いよいよ待ちに待った冬休み!
中学生や高校生の皆さんは定期テストを終えてほっと一息できるころでしょうか?
クリスマス、大晦日、お正月。中高生にもなると家族ととはもちろん、友達一緒に遊ぶ約束をしたり年末年始のイベントはわくわくして楽しみですよね。
宿題も早いところ終わらせたいものですが、案外手こずるのが俳句の宿題です。
”昔の言葉なんか知らない” ”ルールもわからない”と取り掛かる前から諦めていませんか?
俳句は昔からあるものですが、現代でもインターネットで応募できるほど慣れ親しむものになっています。
「冬休み 星空を見て ココア飲む」
こちらは「令和2年度一茶まつり全国小中学生俳句大会」の中学生の部で秀逸と選ばれた入賞作品です。
冬の寒さのなか星空をみながら温かいココアを飲んでいるほっこりした情景が思い浮かびますよね。
”これが俳句なの?”と思う人もいるかもしれませんが、難しい言葉を使わなくても立派な俳句ができるんです!
この記事では、
- そもそも俳句とは?有名な俳人を紹介!
- 俳句のルールや冬の季語について
- 中学生向け俳句のつくりかたのポイント
- 高校生向け俳句の作り方のポイント
- 受験向け!有名な俳句と解説
以上について紹介します。
俳句を学ぶことで語彙力アップにもつながりますし、テストで俳句の問題を解くコツを掴むこともできます!
この記事を読んで俳句の宿題の作成の参考にしてもらうのはもちろん、この機会に俳句への苦手意識をなくしましょう!
知れば知るほど奥深い俳句の世界・・・読み終わった頃にはあなたも一句詠みたくなること間違いなしです♪
俳句とは?冬休みの宿題で出題される理由は?
最近ではバラエティ番組でも俳句を目にすることが増えたので、俳句と言われたらなんとなくイメージできやすくなりましたね。
といっても俳句のルールは?と聞かれると難しい・・・。まずはそもそも俳句とはなにか詳しくみていきましょう。
俳句は「世界で一番短い定型詩」と言われています。
俳句と間違えられやすいのは短歌と川柳なので、二つと比べて俳句について紹介します。
俳句と短歌の違い
俳句も短歌も限られた文字数を使って、目の前の情景やそれを見て感じた喜怒哀楽などの感情を描写する定型詩です。
俳句と短歌の違いは、季語があるかないかと文字数です。
俳句は季語が必須ですが、短歌はなくても構いません。
また俳句は『5・7・5』の17音で作られますが、短歌は『5・7・5・7・7』の31」音で作られます。
俳句と川柳の違い
俳句と川柳はともに『5・7・5』の文字数で作られます。
川柳の特徴としては季語がなくても構わないこと、話し言葉の口語体で作られること、社会風刺などの内容で作られることです。
俳句は、季語は必須、規範文体に従った書き言葉、内容も自然を詠まれることが多いです。また、切れ字といって「や」「かな」「けり」といった句に切れを作ってリズム感を出したり、強い感動を表すといった約束事がありますが、川柳にはありません。
つまり俳句をつくるために守るルールとしては2つです。
- 『5・7・5』の17音でつくる
- 季語をいれる
この2つを守ることで、子どもから大人まですぐに作ることができます。
季語についてはあとで、紹介します。
具体的に有名な俳人、俳句を紹介します。
松尾芭蕉
奥の細道(俳句を詠みながら旅をした紀行文)で有名な松尾芭蕉です。「夏草や 兵どもが 夢の跡」や「古池や 蛙飛び込む 水の音」など一度は国語の授業聞いたことがあります よね?
松尾芭蕉が詠んだ冬の句を紹介します。
「旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る」(たびにやんで ゆめはかれのを かけめぐる)
季語・・・枯野
「初しぐれ 猿も小蓑を ほしげなり」(はつしぐれ さるもこみのを ほしげなり)
季語・・・初しぐれ
小林一茶
「おらが春」などで有名な小林一茶です。小林一茶の作品は小さいものに対する優しさや、素直に感情に訴えてくるものが多いので子どもにも人気があります。
小林一茶が詠んだ冬の句を紹介します。
「うまさうな 雪がふうはり ふわりかな」(うまそうな ゆきがふうわり ふわりかな)
季語・・・雪
「うつくしや 年暮れきりし 夜の空」(うつくしや としくれきりし よるのそら)
季語・・・年暮
冬は俳句のネタになるものがたくさんあります。クリスマスやお正月などのイベントはもちろん、雪や寒さなど自然、マフラーやストーブの身近なものまで俳句のネタになります。
普段何気なく過ごす日常に注目すると、新しい発見ができて面白い俳句になります。ネタが豊富にある冬休みに俳句の宿題は取り組みやすいですね。
俳句の宿題が中学生・高校生の冬休みで出題される意図は?
