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冬休みの宿題の俳句の作り方と例!小学校1年生〜6年生向け

夏休みに比べると2週間ほどと短い冬休み。クリスマス、お正月とイベントごとも多く、「宿題をやる時間がない!」と本人よりも親のほうが心配になってしまいます。

小学生の宿題はどうしても親の協力が必要です。

環境づくりはもちろん「これあってる?」「どうやったらいいかわからない」など質問ややり方をたずねてくるのは子どもにとって必然の行動です。

漢字ドリルや計算問題は解き方を教えてあげられますが、「俳句」はどうでしょう?

「俳句ってどうやって作るの?」・・・難しい問題です。

”そもそも俳句とは?” ”季語ってなんだっけ?”と困っている親御さんも多いと思います。

この記事は小学生の子どもをもつ親御さんへ俳句の作り方と例、子どもへ教え方も一緒に紹介します。これを読めば、あっという間に俳句を作れるようになりますよ!

俳句とは?冬休みの宿題で出題される理由は?

俳句は「世界で一番短い定型詩」と言われています。

俳句と間違えられやすいのは短歌と川柳なので、二つと比べて俳句について紹介します。

俳句と短歌の違い

俳句も短歌も限られた文字数を使って、目の前の情景やそれを見て感じた喜怒哀楽などの感情を描写する定型詩です。

俳句と短歌の違いは、季語があるかないかと文字数です。俳句は季語が必須ですが、短歌はなくても構いません。

また俳句は『5・7・5』の17音で作られますが、短歌は『5・7・5・7・7』の31音で作られます。

俳句と川柳の違い

俳句と川柳はともに『5・7・5』の文字数で作られます。

川柳の特徴としては季語がなくても構わないこと、話し言葉の口語体で作られること、社会風刺などの内容で作られることです。

俳句は、季語は必須、規範文体に従った書き言葉、内容も自然を詠まれることが多いです。また、切れ字といって「や」「かな」「けり」といった句に切れを作ってリズム感を出したり、強い感動を表すといった約束事がありますが、川柳にはありません。

つまり俳句をつくるために守るルールとしては2つです。

  1. 『5・7・5』の17音でつくる
  2. 季語をいれる

この2つを守ることで、子どもから大人まですぐに作ることができます。

季語についてはあとで、紹介します。

具体的に有名な俳人、俳句を紹介します。

松尾芭蕉

奥の細道(俳句を詠みながら旅をした紀行文)で有名な松尾芭蕉です。「夏草や 兵どもが 夢の跡」や「古池や 蛙飛び込む 水の音」など一度は聞いたことがありますよね?

松尾芭蕉が詠んだ冬の句を紹介します。

「旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る」(たびにやんで ゆめはかれのを かけめぐる)

季語・・・枯野

 

「初しぐれ 猿も小蓑を ほしげなり」(はつしぐれ さるもこみのを ほしげなり)

季語・・・初しぐれ

小林一茶

「おらが春」などで有名な小林一茶です。小林一茶の作品は小さいものに対する優しさや、素直に感情に訴えてくるものが多いので子どもにも人気があります。

小林一茶が詠んだ冬の句を紹介します。

「うまさうな 雪がふうはり ふわりかな」(うまそうな ゆきがふうわり ふわりかな)

季語・・・雪

 

「うつくしや 年暮れきりし 夜の空」(うつくしや としくれきりし よるのそら)

季語・・・年暮

 

俳句には、語彙力や表現力が学べる要素がたくさんあります。思いや感情を短い文にこめる難しさや面白さ、知れば知るほど奥深い俳句の世界、感性豊かな小学生が取り組むにはとても良い学びになります。

松尾芭蕉も「俳句は三尺の童にさせよ。初心の句こそたのもしけれ」と子どもが俳句を詠むことを勧めています。

また年齢関係なく楽しめるので、宿題だから”真面目にやらなきゃ!”と思うのではなく、親子で楽しく取り組んでみると意外とすんなりできあがるかもしれませんね!

俳句のルールと小学生らしい冬の季語は?

