる宿題。本を読む時間を逆算して、計画的に取り組むことが大事。冬休みはじめに取りかかれば、余裕を持って読書感想文を完成させることができる。
♦読書感想文コンクールで入賞するには?
- 『募集要項を守る』
- 『文字数』
- 『題名や文章を工夫する』
- 『独自の視点がある』
の4つのコツを実践すること。
本を読んで感想を書くことに苦手意識をもっているお子さんは多いです。難しいように感じますが、選ぶ本と書き方のコツさえ分かれば、簡単に書くことができます。
子どもが興味を持つ本を選んで、読書感想文を完成させましょう。
コメント