俳句を中学生、高校生が学ぶことで得られる知識や要素がいくつかあるので紹介します!
日本の文化を知ることができる
俳句は日本の伝統文化のひとつですが、実は”俳句”は明治時代に正岡子規が初めて唱えた言葉です。それまでは”俳諧”や”発句”と呼ばれていました。
俳句はもともと室町時代の連歌(れんが)から派生したのがはじまりです。
連歌とは上の句を「5・7・5」を詠むと、別の人が下の句を「7・7」を詠むという言葉遊びです。
連歌はルールが複雑で位の高いの人や戦前の武将が行うことが多かったようです。本能寺の変で知られる明智光秀も戦前に連歌をよんで神社に奉納するという験担ぎをしていたようです。
その後、連歌の上の句「5・7・5」だけを詠むという”俳諧の発句”が庶民の間に広まります。”俳諧”というのが”俳諧連歌”の略です。
江戸時代に「俳句の祖」と呼ばれる松尾芭蕉が再び雅な世界観と日常を取り込む”俳諧”をつくり、小林一茶、与謝野蕪村などが歴史をつなぎ、現代の俳句へとつながっていきます。
語彙力、表現力アップ
俳句は17音と限られた文字数で伝えたいことを表すため、どの言葉が自分の気持ちによりあっているか探し、意味も調べるため語彙力がアップします。
また俳句は季語をつかうため、対象をよく観察しどんな表現であらわしたらいいのか考えるきっかけにもなるため表現力や感受性もアップします。
思いや感情を短い文にこめるのは、メールやLINE、TwitterなどSNSなどでも必要なテクニックですよね。
俳句を学ぶことで友達とのやりとりもだらっと長く書くより短くぱっと内容を伝えたいですし、SNSでの一文もワンランク上の投稿をすることができますよ!
幅広い世代と交流ができる
俳句は「5・7・5」や季語を使うなどルールを守れば、小学生から大人まで年齢を問わず誰でもつくることができます。特別な道具をそろえる必要もないですし、親子でもおじいちゃんやおばあちゃんとでも一緒に取り組むことができます。
お正月におじいちゃんおばあちゃんの家に遊びにいったり一緒に過ごす人も多いと思います。こたつであたたまりながら一緒に俳句をつくってみてはどうでしょう?
つくる人によって同じ季語でも全く違う俳句ができるので、お互いの句をよんで楽しみましょう!
世界に広がる俳句
現在俳句は「HAIKU」として英語でもよまれています。英語では「5・7・5」のルールが難しかったりや日本のような四季がない国もあるので季語も使われない場合もありますが、”自由な短い詩”として好まれているようです。
SNSで世界と繋がることができる現在、今後は俳句を通して日本だけではなく世界の人と友だちになるのも夢ではないですね!
英語俳句に興味を持ったかたは動画を載せておくので参考にしてください。
俳句のルールと中学生・高校生らしい冬の季語は?
では実際に俳句をつくるためにルールを確認しましょう。
- 『5・7・5』の17音でつくる
- 季語をいれる
これを守れば、子どもでも大人でも簡単につくることができます。といっても、ぴんとこない・・・と思いますよね。
詳しく説明していきます。
①『5・7・5』の17音でつくる
これが俳句の基本的な形になります。
ただ”17文字”ではなく”17音”のリズムでつくることがポイントです。
いくつか覚えておきたいことを実際の俳句とともにおさえておきましょう。
促音「っ」
「名月を とってくれろと 泣く子かな」(小林一茶)季語:名月
「とってくれろと」の「っ」は促音といいます。促音は1文字として数えるので7音となります。
同じように「そっと」や「やっと」「かっぱ」などは3音、「雪合戦(ゆきがっせん)」などは6音として数えます。
拗音「ゃ・ゅ・ょ」
「夏の蝶 日かげ日なたと 飛びにけり」(高浜虚子)季語:夏の蝶
「夏の蝶(なつのちょう)」の「ちょ」などの2字のかなで表せる音は、1音で数えることとされています。
同じように「今日(きょう)」は3音、「教科書(きょうかしょ)」は5音で数えます。
長音「ー」
「スケートの ひもむすぶ間も はやりつつ」(山口誓子)季語:スケート
「スケート」の「ー」は長音といいます。これは長音は1文字として数えるので、4音になります。
同じように「スキー」「コート」などは3音、「マフラー」「セーター」などは4音と数えます。
②季語をいれる
俳句は、季節を感じさせることができる季語をいれましょう。基本的に季語はひとつの俳句の中に、ひとつです。
季語は季節によって決まっているので、冬の季語を選んで俳句を作ります。
俳句の中には無季俳句という手法もありますが、季語を使ったほうが季節の移り変わりを感じたり、句を詠んだ人の気持ちや場面を想像しやすくなります。
17音という限られた文字数だからこそ、季語を使って自分の気持ちを表現してみましょう!