前述しましたが、俳句のルールは2つです。

  1. 『5・7・5』の17音でつくる
  2. 季語をいれる

これを守れば、子どもでも大人でも簡単につくることができます。といっても、ぴんとこない・・・と思いますよね。

詳しく説明していきます。

①『5・7・5』の17音でつくる

これが俳句の基本的な形になります。ただ”17文字”ではなく”17音”のリズムでつくることがポイントです。

いくつか覚えておきたいことを実際の俳句とともにおさえておきましょう

促音「っ」

「名月を とってくれろと 泣く子かな」(小林一茶) 季語:名月

「とってくれろと」の「っ」は促音といいます。促音は1文字として数えるので7音となります。

同じように「そっと」や「やっと」「かっぱ」などは3音、「雪合戦(ゆきがっせん)」などは6音として数えます。

拗音「ゃ・ゅ・ょ」

「夏の蝶 日かげ日なたと 飛びにけり」(高浜虚子) 季語:夏の蝶

「夏の蝶(なつのちょう)」の「ちょ」などの2字のかなで表せる音は、1音で数えることとされています。

同じように「今日(きょう)」は3音、「教科書(きょうかしょ)」は5音で数えます。

長音「ー」

「スケートの ひもむすぶ間も はやりつつ」(山口誓子) 季語:スケート

「スケート」の「ー」は長音といいます。これは長音は1文字として数えるので、4音になります。

同じように「スキー」「コート」などは3音、「マフラー」「セーター」などは4音と数えます。

②季語をいれる

俳句は、季節を感じさせることができる季語をいれましょう。季語はひとつの俳句の中に、ひとつです。

季語は季節によって決まっているので、冬の季語を選んで俳句を作ります。

俳句の中には無季俳句という手法もありますが、季語を使うことで季節の移り変わりを感じたり、句を詠んだ人の気持ちや場面を想像しやすくなります。

17音という限られた文字数だからこそ、季語を使って自分の気持ちを表現してみましょう!

季語は春、夏、秋、冬、新年に分けられています。

俳句の季節は旧暦が元になっていて、今の私たちの生活より1ヶ月ずれているので注意しましょう。

  • 春:1月〜3月
  • 夏:4月〜6月
  • 秋:7月〜9月
  • 冬:10月〜12月

そのなかでも今回は冬休みの宿題におすすめする冬全体の季語、12月の季語、新年の季語を紹介します。

冬の季語(全体)

冬の日、冬の朝、冬の夜、冬の空、冬の月、冬の風、冬の水、冬景色、雪見、吹雪、雪、初雪、雪遊び、氷、冬椿、寒い、冷たい、凍る、炬燵(こたつ)、手袋、マフラー、枯れる、落ち葉、枯れ葉、熊(くま)、きつね、たぬき、うさぎ、雪うさぎ、オリオン、ちゃんちゃんこ、納豆、さざんか、たき火、つらら、みかん、大根、白菜、ネギ

昔はありませんでしたが最近では、アイスホッケー、スキー、スケート、セーター、ストーブ、コートなども冬の季語です。

12月の季語

十二月、クリスマス、師走、冬至、ゆず湯、北風、初雪、ボーナス、息白し、除夜の鐘、大晦日、年の暮れ、鰤(ぶり)、牡蠣(かき)、河豚(ふぐ)、ポインセチア、湯豆腐、おでん、日向ぼっこ

新年の季語

一月、新年、お正月、元旦、初春、お年玉、初夢、年賀状、こま、初日の出、初詣、書初(かきぞめ)、羽子板(はごいた)、お雑煮(ぞうに)、鏡もち、鏡開き、門松

 

そのほかにもこれは季語かな?と悩んだら、「歳時記」という季語の辞典があるので図書館などで調べてみてください。

子ども用もありAmazonでも購入可能です。

 

大人も読みたい こども歳時記

例文つき!小学校低学年向け(1年・2年生)冬の俳句

小学校低学年向けの俳句の作り方を紹介します。

俳句の作り方

リズムを覚える

小学校1年生、2年生の子どもたちにはまず難しいことは言わずに、リズムを教えてあげるとわかりやすいです。

タタタタタ(5音)・タタタタタタタ(7音)・タタタタタ(5音)

このリズムを繰り返し覚えて言葉を当てはめていきます。手拍子や有名な俳句などを声に出しながらやると身につきやすいです。

テーマ(対象)を決める

次に何について書くのかテーマ(対象)を決めます。テーマを決めるのが難しい場合は、季語から選んでみると思いつきやすいです。

「雪」や「お正月」「冬休み」などが1、2年生だとおすすめの季語です。

話し言葉で書く

テーマが決まったら、それに対して日記のように話し言葉で伝えたいことを書き出してみます。

一番伝えたいことが決まったらそれを「5・7・5」に当てはめてみましょう。はじめのうちは季語を最初の5音か、最後の5音にいれると作りやすいです。

小学生低学年:冬の俳句例文紹介

毎年行われている佛教大学小学生俳句大賞よりいくつか紹介します。

サンタさん みんなのおうち いけたかな(1年生)

