皆さんは箱根の仙石原（せんごくばら）をご存じでしょうか？黄金色に輝くススキ草原や仙石原湿原が有名な高原リゾート地です。
そんな仙石原の毎年３月27日（仙石原 諏訪神社）・５月５日（仙石原 公時神社）の両日に行われるのが「湯立獅子舞（ゆたてししまい）」です。
この行事は、獅子が湯立神楽（ゆたちかぐら）を舞うという、全国でも箱根と御殿場市の沼田でしか行われていない希少価値の高い伝承芸能です。
今回はそんな「湯立獅子舞（ゆたてししまい）」についてご紹介していきたいと思います。お祭りの概要や日程について、また湯立獅子舞と獅子舞の違いについてなども調べてみました。
湯立獅子舞を見た後に仙石原も楽しめるように仙石原の見どころなどもまとめたのでご参考にしてください。
箱根屈指のリゾート地である仙石原のおすすめリゾートもご紹介します。
少し贅沢をしたい人にはぴったりの宿を見つけてきましたので、仙石原でゆっくりしたいとお考えの方はこの機会に「湯立獅子舞」と一緒に観光してみて下さい。
仙石原湯立獅子舞2022！
勇ましく、ときに細やかな舞と一年間無病息災でいられるといわれる湯掛けの儀式。
湯立獅子舞とは？
一言で言うならば、神楽の一種である「湯立」を獅子舞が舞うという伝統行事です。
「湯立 （ゆだて）」とは神前に大きな 釜 を据えて 湯 を沸かし巫女 が持っている 笹 ・ 幣串 をこれに浸した後、自身や周囲に振りかける 儀式 のことです。
神様へ備える神楽の一種として知られています。
主に天災や病気を防ぐ悪疫退散、五穀豊穣を祈る大切な行事として、地域の人々と密接に結び付いてきました。獅子の放つ湯花を浴びると、その年は無病息災でいられるといいます。
湯立獅子舞は、毎年３月27日に諏訪神社・５月５日に公時神社で行われます。
去年はコロナ禍でも規模を縮小しての開催となりました。また一般の観覧は行いませんでした。
今年も１２月現在予定では開催するそうです。しかし一般公開がされるかどうかは、まだ未定です。
参加ご希望の方は、HPをご確認下さい。
湯立獅子舞について 公式HP
仙石原諏訪神社
開催日時：2022年3月27日
開催場所：箱根仙石原 諏訪神社 〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原81
仙石原公時神社
開催日時：2022年5月5日
開催場所：箱根仙石原 公時神社 〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1188
正月の獅子舞と仙石原の獅子舞の違いは？
日本の獅子舞は、日本で最も数が多い民俗芸能と言われています。
その中でも、お正月に行われる獅子舞は疫病や飢餓などを追い払ってくれる縁起の良いものとして一年の最初である正月に催されるようになりました。
子供の時は、獅子舞の怖い顔と縁起物というワードは中々結びつきませんでしたが、獅子舞の獅子はライオンのことを指します。
古くからインドでは力の強いライオンは聖なる力を持つと考えられ、霊獣としてあがめられていました。獅子（ライオン）に疫病を払ってもらうと考えたら、正月の縁起物に数えられても不思議はありませんね。
さらに、「獅子舞に頭を噛んでもらうとその一年健康に過ごせる！」という言い伝えがあり、よく小さい子供が頭を噛まれて泣いている姿を目にしますよね。
大きくなってからは積極的に噛まれに行っていると思います！縁起物ですからね。
そんなお正月に行われる「獅子舞」と「湯立獅子舞」の違いですが、「湯立獅子舞」は、「湯立」と呼ばれる神事を巫女の代わりに獅子が行い、さらなる厄除けを期待する神楽の一種です。
お正月に行われる獅子舞とは、神様に捧げる。という点で違いがあります。