季語は春、夏、秋、冬、新年に分けられています。
俳句の季節は旧暦が元になっていて、今の私たちの生活より1ヶ月ずれているので注意しましょう。
- 春:1月〜3月
- 夏:4月〜6月
- 秋:7月〜9月
- 冬:10月〜12月
そのなかでも今回は冬休みの宿題におすすめの冬の季語と新年の季語を時候や暮らしなどテーマ別に紹介します。
冬の季語
- 時候:冬、十一月、十二月、初冬、冬来たる、師走、大晦日、除夜の鐘、年越し蕎麦、冬ざれ、冬景色、枯野、冬の原、冬田、小春、小春日和、冬至、冬至南瓜、柚子風呂、年の暮、年の瀬、年末、大寒、寒中見舞、春近し、春待つ、冬の空、冬の果、短日、暮れ早し、冬の夜、寒き夜、冬の夜、オリオン、シリウス、冬の月、寒し、寒気、霜焼け、冷たい、しばれる、かじかむ、霜、冬の雨、木枯、北風、冬の風、冬晴、雪晴、冬の日、寒晴、あられ、雪あられ、雪、雪の花、初雪、新雪、大雪、雪明かり、雪原、雪の原、雪景色、吹雪、氷、凍る、つらら
- 暮らし:冬休み、冬ごもる、隙間風、息白し、焚き火、年忘れ、忘年会、風邪、風邪薬、インフルエンザ、マスク、咳、鼻水、くしゃみ、セーター、カーディガン、冬服、オーバー、コート、マント、ジャンパー、布団、毛布、ちゃんちゃんこ、暖房、こたつ、ストーブ、ヒーター、床暖房、炭、湯豆腐、雑炊、おじや、縄跳、竹馬、押しくら饅頭、かいろ、湯たんぽ、マフラー、手袋、ブーツ、焼き芋、鯛焼き、おでん、寄せ鍋、鍋奉行、餅、ボーナス、スキー、ゲレンデ、スノーボード、スケート、ラグビー、雪合戦、雪遊び、雪だるま、雪うさぎ、雪見
- 行事:七五三、酉の市、クリスマス、聖夜、クリスマスツリー、クリスマスイブ、サンタクロース
- 動物:うさぎ、くま、きつね、冬眠、炬燵猫、水鳥、鴨、鷹、鶴、鰤、河豚、あんこう、牡蠣、雪虫
- 植物:山茶花、枇杷の花、落ち葉、水仙、雪中花、ねぎ、大根、ポインセチア、みかん
新年の季語
- 時候:新年、初年、年初め、年来たる、初春、新春、迎春、正月、一月、睦月、寝正月、元日、元旦、去年今年(こぞことし)、旧年、松の内、三が日、小正月、花正月、なまはげ、かまくら、初日、初日の出、初空、初富士
- 暮らし:門松、松飾り、しめ飾り、鏡餅、屠蘇(とそ)、雑煮、初夢、書初、筆始、破魔矢(はまや)、獅子舞、猿回し、春着、年賀、年賀状、初メール、年玉、初笑、初売り、福袋、日記初、新年会、かるた、すごろく、たこあげ、羽子板、手毬、
- 行事:初詣、初神楽、七種(ななくさ)、七草粥、成人の日、箱根駅伝
- 動物:初雀、伊勢海老
- 植物:福寿草
私たちの生活は日々進化しているのでその時代にあった新しい季語も増えています。
そのほかにもこれは季語かな?と悩んだら、「歳時記」という季語の辞典があるので図書館などで調べてみてください。
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