季語:サンタ

ゆきがほら ちらちらりんと おちるそら(1年生)

季語:ゆき

ゆきだるま 丸くするのに 全しゅう中(2年生)

季語:ゆきだるま

しんしんと ゆきがふわふわ おちていく(2年生)

季語:ゆき

 

見たこと、感じたこと、実際やってみたことを子どもの感性で「5・7・5」に当てはめるだけで俳句はできあがります。

「ちらちらりん」や「ゆきがふわふわ」などの表現は子どもならではの発想で面白いですよね!

”この雪はどうみえる?” や ”どんな音がする?”と子どもと話しながら俳句を作ってみてはいかがでしょう?

例文つき!小学校中学年向け(3年・4年生)冬の俳句

基本的には低学年の作り方と一緒ですが、3年生、4年生は少しレベルアップしてみましょう。

例えを利用して俳句をつくる

「〇〇みたいだ」「〇〇のようだ」などとあるものを別のものに例えて考えてみます。

例えば、「花がおじぎをしているようだ」「絵具でかいたみたいな空」など何かに例えることで、一段と新鮮な俳句をつくることができます。

小学校中学年:冬の俳句例文紹介

同じく毎年行われている佛教大学小学生俳句大賞よりいくつか紹介します。

雪がふる ひらりひらりと おにごっこ(3年生)

季語:雪

リボンだよ 線をつなげば オリオン座(3年生)

季語:オリオン座

ストーブに みんな近づく 磁石みたい(4年生)

季語:ストーブ

初雪が ホタルのように 光る夜(4年生)

季語:初雪

 

「雪がおにごっこしているようにみえた」「雪の夜の明るさがホタルのようだ」など、このように何かに例えることで、作者の伝えたいことがより鮮明に伝わってきますよね。

ちなみにこれは国語の表現方法の比喩や擬人法と呼ばれますが、難しい話をしては子どもの創作意欲がなくなってしまうので、自由に作らせてみるのがいいですね。

例えを利用することで、こちらも子どもならではの発想と想像力で素敵な俳句ができるのでおすすめです!

例文つき!小学校高学年向け(5年・6年生)冬の俳句

5年生6年生は、記憶力がもっとも発達する時期といわれています。

例えば雪をテーマとする時に、過去に雪について体験したこと感じたこと思い出すことができます。それが楽しかったのか、寂しかったのか感情を足すことで俳句にこめた思いを伝えやすくなります。

自分の体験を文章にしよう

5、6年生では季語から連想するのではなく、まず冬の思い出といっしょに、その時視覚や聴覚など五感で感じたことを書き出します。

特別なことじゃなく冬休み行った旅行の思い出や初詣に行ったこと、大切な家族、友だちのことなど日常をテーマにどう感じたかいっぱい書き出して、そのなかで一番伝えたいことを俳句にしてみましょう。

倒置法を使ってみる

俳句の表現方法のひとつに倒置法があります。聞いたことがある人も多いと思いますが、実際俳句に使うとなると悩みますよね。

簡単に説明すると、文章の語順をあえて通常とは逆にして、印象を強める表現方法です。

「主語→目的語→述語」これを「主語→述語→目的語」に書き換えます。

あえて語順を逆にすることで、単調な文に変化がつきより魅力的になります。

(例)「私は 初雪を みました」を倒置法で言い換えると「私は みました 初雪を」となります。

小学校高学年:冬の俳句例文紹介

同じく毎年行われている佛教大学小学生俳句大賞よりいくつか紹介します。

初雪に くつのスタンプ うめつくす(6年生)

季語:初雪

初雪の 期待うらぎる 天気予ほう(6年生)

季語:初雪

ぱらぱらと 話しかけるよ 雪ぼくに(5年生)

季語:雪

 

最初の2つは「初雪に足跡をつける楽しい様子」や「初雪を待ち遠しくしている様子」など作者のその時の行動や感情が伝わってきます。

もう1つは倒置法をつかって雪が本当に話かけているかのような印象を強めています。

ほかにも、俳句では感動を表す言葉で、リズムの切れを生むことで前の言葉を印象づける「切れ字」という技法もあります。

切れ字を使った有名な俳句を紹介します。

「松島や ああ松島や 松島や」

季語:無季語

 