神事の一種である「湯立」も神聖なものですが、この行事に参加する人は１週間ほど前から一切の不浄を経って練習を積み重ね、前日には全員が社殿に籠もり何度も水垢離（みずごり）を取って身を清めて行事に臨むそうです。
水垢離（みずごり）とは、冷水を浴びて身を清め神仏の前に清浄な身となることです。禊の一種ですね。
それほどまでに心身ともに清められた状態で行わなければならないため、獅子舞の一種ではありますがどちらかというと神楽神事の一種という考えの方が強いそうです。
神楽独特の艶やかさと、獅子舞の力強い舞が一つになった「湯立獅子舞」は全国でも希少価値の高い行事とされています。
仙石原獅子舞のみどころ3選
湯立獅子舞は7つの舞で構成されています。宮舞・平舞・剣の舞・行の舞・宮めぐりの舞・釜めくりの舞・四方固めの舞の７舞で、所要時間は約２時間にわたります。
剣の舞
剣を持ち獅子舞が剣の舞を舞う姿は圧巻の一言に尽きます。
赤い頭の獅子は右手で鈴を鳴らし、左手で抜き身の剣を振りかざし舞を舞います。剣の舞は、悪魔を追い払うとされるています。
宮めぐりの舞
この宮めぐりの舞は、関係者以外はその一切が非公開で、関係者以外は見ることを許されません。
「幕の舞」の次に幣の舞で、「大平楽」という歌を歌います。最後に獅子と氏子の三人で、剣を鞘ごと抜いて左手に持ち、鈴を右手に持って拝む姿勢をとります。その後、言い伝えられた秘伝の「湯ざましの呪文」を一心に唱え塩振りをしながら呪文を唱え聖地を潔めます。
私はここが一番厳かな雰囲気が出ていると感じました。見えないからこそ気持ちが引き締まる、と言った印象です。
釜めぐりの舞
煮えたぎる釜の回りを巡りながら舞う「釜めぐりの舞」で、獅子が熱い釜の湯を熊笹の束でかき回し、神に献じ、参拝客に湯花を振りかけて悪疫を払います。この湯花がかかると、1年間健康でいられるといわれています。
いわば一番の見せ場と言えるでしょう。この湯花を浴びるために行事に参加する方も少なくありません。
２時間にも及ぶ神事には見どころが沢山あります。それに、神事を行う目的も現代人の心の支えとなる部分があると改めて感じました。
こんな記事も見つけましたので、ぜひご覧ください。
疫病と闘う湯立獅子舞 箱根町教委が報告書 [新型コロナウイルス]：朝日新聞デジタル https://t.co/8HnyNjEqNa
— い (@1O2Zeqi6vXRX09g) June 21, 2021
仙石原とはどんな場所？
国の重要文化財も数多く存在する箱根屈指のリゾート地です。
大涌谷（おおわくだに）
大涌谷は、神奈川県が誇る観光地です。箱根火山でいまなお噴火がある火山活動の様子をまじかに見ることが出来ます。
名物の「黒玉子」を食べながら景色を堪能しましょう。
仙石原湿原（せんごくはらしつげん）
仙石原湿原は、神奈川県に残る唯一の湿原で、広さ約１７ヘクタール。
その一部は国の天然記念物にも指定されている貴重な湿原です。
仙石原すすき草原（せんごくはらすすきそうげん）
仙石原のススキの名所「すすき草原」名所で、毎年大勢の観光客が訪れるススキの名所スポットです。斜面を覆い尽くす様に、数えきれないほどのススキが一面に広がります。
すすきをかき分けるように一本道があり、往復するだけですが、壮大な景色を堪能することが出来ます。
初春に行われるすすき草原の山焼きでは、大きな炎が焼き尽くす迫力ある様子が楽しめます。
ユーチューブでススキ草原の動画を見つけましたのでご覧ください。
Twitterでも多くの人がススキ草原を写真におさめています。どの時期に言っても違った景色が見えます。
会場周辺に駐車場やトイレはあるの？
箱根仙石原 アクセス方法は？
箱根登山バス 「桃源台行」で２５分、仙石案内所前（小田急高速バス御殿場駅方面）に乗り換えて２分、「金時神社入口」下車、徒歩７分。
