みなさんは「立志式」をご存知ですか?
- 立志式ってなに?何をするの?
- うちの学校はあるけど、お友達は知らなかった。どの中学校もやるのもじゃないの?
- 「誓いの言葉」ってどんなことを書いたらいいの?
- 親も参加できるの?
などいろいろな疑問をお持ちではないでしょうか。
特に中学生の子供さんがいるご家庭であれば、すごく気になりますよね。
私も、息子が中学生の頃はいろいろ心配しました。親が出しゃばりすぎるのは良くないとわかっていても、微妙な年ごろだし高校受験もあったりと、心配なことが多いんですよね。
この記事を最後までお読みいただき「立志式」を正しく理解することで、中学生の子供さんを持つ親御さんの不安が解消されるはずです。
今回は以下のポイントを、動画や実際に体験した方の話を交えながら解説します。
- 立志式とは何か、どのような行事なのか
- 立志式を行う地域どこか
- 立志式の具体的な流れ
- 誓の言葉の例文
- 親からの言葉の例文
身近な内容ばかりですので、読み終えるころには自信をもって立志式に望めるでしょう。
それでは早速ご紹介しますね。
立志式とは?いつやるもの?
立志式とは、一言でいうと「15歳(数え)を祝う行事」です。
そもそもの始まりは、江戸時代の成人式にあたる「元服」からきていると言われています。「元服」というのは、「元」は冠をかぶること、「服」は成人の服を着る、という意味で数えで15歳の立春に行われていました。
大人としての第一歩ですから、当時は髪型をかえたり、名前を改めることもあったようです。
戦後「元服」は廃止されましたが、自分自身を見つめ直し、大人の自覚を促すという意味合いが受け継がれ、現在では多くの中学校が2年生の2月に実施しています。
なぜ「15歳(数え)の春」に行うのでしょうか。
14~15歳は、大人でも子供でもない不安定な時期です。
私も経験がありますが、この頃は子供が何を考えているかわからなかったり、反抗することも多かったりと、親としては漠然な不安を感じる時期ですよね。
でも子供自信も葛藤しているのです。
自分は何がしたいのかわからない、将来の夢がないと悩んでいる子供も多いでしょう。
そんな時期だからこそ、まずは過去を振り返り、自分自信を見つめ、将来をイメージする、というきっかけとして、進路決定前の2年生の2月に行うのが良いのです。
なぜこの忙しい時に?という声もあるでしょう。
進路決定前でただでさえ気忙しい頃に行事が増えるわけですから、学校にとっても負担が増えるのも事実ですし、そんなことより高校受験のほうが大事よ、という親御さんもいらっしゃるかと思います。
しかし、揺れ動く年ごろに加え、昨今のコロナ事情であったり、決して明るい話題ばかりではない環境で生きる子供たちに「未来を描く」力を養ってほしいのです。
そのために、高校受験前に将来の夢や目標を書き出し、誓いをたてる立志式を行うことは、大いに意味があるといえるでしょう。
立志式を行う地域は?
立志式は、全ての中学校で行われているわけではありません。
現在立志式が行われている地域は、栃木県、愛媛県、宮崎県、熊本県、石川県ではほとんどの中学校で開催され、東京都も一部の中学校で実施しています。
愛媛県や熊本県では「自覚・立志・健康」を深く考える日として、40年以上前から大切な年間行事として実施しています。
また、子供自身のためばかりではなく、生徒、先生、保護者のコミュニケーションの場としての意味合いも開催理由の一つとしています。
実施していない県の多くは、事前の準備や事後の指導時間の確保に苦慮しているようです。先生方のご苦労を考えると、仕方ない一面もありますね。
立志式ではどのようなことを行うの?