皆さんも一度は聞いたことあると思います。松島のあまりの美しさに感動しているという解釈の俳句です。

この「や」が切れ字で、大きな感動を表現しています。代表的な切れ字には「や」「かな」「けり」があり、話し言葉ではなくこのような技法を使うとさらに味わい深い俳句を作ることができます。

表現技法は使い方が難しく、倒置法もどんな文にも合うわけではないので、一度作ってみたら声に出して詠んでみてください。

詠んでみて違和感があれば無理に使用することはありません。また、本当に伝えたいことが言えているか考え、季語を変更したりすることも大切です。

一度作った俳句を練り直すことを”推敲(すいこう)”といい、質の高い俳句になります。

これは上級テクニックですので、小学生には少し難しいかもしれませんが、俳句を作る上で必要な知識なので覚えておいて損はないですよ!

俳句の宿題を親が手伝う際のポイントや声掛けは?

では実際に、俳句の宿題にどこまで親がサポートするのか?難しい問題です。

一緒に考えているとあれこれ口を出してしまいますし、放っておくとやらないし・・・。

俳句は計算問題と違って正解がないので、基本的には自由に子どもに取り組んでもらいたいものです。

宿題ですので、ある程度学校で知識を得て、俳句に取り組むのだと思いますが、題材がなくては俳句をつくるのは難しいことです。

俳句のルールを教える

まずは俳句の基本「5・7・5」の17音でつくることと、季語をいれることを教えてあげましょう。

季語を提案する

俳句には季語がかかせないので、冬の季語をなるべく多く提案してあげましょう。その中から子どもが選び、「5・7・5」に当てはめてみましょう。

季語をたくさん知ることで語彙力もアップします。

子どものなぜを利用する

例えば子どもが「雪」をテーマとしたとき、「雪はどうして冷たいの?」と考えます。

それに対して正しい答えをだすのではなく、「どうしてだと思う?」と聞いてみましょう。子どもは想像して答えをだします。

その答えを否定せず利用することで、子どもの個性あふれる俳句ができあがります。

  • 「雪はどんな音がしてる?」
  • 「雪はどんな味がするかな?」
  • 「雪はなんて言ってるのかな?」

と五感を刺激してあげると面白い答えが返ってくるかもしれませんね。

どうしても思いつかない場合は、他の人の作品を参考にしてみてください。

上記でも例文としてあげていた「佛教大学 小学生俳句大賞」では小学生1年生から6年生までの過去の受賞作もみることができます。

面白い視点のものや、なかには小学生とは思えない表現をしているものまであり、自分が俳句を作る上で参考になるのでおすすめです。

佛教大学小学生俳句大賞

第15回 佛教大学小学生俳句大賞 結果発表 - 佛教大学
第15回 佛教大学小学生俳句大賞の結果発表!北は北海道、南は沖縄までの日本全国の小学生のみなさんや、海外からもご応募いただきました。

まとめ

 

  • 冬休みの宿題の俳句の作り方を例文とともに紹介しました。
  • 俳句のルールは①「5・7・5」でつくる、②季語をいれることです。
  • 小学生から俳句に取り組むことで、語彙力や表現力の向上につながります。
  • 低学年は見たこと、感じたことをそのまま俳句にしてみましょう。
  • 中学年は例えを利用して俳句を作ってみましょう。
  • 高学年は表現技法にもチャレンジしてみましょう。
  • 親が手伝う場合は、子どもの想像力、表現力を引き出すような声かけを意識しましょう。

今回ご紹介した俳句の作り方を実践するだけで、冬休みの宿題は乗り切ることができます。難しいと頭で考えるより、普段の会話のなかからつくると案外すんなりできあがります。

ぜひ子どもが頑張って俳句をつくったときにはたくさん褒めてあげましょう。子どもが作った俳句は、その時、その子にしか見えなかった視点で作っています。

「良い句だね」と褒められると子どもは積極的に俳句に取り組むでしょう。

小学生から俳句を学ぶことは、語彙力向上はもちろん表現力、想像力が豊かになり、また四季や自然への関心が強くなります。

ぜひ宿題だけに終わらせず、趣味として続けてて子どもの感性を育てましょう。

学べば学ぶほど奥深い俳句の世界、ぜひ親子で取り組んでみてください!

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