公時公園の中に、駐車場やトイレもあるようです。
金時公園の中には、３月２７日に「湯立獅子舞」が行われる箱根仙石原 諏訪神社と、５月５日に「湯立獅子舞」が行われる公時神社があります。
諏訪神社について
金時山に立つ神社の一つで、地元では「お諏訪さん」と呼ばれ、仙石原の氏神として古くより親しまれています。
公時神社について
金時山に立つもう一つの神社で、金太郎のモデルになった坂田公時(さかたのきんとき)が 祭神として祀られています。毎年子供の日には「公時祭まつり」が行わます。
仙石原おすすめの宿は？
日本の桃源郷と呼ばれる「仙石原」でおすすめのちょっと贅沢な宿をご紹介致します。
箱根リトリート villa 1/f(ワンバイエフ)
1/f（ワンバイエフ）とはリラクゼーション効果に共通した波長の法則「ゆらぎ」のことを指します。
11棟の温泉付きプライベートヴィラで、特別なひと時を過ごすことが出来ます。暖炉の火、温泉の湯気、風、自然の癒しを存分に堪能してください。
- 住所 〒250-0631 神奈川県 足柄下郡箱根町仙石原1286-116
- TEL 0460-83-9090
THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原
贅をつくした料理と温かいおもてなしの「滞在するレストラン」。
料理長の生み出すオリジナル料理のレストランに、全室源泉掛け流しの温泉を備えたくつろぎの美食宿。レストランは宿泊者以外の方もご利用いただけるディナー営業を行っているそうです。
- 住所 〒250-0631 神奈川県 足柄下郡箱根町仙石原1245-337
- TEL 0460-83-8981
金乃竹 仙石原
誰もが知っている かぐや姫 のお話「竹取物語」をコンセプトにした旅館です。
今なお作者がわからないというミステリアスな物語。そんな物語をイメージしながら、箱根の自然と調和し遊び心いっぱいの非日常空間で癒されるようプロデュースされたちょっと贅沢な宿になっています。
- 住所 〒250-0631 神奈川県 足柄下郡箱根町仙石原817-342
- TEL 0460-85-9200
まとめ
- 「湯立獅子舞」は勇ましく、ときに細やかな舞と一年間無病息災でいられるといわれる湯掛けの儀式
- 神楽と獅子舞は古来より接点が多く、その二つが一度に楽しめるのが「湯立獅子舞」
- 仙石原は神奈川県で唯一の湿原が残る自然豊かな土地、ススキ草原が有名
今回は湯立獅子舞について調べてみました。
私は今回の記事を書くまでは「湯立獅子舞」のことはもちろん、箱根に仙石原という素敵な名所があることすら知りませんでした。
仙石原について調べていると素晴らしいススキ草原の写真が数多く出てきて、私だけでなく数多くの人を魅了している場所なんだと感じます。
また湯立獅子舞についても、神事である「湯立神楽」と悪疫退散の意味が強い「獅子舞」を合わせて舞って見せた先人たちのどうにか天災や病役から救われたい。という切なる願いも感じられました。
2021年は新型コロナウイルスの影響により様々な行事が見送られてきましたが、観客の制限を行いこの「湯立獅子舞」は昨年も開催されました。
なんでも、元々「湯立獅子舞」は悪疫退散・五穀豊穣を願って舞われてきました。こんな時期だからこそ「湯立獅子舞」は舞われるべきだという思いのもと開催されたそうです。
そういう話を聞くと、今でも日本の歴史・先人たちに支えられて生きているような気がします。
2022年の開催でも人数規制がされるそうです。「湯立獅子舞」を見に行かれる方は、事前に公式HPでの確認をお願いいたします。
湯立獅子舞について 公式HP
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