さていよいよ、立志式ではどのようなことが行われるか、具体的な内容についてご紹介しましょう。
立志式当日は
- 開式のことば
- 生徒会長あいさつ
- 立志の誓い
- 生徒会企画
- 校長先生のお話
- 閉式のことば
という流れで、生徒の人数にもよりますが2時限程度で行う学校が一般的です。
学校側が、生徒・先生・保護者が一体となった実行委員会を設置し、学校によっては県の教育委員会もサポートしています。
年間行事として長年開催している中学校では、立志式を入学式・卒業式に準ずる大切な行事として位置づけています。その場合は、先生も保護者の方もワンピースやスーツなどの服装で参加しています。
ある中学校の一例がありますのでご覧ください。
誓いの言葉は、生徒の人数によっては全員ではなく数人に絞ったり、参加者は先生と生徒のみでアットホームに行っている学校もあるようです。
ある学校では、誓いの言葉の朗読のかわりに、火をともしたキャンドルに向かって誓いを述べ、火を吹き消すといったロマンティックな企画をしている中学校もあるんですよ。
それいいな!と思いました。きっと心に残りますよね。
個人的には、立志会の基本理念は尊重しながら、式の内容は今の時勢にあったアイデアで思い出に残る式にしても良いのではないかと思うのです。
保護者の意見も柔軟に取り入れてもらえると良いですね。
立志式を迎える中学生の誓いの言葉例文!
立志式において一番頭を悩ますので「誓いの言葉」の作文ではないでしょうか。
私も、今でこそこのような記事を書いていますが、子供の頃は作文が大の苦手で、母に泣きついた思い出があります。
今回は具体的に例文を3つご紹介します。
例文1
私の夢は声優になることです。この夢は小学校の頃から変わっていません。
でも今まではたぶん無理だろうとか、大変だろうなとか、理由をつけて努力することから逃げていました。
そんな私が考えた誓いの言葉は「悪戦苦闘」です。この言葉の意味は「死にもの狂いで努力する」という意味です。私は、何をやっても長続きしないという短所があるので、努力してやり続けるということが必要だと思います。
そして夢を実現するために「できたら」とか「思ってます」ではなく「やります!」「声優になります!」と自信をもって発言するようにします
子供らしい素直な表現で好感が持てますね。
この文章は、自分の短所と向き合い、そこを改善することが夢の実現につながるんだということに気づき、あらためて決心したという、まさに立志式の真意を汲んだ文章といえるでしょう。
例文2
そんな人間になるためには、相手の立場を思いやり、いろんな見方や考え方ができることが大切だと思います。私はそのために日々、回りをよく見て自分に何ができるかを考えて、人にやさしく接していきたいと思います
この文章の良いところは、まさに子供と大人のはざまにいる少女が、これからは自分の事ばかりではなく、他人との関わりという社会性や広い視野で語っていることです。
また「その時は本当にうれしく・・・」というように、自分の体験や気持ちを素直に表現するもの良いですね。
例文3
私は今まで勉強や部活でやってみたいと思ったことは挑戦したり、限られた時間を有効に活用したり、いろいろ努力をしてきました。
私は将来、事務の仕事をしたいと考えています。資料や物事を整理してまとめることが好きだからです。
将来の夢を実現させるためには「いろんな事にどんどん挑戦していく」ことだと思います。
例えば漢字検定や英語検定を受けたり、苦手な教科や単元を減らしたりすることです。
これからは今しかできないことを今挑戦し、自分自身を向上させることが出来るように頑張っていこうと思います
この文章も自分をよく見つめています。自分の欠点ばかりではなく自分の得意なことや強みをわかっていて、自己肯定感が現れています。自分を認めることは、生きていく上で大きな強みとなるでしょう。
また「いろんな事にどんどん挑戦していく」のは具体的に何をするかを明確に提示しているのも良いです。
3つの例をご紹介しましたが、「こう書かなければいけない」という決まりはありません。子供さんが本当に感じていることを素直に書けばいいんです。
「誓いの言葉」で語った夢が将来現実になったら、すばらしいことですよね!
イラストやデザインのお仕事をいただけるの、本当にしあわせ。14歳の立志式で、絵に携わりながら生きていきたいと壇上から表明した私に聞かせたらきっと大喜びする。 pic.twitter.com/iCmYWeWt3W
— 今野志保・shiho konno (@shi44ilo) March 24, 2020
立志式親からの手紙の例文!
「親からの手紙」も悩みますね。こちらも3パターンご紹介します。
例文1
この間チラッとプロになりたいみたいなこと言ってたけど、君の決心が本当ならお母さんは応援しますよ。1%の才能より99%の努力って言葉があるくらいだから、自分を信じて、あきらめずに頑張ってください。
子供の頃のエピソードを交え、語りかけるようなあたたかい文章ですね。
小さいころの話をいれることで、子供は親の愛情を感じるものです。最後には、夢の実現へ背中をおすための表現も入っていて思わず、がんばろう!と思いますよ。
例文2
将来何になりたいのって聞くと「そんなことまだわかんない!」っていつも言うよね。
それなら今のうちにいっぱい友達と遊んで、いっぱい勉強もして、失敗を恐れずになんにでもトライしてみて下さい。一生懸命やっていれば、そのうち自分のやりたいことがきっと見つかると思うよ。お母さんはいつでも貴方の味方です!
ざっくばらんな文章ですが、思いっきりエールを送っているのが伝わります。あまり長文でなくても愛情って伝わるものです。
例文3
〇〇へ 〇〇は子供のころから大人しくて引っ込み思案な子で、いつもお母さんの陰に隠れていましたね。小学生になってからも、お友達ができるだろうか、授業中も手があげられるだろうかって、ずっと心配していました。でもお友達はたくさんできたし、決して積極的ではないけれど、わからないことは先生に聞けているようだし、お母さんの取り越し苦労でしたね。
〇〇は人にきっぱりと言えない自分の性格が嫌いだといっていたけど、自己主張しないというのは、裏を返せば人の意見を聞き入れる優しさがあるということです。優しいからこそお友達も多いのだと思います。どうか自分の性格に自信を持ってください。そしてもっと自分の「いいところ探し」をして下さい。自分の良いところが見つかれば、他人の良いところも見つかるはずです。不満がたまって爆発しそうになったら、お母さんに愚痴りにきてください。待ってます。
普段、面と向かって子供さんをほめることって少なくないですか?
この機会に、文章の中でほめてあげませんか。あまり過度に褒めるのは逆効果かと思うのでさりげなく取り入れてあげましょう。「親に認められる」のはうれしいものです。
以上、3つの例文をご紹介しました。
親からの言葉こそ、ありのままで良いいんです。普段言えない気持ちをつたえる絶好のチャンスです。表現もあまり堅苦しくない方が心に響くでしょう。
子供さんだけでなく親御さんにとっても一緒の宝物になりますよ!
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まとめ
今回は、「立志式」のさまざまな疑問について解説しました。
◆立志式とは?いつやるもの?
- 立志式とは、一言でいうと「15歳(数え)を祝う行事」です。
- 中学2年生の2月に行う学校が多いです。
◆立志式を行う地域は?
栃木県、愛媛県、宮崎県、熊本県、石川県ではほとんどの中学校で開催され、東京都も一部の中学校で実施しています。
◆立志式ではどのようなことを行うの?
- 開式のことば
- 生徒会長あいさつ
- 立志の誓い
- 生徒会企画
- 校長先生のお話
- 閉式のことば
という流れで、生徒の人数にもよりますが2時限程度で行う学校が一般的です。
保護者の参加については学校によりますが、立志式を入学式・卒業式に準じている学校では参加を歓迎しています。
◆立志式を迎える中学生の誓いの言葉例文!
◆立志式親からの手紙の例文!
をそれぞれテイストの異なる3パターンをご紹介しました。
早速、この記事や例文を参考にしながら、子供さんと一緒に「立志式」の準備を始めましょう。きっと楽しい親子の時間がもてるはずですよ!
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